紙の本
感情豊かな生活がいい生活を保ち続ける
2007/04/03 20:54
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:macc - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、東京大学医学部を卒業し、付属大学精神科助手、アメリカのカール・メニンガー精神医学校国際フェローを経、国際医療福祉大学教授として活躍している。精神医学、精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学を専門とする精神科医である。「スケベ心」を失くしてしまうようだと、感情の老化が相当進んでいるらしい。インパクトがある。読者の掴みも上手い感じがする。「見た目」「体力」「知力」を普通考えるが、感情を司る前頭葉が仕事をしなくなることから始まるとしており、老年精神医学を専門とする著者が、若さを保つ、即ち、前頭葉を維持管理する生活習慣を、迷信を解きながら、理路整然、ある時は興味深く紹介している。感情を司る前頭葉の機能が衰えると、やる気がうせ「知力」に影響し、「体力」「見た目」へと悪影響が広がるわけである。40歳代からのケァーが必要とのことで、私こと、恥ずかしながら50歳を超えており、自分の40歳から後のことを思い出そうと真剣になってしまった。前頭葉、感情を気にして生活してこなかったことは間違いない。(ほんと、冷や汗が出ます。)即実行しなければと、方法論へ一直線に進めます。
巻頭にある「感情老化」度テストが面白い。方法論、術に関する本であるが、章それぞれにインパクトのある記述なので、よく記憶に残る。著者は教育者としても一流ではないか。やる気など感情が減退すると、脳自体使わなくなるらしく、自分の心当たりをつい探してしまう。この本を読むことが、感情を司る前頭葉を働かせているかもしれない。意欲や自発性など内発的動機に起因する全てにかかわっており、言動の原点のようである。言い換えると、言動のモチベーションが「欲」で、生きる原動力としており、それが40歳代に衰え始め、対処を真剣に考えなければ、50歳以降に影響が出る。記憶力は老化の始まりではなく、終焉に近く、今すぐにでも感情を保つ工夫が必要である。肉体的には、何歳になっても鍛えることができ、80歳で20歳代後半の体力を維持できる。東京の歩行可能者のデータでは、ここ20年で10歳若返っており、IQも年齢に関係なく低下が少ない。問題は、怪我・病気で寝込み「脳や体を使わない時間」の多さが、加齢によって、衰え方の問題として出てくる。コトあれば、老化は加速度的に進行するわけである。躓かず、引きこもらないで、体力・IQを維持できる生活ができれば、老化は防げる。そうした生活を維持する感情老化防止が、あらゆる老化を防ぐ基である。
対処としては、40歳代からはじめ、
1.宗教と対立してしまうが、「欲望」を維持が生きると言うことの原動力である。早くに枯れてしまうと、余生が辛い。
2.「年甲斐もなく」と言われるのは、いいこと。褒め言葉である。経験が豊富だと、普通の刺激では不足する。食ならば、初めてのものに挑戦し、勝負事や恋愛が感情にいい刺激を持っている。不確実性の状況への対処や向上心の刺激でもある。個人的に恋愛ほど頭を使うものは無いと思う。同感である。
3.やる気のおきない時には、必要以上に反省しない。気分転換の方法をもっておく。
4.自己愛に満ちた思考が大事である。単なる自慢話でなく、普遍的に自己の失敗を話せるようになると最高ではないか。
5.「決めつけ」をしない、つまり、感情に抑制が効いており、事態の変化にも強くなれる。柔軟性の維持が重要と見るべきである。
6.自己責任で実益のある趣味に打ち込む。家庭菜園が最良で、いいも悪いも喜びに変えることができる。
7.「高齢者に粗食」は嘘である。脳を活発に働かせるためには、肉も食べ、たんぱく質・コレステロールが不足しないように心がける。神経伝達物質や細胞膜の原料で、年齢には関係ない。(勿論、取りすぎはよく無いでしょうけれど)
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患者さんにオススメ「老化」ふとしたきっかけから自分に自信が無くなる。
そんな患者さんの声を聞いたことがありませんか?注意を必要とする老化現象とそうでないアクシデントの線引きをしています。今年は特に退職される患者さんも多いでしょう、そんな方達の不安を軽くする本です。団塊の世代の男性、その家族向け。
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老いることを楽しめているか自分?
感情が乏しくなっていくと老化が進む。
いつまでも若々しくいる人は趣味や人付き合いが豊富。
自分が40代に突入し,結構身に染みる内容でした(苦笑)。
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最近、自分の行く末を考えるにつけ、タイトルにすごくうなずくところがあったので読んでみました。内容に目新しいものはありませんが感情を豊かに保つことの重要性がわかります。
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人は感情から老化するそうです。
感情が老化すると、身なりにも構わなくなり、必然的に外見も衰えていきます。
これ、とてもよくわかります。
そして、感情老化は40代から始まるのだそうです。
まさしく、その過渡期に差し掛かっている私には、とても興味深く読むことが出来る一冊でした。
所々で、ポイントが書かれていて、これをチェックするだけでも参考になるかもしれません(復習が大切!)。
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自分自身の気持ちでの上での老化具合を知る良い機会になりました。
また、楽しい老後を送るには40歳代から始めないといけない事が色々とあるんだなと感じました。
最近イライラしている。
物忘れが多いのが心配。
お世辞を言われると心地よい。
「まあいいや」と妥協してしまう。
行ってみたい所は在るがまだ行けていない。
やってみたい事が有るがまだやっていない。
昔からしていた趣味に割く時間がとれない。
40歳代である。」
など、ご自身と重なる部分のある方は是非読んで見てください。
色々な場面でトークに使える内容満載なので読んで損はないと思います。
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色々と考えさせられる内容でした。主に40歳を過ぎてからの脳について語っているのですが、20代30代でも十分に参考になる本です。
「保続」という、前に考えていたことから切り替えができなくなる性質についてや、人の趣味は40歳で転換点を迎えるという話、脳が縮んでも認知症と直結はしないのだということ、どれもこれも目新しくて、かつ納得がいく内容で、成程ー、と思うことしきり。運動器官を使わずにいるとすぐに衰えるように、人の脳も使わずにいるとあっという間に衰えてしまうという点は納得がいきつつ恐怖。私きっとすぐにボケる……!
脳に適度にストレスを与え続けるよう、思考が停滞してしまわないよう、常に新しいことにチャレンジできる人で居続けられるようにしようと、改めて感じました。
それにしても、脳を老化させない習慣術って、うつ的な思考から抜け出すためのプロセスに似ているよーな。
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医学的に見ると、体力や知的機能よりも感情機能のほうが先に衰える。
何歳からでもスポーツやトレーニングを始めれば、体力は再び向上する、でも年を取って病気やケガで寝込んでしまうと、ガクンと体力が落ちてしまってリカバーするのが難しくなる。これが老化の特色。
前頭葉は思考や意欲、感情、理性などの人間ならでは振る舞いを司っている。前頭葉機能が発達している人はアクティブで若々しい。ところが残念なことに、脳の中でも早くから神経細胞の減少が起きるのが前頭葉。前頭葉を使い続けること、すなわち感情の老化を防ぐことが、すべての老化を食い止める第一歩。
年を取って惨めなのは、ボケた年寄りよりもバカな年寄り。何らかの形で、人の役に立っていることが実感できないと、人は幸せを感じられない。仕事やボランティアなどで、いつまでも自分が人の役に立てるものを見つけておくと充実した人生を送ることが可能となる。
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■目的
感情の老化とはどういうことか、またその対策を知る
■本の内容・特徴
感情が老化することで体も脳も見た目も、すべてが加速度的に老化する。「感情の老化」とは怒りなど気持ちのコントロールや切り替え、また自発性や好奇心や意欲が減退していくこと。人間的な感情を司る「前頭葉」を若々しく保つことで老化を食い止める、という話とその方法(習慣)。
老年医学を専門とする精神科医の立場から、「行動する」ことの重要性について。好奇心や意欲が、実際に「行動レベル」まで進んではじめて効果的に感情の老化が防げる。
■参考になった部分
・人生経験によって蓄積された「結晶性知能」が邪魔をして、ものごとに対する感動や関心が薄れる。
・複数の楽しみを平行して続ける。これは「感情の切り替え(スイッチ)」を訓練することになる。別の楽しみがあれば、気分を切り替えることは容易になる。
・ますます落ち込むという悪循環を断つためにも、落ち込んだら絶対に反省しない。儀式的な行為(気分転換)をして気持ちを切り替える。
・感情の老化防止のために、前頭葉の柔軟性を保つことが重要。様々な可能性を考える。
・エピソード記憶する読書法、イチャモンをつけながら読む。
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老いるとは?
記憶力ではなく、感動や喜怒哀楽などの感情が老いること。
如何に生き生きとした人生を過ごすか。
大切なのは感情とのことです。
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図書館でタイトルを見て思わず借りてしまった1冊。本書は、定年退職前後の年齢の、どちらかといえば仕事真面目に過ごされてきた方々にイエローカードを示した書かれ方のような気がする。なので40代〜に向けて書かれたのか内容かと。
ということで、私がその年齢合わなかったということで、内容うんぬんに関わらず、星二つ。
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[ 内容 ]
人間の老化は、「知力」「体力」より、まず「感情」から始まる。
記憶力の衰えを気にする人は多いが、知能・知性は高齢になってもさほど衰えないことがわかっているし、正常歩行能力なども思っている以上に、維持される。
それよりも問題なのか、怒り出したらずっと怒っているといった、感情のコントロールや切り替えができなくなったり、自発性や意欲が減退していく「感情の老化」だ。
脳の中でも、記憶を司る「海馬」などよりも、人間的な感情を司る「前頭葉」から、真っ先に縮み始めることがわかっている。
これを放っておくと、体も脳も見た目も、すべてが加速度的に老化してしまう。
本書の「前頭葉を若く保つ習慣術」で、感情の老化を食い止めよう。
[ 目次 ]
序章 「感情の老化」とは何か?―人間の脳は「前頭葉」から縮み始める
1章 何もやる気にならない人、何でも心から楽しめる人
2章 いつもイライラしている人、のんびりと心静かな人
3章 落ち込んだら長い人、パッと切り替えのできる人
4章 物忘れのひどい人、記憶力が衰えない人
5章 年を取ることが不安で仕方ない人、年を取っても気楽に生きられる人
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「落ち込んだ時は反省しない」
「頭を下げる価値は偉くなるほどあがる」
最後は歳をとってからの生き方論になってしまって、急に安っぽくなってしまった。結局、やなじじいになって痛い目にあうのは自分だぞってか?年賀状や見舞いに誰も来なくなるなんて話をされてもなあ。。。
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ずばり、現在40代向けの本。
前頭葉のアンチエイジングには、刺激。
「年甲斐もなく」は褒め言葉と心得てアクティブに。
40代に最高値となる心の知能指数EQ※はいつまでも衰えないように心がけたい。
心の知能指数EQ※
1 自分の感情を知る(客観視)
2 自分の感情をコントロールできる
3 自分を動機づける(意欲)
4 他人の感情を認識する
5 人間関係をうまく処理する
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いつも和田秀樹の本は読みやすいとおもう
きっとこうあったらいいのにという部分をうまくとらえて文を書くからにちがいない
わがままにすきなことをしようとしたら前頭葉は活性化するのか
そうやって老化を防ぐのはいいのかもと思うと
ページが進むのは私だけでは無いだろう
眉唾な面もあるが楽しく読めた