紙の本
好きな事に命をかけるって、意外としんどい。
2015/10/14 17:04
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投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自己実現系ワーカホリックの世界を描いています。
お金よりも「やりがい」で、事故死は美談とされる。
団塊ジュニア以降が「好戦的でワーカホリック」という考えの是非は別として、所得の低い職業(バイク便で少数の人はかなり稼いでますが)においては、愛情や友情、オレは好きな事を仕事にしてる、など、ここの部分が否定されたら仕事における全ての価値を否定される。
そういう意味で仕事に希望が持てないのなら、たとえウソでも仕事を通じて自分は成長している、変わっていると「自分から」思うことの方が幸福なんじゃないか?という伏流が見えてきます。
薄い本で、新書なのにお値段はお安めで、すぐに読めます。タイトルが世代論を煽っているかな?って思ったので、別のタイトルだったら、おじさん世代とかも抵抗なく手にとったかもしれません。2006年発行だからしょうがないけど。
紙の本
もはや、労働者の敵は資本家でない。
2006/11/30 20:08
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コマツバラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
近頃の若者は文句が多く、働かない…というのは本当なのだろうかと、常日頃思っている。確かに、愚痴は多いかもしれない。しかし、彼らは、直接的な対立が起きる前に、勤務先を去っていく傾向があるように感じる。
著者は自らがバイク便ライダーの若者として、労働に従事する中で、気付く。良いとは言えない労働条件の中、彼らは「好きでやっている」と述べることである。不満はあるが、「好き」なのだから、文句は言えない。
それでは、若者達は企業に操られているのだろうか?著者はそうではないと言う。企業の偶然の施策が、若者を競争に追い込んでいく。悪い資本家が、貧しい労働者を苦しめているのではない。若者は、資本家に騙されたり、命令されたりするのではなく、自らを資本主義システムに同化させていった結果、搾取されている格好になったのだ。
支配は、「被支配者が、まるで自分が望んでいるかのごとく、支配者に従属する」ことで究極の形をとる。若い労働者の敵は資本家ではない。自らに巣食う、献身的な資本主義への傾倒である。
著者は、この問題の処方箋として、同胞との連帯、つまり労働組合の復活を呼びかける。もちろん、それは有効な手段となるだろう。自分達の労働条件は、自分達で守らなければならない。
しかし、そのような自己の利益保持で問題は解決するのだろうか?お金が欲しい。だから稼ぎたい。それは、資本主義社会ではまっとうな欲望である。この欲望を生み出すシステムが搾取の病巣だとすれば、それに真正面に向き合わずに、治療はできるのだろうか?
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内容がない。ブルーワーカーの就業状況について記述されているが、それは昔から変わらないのではないだろうか。
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職場のトリック!誰かが仕掛けたのでもなく、労働者自身が自分の首を絞める方向に進みたくなるような仕掛け。しかも、ほっておくだけで経営側にとっては利益があるほうに、「集団催眠」のように勝手に進んでいってしまう。はまっている本人が不快をあまり感じない負の無間ループは恐ろしい…。
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買ったら1日でさらっと読了。「バイク便ライダー」という仕事への参与観察、という題材自体のおもしろさもありますが、「ワーカホリックがどのように生まれるか」というメカニズムの入門書として、なかなか意義深い本だと思います。いや、ウチの会社にもいてるんですよね、「がんばったらたくさん給料もらえるような人事制度にしてくれ!」とかほざくアホタレが。労働者保護の何たるかを、ちょっとは考えても見ろというわけで、そういうアホタレにもわかりやすく書かれている本書は、少なくともワタシにとっては、GJ!という評価です。こうやって「搾取される若者」の存在は、いわゆる「性別役割分業」と無関係でないと思うわけですが、そのへんについてもどなたか論をまとめてくださいませんかねぇ?と、他人だのみしてみるテスツ。(20061110)
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労働条件を気にせず、ただ「好き」を仕事にして苦しむことになる「ワーカーホリック」について批判的に書かれた本。
しかし、私としては「ワーカーホリック」はそこまで好きなことを追求できる姿勢が羨ましく思える。
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東大大学院生でバイク好きの著者が、バイク便ライダーとして潜入取材した本。まとまった分析にはまだなっていないが、若者の低賃金労働の実態、特に低賃金労働にもかかわらずはまってしまう実態が生々しく伝わってくる。今後取材を重ねてまとまった形になるのを期待。
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Jesus!なんてこった!ってか
まじ勘弁してくれ。ただの暴露本に近い
本は薄いし行間広いし語彙は脆弱で、読むのが比較的早い人なら15分とかからないでしょう。タウンワークの方がまだ内容的に豊かです。
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東大生が一年間休学してバイク便ライダーのバイトをし、そこからワーカホリックの現状を見るというもの。アイディアは素晴らしい!ただまだ細部について書けていないとこが惜しい。
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バイク便ライダーの参与観察におけるワーカーホリックの危険性・・・なかなか面白かった。通勤の行き帰りとかで読める量。団塊ジュニアは好戦的で素直。うーん確かに。でもどこかドライというか猜疑心もないわけではない。仕事が忙しいと没頭しがちだけれど、たまには客観的に見てみることも必要だということを思い出した。
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傍から見たらかっこよく見えるバイク便。好きなことを仕事にしてるんだから幸せなんじゃない?なんて思ってたけど、まさにワーキングプア。危険と隣り合わせで安定感もないという魔のスパイラルにはまっていく。適職、天職 とは何かを考えさせられる。
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仕事に夢中になればなるほど自分の首を絞めることになるとは、何とも恐ろしい。
かの東大生が書いたという本書。
学生が書いただけあって、読みやすかったことは確か。
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東京大学大学院生の著者が実際にバイク便ライダーとして働き、そこで行われる現代の若者アルバイターの価値観の形成と、その働き方をルポ形式で綴った一作。
「怠け者」といった従来の若者論と真っ向から対立する形で、若者が「働きすぎる」ことやその姿勢が低賃金での労働搾取をもたらす事に警鐘を鳴らす。
ということは、むしろワーカホリックは我々の望むところなのだろうかな・・・。目の前にのめり込むものがあったほうが幸せな気がするからかな。
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1年間、バイク便ライダーとして働きながら参与観察を行った若年労働者による分析記録。
バイク便ライダーの「かっこよさ」、そして労働者の抱える問題が克明に書かれている。
すごく読みやすい本です。
「経営者のトリック」ではなく、「職場のトリック」という点が印象的。
おもしろい本だと思います。
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卒論の資料。
◆ 形式
東京大学を休学して、著者が1年間バイク便ライダーとして働いた経験を活かし、そのとき体験した現実をインタビューを多々おりまぜながら描きだしている。バイク便ライダーの生活と価値観がどのようなもので、それがどのようにして形成されていくのかを理解させてくれる。
◆ 内容
やりたいこと志向の若者が、実際に趣味などの好きなことを仕事にし、そこに熱中することを「自己実現系ワーカホリック」と評しており、それはその仕事が不安定就業であるとき、問題は起こるという。その典型例がバイク便ライダーであるとして、論を進めていく。
好きなことを仕事にといって、不安定就業につく場合、そこに熱中することによるリターンは、リスクを考えると割に合わないぞ、という話。
冷静に考えればそこに気づくことはできるのだが、気付かないようにうまくシステムができてくる。重要なポイントは、そうしたシステムは、資本家の側が仕組むわけではなく、若者たちが効率的に熱中して活動しようとすることでそうしたシステムを勝手に生み出してしまっているということ。
◆ 感想
「搾取される若者たち」というタイトルだが、結局搾取を生み出しているのは若者たち自身が作り出したシステムであることになる。また、そうした搾取が起こる条件としては、
・その取り組む仕事が不安定なものであること
・リターンが割に合わないこと
が当り前ではあるが、明示されている。
今の自分が思うことはむしろ、
好きを仕事にしすることによる動機づけの威力はやはり相当強いもので、それを活かせるような条件があれば、それでいいのだろうな、ということだった。