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フランスの文化政策 芸術作品の創造と文化的実践 (文化とまちづくり叢書)
近年、近隣諸国が文化予算を大幅に削減している中で、フランスは文化のための予算を拡大し、その活力を維持している。なぜフランスは、芸術文化大国たりえるのか。世界的権威による最...
フランスの文化政策 芸術作品の創造と文化的実践 (文化とまちづくり叢書)
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商品説明
近年、近隣諸国が文化予算を大幅に削減している中で、フランスは文化のための予算を拡大し、その活力を維持している。なぜフランスは、芸術文化大国たりえるのか。世界的権威による最先端の文化政策論。【「TRC MARC」の商品解説】
文化政策とは芸術を発展させるのみならず、国家的アイデンティティの強化や雇用創出など、社会・経済の発展に芸術を活用することである。フランスでは、古来中央政府がこの運営に決定的な役割を果たしており、その起源は太陽王・ルイ十四世の施策にまでさかのぼる——。
本書は文化芸術大国フランスの大国たる由縁を、ルネサンス期から説きおこし変貌しつつある現代の政策まで解説した初の書。建築、音楽、劇作といった中核的ジャンルはもちろん、著作権、芸術家支援、施設経営、デジタルコミュニティの誕生など、最近注目されているテーマにも言及する。【商品解説】
目次
- 1章フランス文化政策の起源とその構造
- 1.その起源
- 2.文化政策の内容
- 3.文化政策の制度設計
- 4.文化政策の予算規模
- 第2章文化財保護政策
- 1.文化財はどのように登録されるか?
著者紹介
クサビエ・グレフ
- 略歴
- 〈クサビエ・グレフ〉パリ第1大学(パンテオン・ソルボンヌ)教授、経済学専攻科長。パリ大学公法学修士、経済学修士。政策研究大学院大学客員教授。国際文化経済学会理事。
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待ち望まれた本、しかし・・・
2007/04/11 23:42
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:art-culture - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランスは、文化政策(さらに文化政策研究)に関する長い伝統と強固な制度的基盤を持った国であり、先進国の中でも、フランスの文化政策の持つ重要性はきわめて大きい。しかし、日本で紹介されるのは、英語で(文化政策の充実という点ではフランスに遅れをとる英国や米国について)書かれたテクストの翻訳や紹介ばかりで、フランスの文化政策についてフランス語から訳されたものはきわめて限られているのが現実である。イヴ・レオナール編『文化と社会』は2001年の刊行であり、すでに6年が経っているうえに、扱われている内容はさらに古いので今日の政策を適切に伝えるものでは亡くなりつつある。本書は、今日のフランスの文化政策を相当に網羅的に(あとがきにもあるように重複もしているが)、統計に基づいて、緻密で説得力のある議論を展開している。まさに待ち望まれた一冊である。
しかし、翻訳については相当な難がある。「報告書」にあたるフランス語のrapport(英語のreport)は、一箇所ならまだしも全ての箇所でrepportと誤記されている(正しく書き写すだけのはずだが・・・)。ほかにも、contratがcontrantになっていたり、アクセント記号が抜け落ちたり、逆向きになったり、cultureがcuitureになっていたり、本書のフランス語表記は全く信用ができない(無理につける必要はないのだから、つけないほうがよかった)。さらに、巻末には2頁の対訳表が(これも本来は不要なのだが)載せられているが、「大道芸」を意味するArts de la rueが「大道芸劇場」(大道芸に劇場とは初耳だ)、「国立美術館・博物館」であるmusees nationauxは「指定ミュージアム」(?)、音楽の著作権管理団体であるSACEMが単に「集中的著作権管理協会」となっていたり、学術書としてはあり得ないレベルの誤訳にあふれている。そもそも、著者の名前のXavierはクサビエではなくグザヴィエである。
なぜにこのような、著者のためにも、翻訳者のためにも、読者のためにもならない不幸な出版がなされてしまったのか。学術出版全体に対する信頼性を損ないかねないという意味では犯罪的でさえある。補助金や助成金の問題があったのかもしれないが、単純にいって、年度内の出版を強行すべきではなかった。