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紙の本
浜田廣介童話集 (ハルキ文庫)
著者 浜田 廣介 (著)
人間たちと友達になりたいという赤おにと、赤おにの願いを叶えるために悪者になった青おにの思いやりを描いた代表作「泣いた赤おに」をはじめ、「お月さまのごさいなん」「たましいが...
浜田廣介童話集 (ハルキ文庫)
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商品説明
人間たちと友達になりたいという赤おにと、赤おにの願いを叶えるために悪者になった青おにの思いやりを描いた代表作「泣いた赤おに」をはじめ、「お月さまのごさいなん」「たましいが見にきて二どとこない話」など、文庫初収録の作品まで、子どもから大人まで愉しめる全20話を収録。やさしさと思いやりに満ちた“ひろすけ童話”アンソロジー。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
泣いた赤おに | 8-24 | |
---|---|---|
むく鳥のゆめ | 25-30 | |
五ひきのやもり | 32-49 |
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紙の本
真に泣いたのは赤鬼なのか
2013/04/29 19:02
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投稿者:部屋住冷飯郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「泣いた赤鬼」を書いたとき、作者は何を思ったのだろう。
小学生向けの道徳の副読本では「本当の友達」みたいなテーマで教材文として全文が掲載されているが、はたして本作が示しているのはそんなものなのだろうか。
たしかに青鬼は、赤鬼にとってかけがえのない友だちだった。自己犠牲のすばらしさ、美しさも感じる。しかしその友情に赤鬼は最後まで気づかなかった。青鬼は果たして旅に出ただけなのか。死んだのではないか。もし旅にでたとして、そのとき青鬼の胸に去来した思いはなんだったのだろう。人間への絶望、それ以上に友人であったはずの赤鬼への絶望ではなかったか。むしろ青鬼はそんな人間も、赤鬼も、俯瞰して眺めていたのだ。だまって。本質を見ず、偏見に固まった人間どもと、健気なる赤鬼は、実は同一の存在なのではないか。結局のところ。その純粋さゆえに青鬼は居場所を失ったのででないか。
作者の人間に対する絶望を感じずにはいられない。しかしそこから、私たちはどう踏み出せばよいのだろうか。