「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
「旧日本軍が中国で何をどのように行なったのか」を、加害将兵らの証言を通じて明らかにする。生々しい、慟哭と悔恨の告白が示す衝撃の事実…。証言者たちの現在の思いを取材した増補改訂版。【「TRC MARC」の商品解説】
戦後の日本は、自ら犯した侵略戦争の加害事実を十分には明らかにしてこなかった。その加害事実についての総括・反省がほとんどないままに、その事実を否定しようという流れが強まっている。歴史の事実から学ぶ──このことこそがいま、日本にとって一番必要とされていることだ 本書は「旧日本軍が中国で何をどのように行なったのか」を、加害将兵らの証言を通 じてを明らかにする。なぜ多くの日本人青年が数々の蛮行を起こすに至ったのか、後にどのような過程を経てその罪を深く悔いるようになったのか??生々しい、慟哭と悔恨の告白が示す衝撃の事実……。初版刊行後4年が過ぎ、日本の進路が「いつか来た道」の様相を露わにするなかで、増補改訂版では、本書の証言者たちに現在の思いを取材した。【商品解説】
目次
- まえがき
- 第1部 中国へ「帰郷」した日本人戦犯たち
- 第2部 時代に翻弄されて
- 第一章 侵略の流れに抗しきれなかった私
- 第二章 私も実的刺突に関わった
- 第三章 「肝だめし」の名のもとに
- 第四章 虐げられている者同士で
著者紹介
星 徹
- 略歴
- 〈星徹〉1960年神奈川県生まれ。塾講師等を経てフリーのルポライター。「最後の認罪」(「私たちが中国でしたこと」に掲載)で第4回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」報告文学賞受賞。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
日本が犯しつつある二度目の罪
2006/10/17 03:53
15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」という会があります。もとの名を「中国帰還者連絡会」というように、日中戦争において中国本土で日本軍の一員として戦争に参加した人たちの集まりです。
それでは、「撫順の奇蹟」とは何でしょうか。
この人たちは、1945年の日本国敗戦後、中国に取り残され、「撫順戦犯管理所」と「太原戦犯管理所」に戦犯として拘留された人たちです。そしてその撫順で、そして太原で、「奇蹟」が起こったのです。旧日本軍の手先として、想像しうるすべての残虐の限りを尽くした殺人鬼から、元の優しい人間へ、「奇蹟の回復」を果たしたのです。
少し長いのですが、撫順の奇蹟を受け継ぐ会のHPより抜粋します。
「中国政府の戦犯にたいする方針は「戦犯とても人間である。その人格を尊重せよ」という人道主義の政策であり、・・・この人道的で暖かい待遇は、私たち戦犯に大きな感動と反省とを呼び起こしました。・・・中国人の道義性の高さに感動し、このことをどう理解すべきか、真面目に考え始めました。」
自分たちが、あれほど残酷な目に合わせてきた中国の人たちの人道的な振る舞いに触れ、この人たちは、それからどのように考えるようになったのでしょう。再びHPより。
「自己の過去を反省する学習によって、人間の良心を取り戻し、過去の罪を告白して、中国人民に謝罪する認罪運動を巻き起こすことが出来ました。・・・私たちの活動の出発点は、「認罪」(過去の戦争の非を認めること)であります。」
日本が二度と誤った道に進むことの無いように、自分たちが過去に犯した罪悪を告白し、啓発する運動が始まりました。
自分が過去に犯した罪、すでに時が過ぎ、自分が言わなければ、周囲の人たちでさえ、知らないか、忘れ去っているであろう罪、これをあえて告白する勇気。真の勇気に敬服すると同時に、これらの人たちの声を大切に残していく必要性を痛切に感じます。われわれが、またあの時代のように、間違った道に進んでいくことの決してないように。
しかし、もうひとつ忘れてはいけないことがあります。日本という国としての贖罪です。
はじめての戦後生まれの首相が誕生しました。この人は、ただ若いからというだけでなく、本当の意味で“無知”の人のようです。過去の日本が犯した罪の数々について、全く知らないのか、それとも知らないふりをしているだけなのか。
過去に自分の犯した罪を決して忘れることなく自己の苦悩と闘い続ける志の高い人々と、過去に自国の犯した罪を知ろうともせず、近隣諸国に対し強権的な外交に出ようとする日本の総理大臣。この落差には、ただただ落胆するばかりです。
このような総理大臣を選び出した有権者たちは、また過去と同じ罪の道にはまり込みつつあるのです。