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商品説明
武士の本懐を貫いた義父・光秀と潔く爽やかに散った男が、命を賭して生涯守り抜いたものとは…。『信長の棺』『秀吉の枷』に次ぐ一挙書き下ろし750枚。「本能寺」三部作完結!真実は敗者の側にある。【「BOOK」データベースの商品解説】
真実は敗者の側にある。武士の本懐を貫いた義父・光秀と、潔く爽やかに散った男が、命を賭して生涯守り抜いたものとは…。「信長の棺」「秀吉の枷」に次ぐ、「本能寺」3部作の完結編。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
加藤 廣
- 略歴
- 〈加藤廣〉1930年東京生まれ。東京大学法学部に学ぶ。2005年に「信長の棺」で作家デビュー。他の著書に「秀吉の枷」など。
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紙の本
現代の左馬助はどこに。
2007/06/03 12:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:jis - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は「信長の棺」「秀吉の枷」に続く三作目である。
明智光秀の部下であり、やがて義理の息子になる左馬助が主役である。時代の荒波が、ほんの少しの偶然から生死を決め、天下の情勢が一瞬にして変わる、そんな時代に生きた一武将の物語でもある。
主人である光秀は、律儀そのものである。戦国の世ゆえ、自分の出世・一族の繁栄を第一義に考える。どの武将も同じである。しかし光秀の律儀さは、時に運に見放される。天皇に対して、一族に対して、家来に対して時代の要請から徐々にはずれていく。
結果が、本能寺の変である。本来援軍となるはずの細川軍は雲がくれ。筒井順慶は洞ヶ峠を極め込む。それ以上に、朝廷から御綸旨を受け賜る予定が、これもまるで判で押したような陰謀で受けられない。左馬助は主人の運命と同くするが、それは悲劇の大団円の始まりであった。
ところで「明智左馬助の恋」はどうなったか。綸との関係は、幼なじみと言うこともあり、また再婚でもある。綸の身体は、中絶後夫婦関係は結べない。二人は、愛情というよりそれを超えた慈しみの関係である。「俺は、こう思っている。人の世の男と女の関係はの、なにも獣のような目合ばかりがすべてではないと。文字通り、目と目で見つめ合い、手と手を握り合う。それだけで満足できる男女の仲があってもよいのではないか・・・」
左馬助と綸の最後は、落城での衾ではなく永遠の夫婦の契りであった。純粋な、夫婦愛のまま二人一緒に天国に昇った。今日日の男女間でも珍しいくらいの愛情関係が、読むものの心を打つ。作者は、戦国の世の血みどろな戦いの中で、左馬助の恋を持ち出す事によって、世の無常に一服の清涼を醸し出した。
紙の本
義の人、不運の人明智左馬助!!
2007/06/03 23:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:武蔵野 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本能寺の変を描いた三部作「信長の棺」「秀吉の枷」「明智左馬助の恋」の完結編である。筆者が三方向からの視点で、本能寺の変を描くコンセプトが生きている。黒澤明監督も、3台のカメラを別々の位置から、軍勢の動きを撮影し、奥深い映像を完成させた視点と同じ手法である。
さて、何故、筆者は左馬助の視点から光秀を描いたのだろう。主君信長を裏切り、謀反を起こした光秀。謀反という言葉には、人間としての理性や情、倫理観を感じない。極悪人光秀である。従って、光秀の視点では、信長暗殺の言い訳を描くことになる。
義の人左馬助の視点並びに光秀の身内(婿、家老)視点で、光秀の本能寺の変を描くことにより、光秀の謀反は、義憤によるものとのイメージを受けた。
しかしながら、光秀は謀反を起こしたのだろう? 筆者の推理によれば、朝廷から信長を朝敵にした詔を出す密約説があり、光秀は愚かにもその詔を信じて挙兵した説は興味深い。しかしながら、信長暗殺後、光秀の行動には疑問が残る。あまりにも、唐突で、衝動的行為で有り、同士を増やせなかったことである。
本能寺の変後、光秀の凡庸として行動(活動)と山崎の合戦後の死に方が哀れで、小説主人公としての魅力がない。それに比較して、左馬助は、主君亡き後の行動(部下の解散、明智一族のみ自刃)が義の人として小説主人公に据えた理由ではないかと思う。
読者の意見は?
いずれにしろ、読後は様々な思いやイメージを募らせることができ、一気に読み易い本として推奨する。
以上
紙の本
明智左馬助の恋
2007/12/07 16:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ああ無常 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者による信長・秀吉・明智に亘るシリーズ3冊目。本能寺に係る一つの仮説を別の人物の目を経て語る。詳しく論理的な史実分析が楽しい。素直で純粋な登場人物の思考・振舞がプラグマティズムな現代の我々に潤いを与えてくれる。