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商品説明
晩年の宇宙論「ユリイカ」を軸に、ポーの作品の社会性や政治性、文化的言説をたどり、アメリカ・ルネッサンス期を照射。作品の「カラクリ」を披露し、物語の虚構性を暴露するメタフィクション性を浮き彫りにする。【「TRC MARC」の商品解説】
ポーには、すでに現存するものから、事の始まりを説明する傾向がある。
晩年の宇宙論『ユリイカ』(1848年)を軸に、ポーの作品の社会性や政治性、文化的言説をたどり、アメリカ・ルネッサンス期を照射する。
作品の「カラクリ」を披露することで、読者に作品の読み方を誘導し、物語の虚構性を暴露するポーのメタフィクション性を浮き彫りにする。【商品解説】
目次
- 序
- ■第I部 物語作家の挑戦〜カラクリをしかけるポー
- ▼第1章 はじめに『ユリイカ』ありき〜単純さへの熱望
- 1 破滅への道
- 2 真実へいたる道
- 3 神の心臓
- 4 神のプロット
- 5 『ユリイカ』による改訂
著者紹介
野口 啓子
- 略歴
- 〈野口啓子〉津田塾大学大学院文学研究科博士課程満期退学。同大学学芸学部教授。共編著に「アメリカ文学にみる女性と仕事」など。
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むしろ堅実なポー解説書
2020/11/25 15:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:休暇旅行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名はややミスリーディングかも。ポーの「カラクリ」=技巧を推理小説ばりの逆算で分析読解してくれるのかと思いきや、むしろ堅実すぎるほど堅実な作家論的解説。
ポー晩年の宇宙論『ユリイカ』から、ポーに一貫する姿勢として〈起源への死による遡行〉を摘出し、〈進歩〉を謳歌する当時の世相に対する意義深い「反動」の作家という視点から、その作品群全体を位置づけていく。
個別作品の読みに意外の面白さはない。末尾の〈『ユリイカ』はポーの理想の雑誌観の具現にして多様なアメリカの叙事詩〉というアイデアなど一章立てて論じてほしいのに、書きつけるだけで説明しないからご自身いうとおり「唐突」の感が否めない。
けれども作家像をつかむには良い一冊。特に、エマソンら同時代の超越主義思想作家との共通点と距離を紹介する第二部は大変わかりやすい。