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商品説明
デジタルには「便利」も「危険」もいっぱい! 明暗を併せもつデジタル世界との正しいつきあい方を紹介する。『日本経済新聞』の連載コラム「デジタルスパイス」に最新の検証とコメントを加え単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山根 一眞
- 略歴
- 〈山根一眞〉1947年東京生まれ。獨協大学外国語学部卒業。ノンフィクション作家。著書に「メタルカラー烈伝温暖化クライシス」「デジタル産業革命」など。
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紙の本
デジタルの楽しみと切なさと
2007/10/04 23:04
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1997年から日本経済新聞で続く連載「デジタルスパイス」から抜粋し、テーマごとにまとめられた本。
まえがきに、下記の通りある。
「続々と登場するデジタル機器にいち早く飛びつき、なんとか仕事や生活に役立たせたい」(p.4)、「『オタク』や『趣味』だけのデジタルではいけない……」(p.4)、「デジタル人生が楽しくなり、また危険防止に役立てば幸いです。これは、読者の皆さんが『賢者』になるためのデジタル本なのであります」(p.5)。
これが、この本の大きなテーマです。そして、個々の商品やサービスごとに、14章に分けてデジタル機器、サービス、webサイトが紹介されている。
以前からデジタル機器を紹介している山根氏だけあって、この本に登場するのも、実際に役に立ちそうなソフトや道具、webサイトが多い。
また、デジタルの利便性を表す名言といえるのが、「なぜアマゾンまで行ってメールする必要があるのか?」(p.196)という問いに対する「メールができるからアマゾンに行くことができる」(p.196)という答え。そして、これはデジタルがあくまで手段であることを忘れないための名言でもある。
そんな便利なデジタルだが、一方でデジタルの持つ切なさも、この本の事例から感じさせる。例えば、著者が『和漢三才圖會』の原書をめくりながら、1712年に発行されたこの百科事典が300年経っても当時のままで読めること、一方著者が使い始めて25年程度のフロッピーディスクが既に読めなくなっていることに思いを馳せる話(p.226)。
こうした部分を読むと、インターネット上やデジタルなメディアに記録された情報は、その時その時を流れ行くもので、100年・200年先を考えたものではないのだろうと思う。ハードディスクは10年も経てば物理的に故障する可能性が高まり、CD-RやDVD-Rは100年以上はデータを保存できるというが、それも保存状態によるし、ディスクは無事でも読み込むためのドライブが100年後に残っているかどうか怪しい。
そう考えると、特にインターネット上で書かれる文章や、そうした文章を書く時の人の考え方というのも、スピードとその場で注目を集めることが重要視される、刹那的なものなのかもしれないと思う。