「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.6
- 出版社: インターシフト
- サイズ:20cm/375p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7726-9508-4
紙の本
動物たちの喜びの王国
いたずらやスリルが大好きで、味わいやセックス、酔いを楽しみ、ユーモアや美意識までそなえている動物たち。そして、魚や昆虫にまで、感性や個性のあることがわかってきた。動物の喜...
動物たちの喜びの王国
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
いたずらやスリルが大好きで、味わいやセックス、酔いを楽しみ、ユーモアや美意識までそなえている動物たち。そして、魚や昆虫にまで、感性や個性のあることがわかってきた。動物の喜び(快楽行動学)をテーマとした本。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジョナサン・バルコム
- 略歴
- 〈ジョナサン・バルコム〉動物行動学者。「責任ある医学をめざす医師委員会(PCRM)」の研究員。カメの産卵、鳥類の繁殖などをテーマに、多数の学術論文、雑誌記事を執筆。世界各地で講演も行う。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
動物は(ヒトは)何のために生きているのか
2008/03/27 00:41
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:田川ミメイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビのドキュメンタリーで「野生動物」の世界を見ていると、時々思う。動物って、いったい何のために生きているんだろう。「弱肉強食」の掟にしたがった過酷なまでのサバイバルや、「種の継続」のための命懸けの交尾。その一生はいったい誰のためにあるのか、よく分からなくなってくる。
が、動物達の‘喜びの心’が書かれているというこの本の著者は、まずそこから覆そうとする。
『マスメディアは、野生の動物は厳しいばかりで喜びのない生活を送っているというステレオタイプのイメージを押しつけてくることが多い。』
そういえば、あたし達が知っている「野生動物」の世界は「マスメディア」によって創られたものばかりだ。何らかのメッセージが入った記事や番組を受け取っているだけ。実際にこの目で、その一生を見たわけではない。そしてそれらは大抵、過酷な「弱肉強食」の世界であることが多い。が、動物達だって、サバイバルだけで一生を終えるわけではない、と著者は言う。
たとえば、鳥。
そのさえずりは、「つがい」の相手の注意をひくため、と言われている。「種の継続」という本能に組み込まれた「目的」のために、決まった時に決まったように鳴いて、相手を選り分ける、と。が、実はその為だけではないらしい。それが証拠に、『同性愛、自己性愛、発情期以外の期間の交尾は、少なくとも三七科120種以上の鳥で観察されている』。そしてそういう時でも、鳥は「喜び」の声をあげるのだという。
ドキュメンタリーなどでよく見る野生動物の「求愛行動」も、より優れた子孫を残すためにプログラムされた行為だとされている。が、考えてみれば、目当ての雌を手に入れたいがために雄同士が争ったり、より優れた(あるいは格好いい)雄に雌が群がるのは、ヒトだって同じ事。そんな時、あたし達「人類」は「より優れた子孫を残そう」などと意識して行動しているわけじゃない。そういう行動は、そこに感情があるからこそ、と考えたほうが、ずっと理に適っているし、納得できる。
食べ物を「美味しい」と感じるから、貪欲に獲物を求める。怪我をすれば、「痛い」「苦しい」と知っているから、危険を回避する智恵を持ち、仲間達に向かって「警告」の声をあげる。動物達はそうやって一日一日を積み重ねていく。サバイバルのためだけに、次の世代に命を渡すためだけに、生まれてきたわけじゃない。ちゃんと感情を持って、自分のために生きているのだ。
この本には、そんな動物達(ほ乳類はもちろん鳥や魚やハエまで)の「感情」についての事例が、数多くの研究報告と共に載っている。それはもう呆れるほど途切れなく続いていく。物語のようにそれぞれに結末があるわけではないから、読み続けるのは辛いと感じる人もいるかもしれない。でもじっくりと読めば読むほど、動物がヒトのように思えてきて、なんだか嬉しくなってくる。
生あるものはいつか死ぬ。サバイバルとは無縁のように思えるヒトという動物だって、それは同じこと。そのことにおいては、野生動物とさほど変わりはないのかもしれない。それでもやっぱり、日々の中には「喜び」がある。それを感じることなく生きているとしたら、動物達は笑うだろう。きっと呆れ顔で言うに違いない。いったい、何のために生きているの? と。
Mimei Tagawa officialWebsite
http://mimei.info/
紙の本
なかなか大変な本です
2022/05/24 18:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:F - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には二度落胆させられました。
カバーのイラストが秀逸なので、楽しい一般向けの内容なのかなと期待していたのですが、図も写真も気の利いたイラストもなし。ひたすら他人の仕事のつまみ食いを羅列する文字ばかりの本でした。
ならば科学的な真面目な本かなと思い直し読み進んでいくと、これがまた内容が酷い。動物好きの著者の思い入れを延々と書き綴った内容で、とても科学的な根拠に裏付けされたものではありません。
著者自身、『・・・科学者たちは科学的に証明できない言明は避けたいと思うからだ。こういう風潮のもとでは、動物が喜ぶなどということはとうてい理解されないし、もちろん認められる話ではない。というのは、喜びは共感と同じように、その感情をもった者にしかわからない個別的な経験だからだ。自分以外の生きものが喜んでいるかどうかを確実に知る手段はない。…』 この人は本当に自然科学者でしょうか?科学者が科学的に証明できない言明を避けたいと思うのは、風潮の問題ではありませんよ。もう、びっくりです。
最後の方には『植民地制度、奴隷制度、戦争、民族浄化、工場式畜産業、捕鯨、テロリズム、種の絶命』は人間がくりかえしてきた悪事と書いてあります。どうしようもありませんね。
この本は、動物を主人公にした次の映画を考えているディズニーのアニメーターの参考にはなるでしょうが、とてもまともな本とは言えません。