春に来る鬼 骨董店「蜻蛉」随縁録 （Ｂ’ｓ‐ＬＯＧ文庫）

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この分野に馴染みのない人には、ちょっと読みにくいかもだけどよかった！
作者さん、趣味に同類の匂いを感じます。

このレーベルは、全体的に絵がポップに感じます。
もうちょっと硬い絵でもよかったかも。

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村に伝わる奇祭とか、村に伝わる伝承とか、そういうものが出てくる物語は非常に興味を引かれるのだが、読んでみると何かしら自分の期待していた物語とは大きく違っていたり、結末が気にいらなかったりとガッカリさせられることが多く、今回も期待半分、不安半分という気持ちで読んでみました。結果から言うと大当たりな本でした。祭りや骨董などの民俗学的部分と、祭りから失踪した女性の謎というミステリ的部分と、村で暮らす少女の抱えている悩みという青春小説的部分とがうまく融合されていて、読みやすかったし、読み応えがありました。民俗学や骨董の説明も、くどくなくサラリと書かれていて、でも知的好奇心を満足させるには十分な説明がされていて、大変興味深く読みました。物語の中盤に、登場人物たちを結ぶきっかけとなったとんぼ玉のことや、祭りの起源ともなった出来事が挿入されていますが、これって何か今後の展開にも関係していたりするのかな、と考えちゃうのは期待のしすぎでしょうか。