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紙の本
マンガ少年だった
2007/04/29 11:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大島なえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
勝川克志ことカツ坊の描くマンガには、いつも時代遅れな話がある。それは現代のマンガにあえて逆をいくのかと思いたくなるほどノスタルジィな夕焼け色に染まって、読む者の心にじんわり染みこんでくる。
本書は、「ビッグコミック1(ONE)」に連載されたのを単行本になったもの。おそらく作者の少年時代(昭和30年代)を岐阜の田舎で過ごした自伝的なマンガだ。マンガ好きで、小学生の頃から「鉄人21号」を模した自作ミニコミマンガを手作りしたり、友達と納屋の二階で集まり、これも自作フィルムをひとコマづつ描きスライド上映会を中学生の時にやり、大成功するものの熱から火がついて火事になりそうになり大目玉を食ったりする。家業は電気屋で、いつもお金がないが、田舎の遊びを創作しては楽しむ今の都会では全くない自由でのんびりした遊びとマンガがある。
人物も幼く、子どもも大人もどう見ても良い人に見える。しかし、この良さが他の現代のマンガにはない希少さがある。読み終えて、しみじみ今度田舎に帰ってみようか。と思わされるのだ。
カツ坊は、読んでもわかるように少年の時代から手作りミニコミを作る、古い言葉で言うならたたきあげのミニコミ好きな作家だ。自分だけの手作業で一冊ずつ手製で本を作る楽しみも辛さも知りつくした人だと思うが、それを今も続けている事も知っていて永遠の少年カツ坊の夢のつづきを見ているような感じがした。