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紙の本
カラクリ荘の異人たち もしくは賽河原町奇談 (GA文庫)
著者 霜島 ケイ (著)
異世界へ行く方法を尋ねられ「車か電車で行けば?」と答えた太一に、クラスメイトの采奈は「そんなのつまらないし、安易すぎ」と言った。しかし、下宿することになった空栗荘へ向かう...
カラクリ荘の異人たち もしくは賽河原町奇談 (GA文庫)
カラクリ荘の異人たち ~もしくは賽河原町奇談~
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商品説明
異世界へ行く方法を尋ねられ「車か電車で行けば?」と答えた太一に、クラスメイトの采奈は「そんなのつまらないし、安易すぎ」と言った。しかし、下宿することになった空栗荘へ向かうため彼が賽河原町でバスを降りると、そこは人でなく魚人やムジナ、のっぺらぼうに、喋るカラス—etcたちが行き交う、妖怪たちの住む町だったのだ。おまけにたどり着いた空栗荘は、人間とはいえ一癖も二癖もあるような住人たちばかり…。そんな「あちらとこちら」が混じり合う場所で新生活を始めた太一に巻き起こる、不可思議な出来事の数々とは?賽河原町奇談開幕。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
バスをおりたら、妖怪の町でした。
2008/10/30 20:58
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紅葉雪 - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前より、この作者は『人間以外のモノ』を書いたら抜群で、さらには『人間』と『人間以外のモノ』の関係や、『人間』を描くのが上手いと感じていた。
今回のこの作品も同様である。
家庭の事情から下宿することになった高校生の太一。ところがその下宿先、カラクリ荘に向かう途中、何と妖怪の町へ……? カラクリ荘は『人間の世界』と『妖怪の世界』の接点に建てられていたのだ。
そこの大家を始め、住んでいるのも、一癖二癖どころか、三癖も四癖もあるつわものばかり。さらには人間だけでなく、人形の『付喪』(つくも)アカネを筆頭に、愛敬(?)たっぷりの妖怪たちも登場する。
他人と上手くコミュニケーションがとれない太一も次第にそのペースにまきこまれ、ついでに不思議な事件に巻き込まれ……。
と書くと、最近のYAに多くみられる何ともありふれた話のようだが、これはあくまで「あらすじ」を纏めている自分の力量が不足しているため。
話は申し分なく楽しめる。
一番の魅力は活き活きとした、個性的なキャラクターたちだろう。
一昔前の古き良き時代(?)の日本にあるような、決して他人を放っておかない、親密で世話好き、言い換えればお節介な人間や妖怪たちを描きながらも、作者はまた同時に不思議な距離も保っている。
強いて言うのであれば、誰もが心の底に持っている痛みや傷、他人には触れてほしくない所には登場人物たちにも触れさせず、でも放っておくのでもなく、少しだけ距離をとって気にかけている……そんな優しいスタンス。
この作者の本は、デビュー当時の絶版になってしまっているものを除き、ほぼ全て読破している。自分にとっては、中身やあらすじを確認しなくても、
「霜島ケイ」という名前だけで安心して本を購入できる、数少ない作家の一人でもある。
今年8月に、続編「カラクリ荘の異人たち2」
も出版されているので、この本を読んで気に入ったという方には、そちらもお勧めしたい。