紙の本
あなたはどんな結婚生活をつくりますか?
2007/10/20 17:16
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「愛する人と一緒にいられたら幸せ?」「愛する人と結婚できたら幸せ?」
まあここまでの質問は、結婚目前の女性ならば、迷わずイエスと答えるだろう。
しかし、結婚後しばらくして行う次の質問には、果たして迷わずイエスが返ってくるか?
「愛する人との結婚生活は幸せですか?」
勿論「イエス」と答えられる人だっているだろう。でも、絶対、前の質問に答えた人の全部ではない。そして、「イエス」が言えない人の理由として、「結婚」の後に続く「生活」の二文字に関係がありそうだ。
そして、彼女達の口からは「結婚して初めて気づいた相手の癖」「馴染めない親戚づきあい」等々、日々の生活に結びついた言葉が、次々と口をついて出る。
恋愛だって、必ずしも映画やドラマのようにはいかなかったが、結婚はもっとリアリスティックだ。本書の主人公トレッサも、上記の例に漏れず、成り行きで決めた結婚相手に迷いまくり、結婚後の違和感に戸惑う。「NYで活躍するフードライター」と「アパートの管理人」という、全然異なるバックグラウンドを持っている二人は、「同じ人間なのに、どうしてこうも、違うんだろ?」と嘆きたいような事に次々と遭遇する。ロマンス小説の主人公にありがちな設定ながら、そこで起こる出来事は、甘いロマンス小説とは一線を画したリアルさを伴っている。本書は、現代に生きるカップルの一連の騒動と共に、彼女が「理想的な夫婦」と崇める祖父母夫妻の結婚を並行して描くが、「トレッサが祖父母達の実態を知って、自らの結婚生活を見直す」という定型的な展開ではない。トレッサは、祖母のレシピを参考にして料理を作るが、その回想録は物語の最後になっても開かれる事はないのだ。しかしながら奇妙な事に、一世代を挟んだ祖母と孫娘は、似たような経緯を経て、「本当の夫婦」に辿り着く。
原題は『完璧な結婚生活へのレシピ』である。レシピを読んで料理を作っても、その料理はやがてそれぞれの家庭の味を持っていく。それと同じように、本書を読んで主人公達の結婚生活を読み込んだ読者達も、やがてそれぞれにとってのあるべき結婚生活を見出してゆくだろう。
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タイトルだけみると軽くてさくさく読めそうですが違います
結婚して夫婦になっていく過程を祖母、孫娘と交互に書いています
説明が下手ですが結婚した人、結婚を考えている人、迷っている人
ぜひ読んでもらいたいです
共に歩むこと、そのことに泣けます
毎年読み返して、
結婚して生活していくこと、それこそに目を向けたいと思いました
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自分の今、読むべき本!!だったなぁ。。と。
結婚の話が出てるけど、その人と結婚してもいいのかなぁ??って悩んでたんですけど。
この本読んで、彼と結婚するんだ!!って思いました 笑
「ほんものの愛はただ与えられるものだということ」ステキな言葉だと思います
結婚に迷ったら。。。コノ本を読むべき!!
最後の10ページくらいを丸々写し取りたいくらいです
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『幸せな結婚はパンケーキの匂いがする / Recipes for a Perfect Marriage』
Morag Prunty (モラグ・プランティ)
訳 柚木しのぶ
徳間書店
タイトルと表紙にひかれて読んだ海外小説です。
ほのぼの系かな~、なんて思ったらちょっと違くて。
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NYで活躍するフードライターのトレッサは38歳。
ハンサムで優しい夫のダンと結婚したばかり。
なのにどうしても愛せない!
そんなトレッサの理想の夫婦は亡くなった祖父母たち。
だけど、祖母バーナディーンの回想録を読むと、
今まで見聞きしていた過去とは違う様子が。
完璧な結婚とは何か?
現代NYと1930年代のアイルランドに二組の夫婦の日常を描いた作品。
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「間違った結婚だったかも」
「結婚に飛びついちゃった感じ?私もう38だし…。」
「私ばっかり犠牲を払ってる!」
…と、女の本音が炸裂(笑)。
おばあちゃんの方も、時代ならではの思いが。
それでもどこまでも優しい夫たち。
特におばあちゃんの夫、ジェームズが素敵です。
料理のレシピも紹介されています。
それがいちいち美味しそうで、お腹が減ってると大変です(笑)。
最後には“愛”ってこんなものだったりするのかな~、と考えさせられてしまいます。
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つまらない男と結婚してしまったと後悔しているトレッサと、彼女の理想の夫婦である祖父母の話が効果的に交互に描かれている。
愛というものは、時間と忍耐を経て育つものなのかもしれない。
ジェームズの最期の言葉に泣けた。
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主人公夫婦と祖父母夫婦の結婚生活について、派手な出来事はないけれど細かな生活や気持ちの描写が良かったです。
既婚の人も未婚の人も、読んでみると結婚と夫婦について考えるいい機会になるかもしれません。
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りひともに借りて一気に読んでしまった。
祖母と孫の結婚生活が交互に書かれている。
自分の選んだ道が、相手が本当に正しいのか、もっと自分に合う相手がいるんじゃないかって迷ってしまうことってたくさんあった。
だけど、意地をはらないで相手を受け入れることって大事なんだなぁと思った。
孫のほうが、自分と似ているところがあって本当に刺さった。
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自分の人生がいかに幸福なものであったか、気づける人は幸いです。それすら気づけずに生涯を終える人もいるのだから。でもなにが幸せか、それが一番難しい質問。
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「結婚」を意識している女性に、ぜひオススメしたい一冊です。愛は与えるものであり、育むもの。降ってきたり、落ちているものでは絶対にないのだということを教えてくれます。時間をかけて熟成されたものだけが、初めて愛と呼べるのではないかと思います。ロマンスに満ちた恋はとても情熱的だけれど、一時的で儚いもの。でも、苦難を乗り越え、妥協し、2人で創りあげた愛は永遠のものとなるのではないでしょうか。2・3年後、結婚という事実が間近に控えたときに、もう一度読み返したい本です。
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主人公の祖母である「バーナディーン」が残した結婚生活についての手記を元に、主人公が結婚について考えを深めていく話。
バーナディーンの夫(主人公の祖父)の、一途な愛情に泣けた。特に亡くなる間際に言った、「愛していると言ってくれ。愛しのバーナディーン。」の言葉は、本を読み終わった後もずっと心に残っている。
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結婚相手に疑問を感じる孫娘と その孫娘には完璧に思える結婚生活を送って見えた祖母の時代を超えて、重なるストーリー。
結婚した相手が退屈に見えだしたトレッサが 結婚式に母親から受け取った祖母バーナディーンの日記。そこには孫娘が想像していたのとは違う真実が。。。
結構奥深い一冊でした。
何かを押しつけがましく、主人公が語るわけではなく、読者がそれぞれ感じて、大切だと思うことを感じてよというスタンスが心地いい。
24ページの「ダン(結婚相手)はわたしを幸せにできると確信しているけれど、それはまちがっている。誰かが誰かを幸せにすることなんてできない。人は自分の力で幸せになるものだから。ダンの愛情は信じられても、今のわたしは。それだけでは足りないことを知っている。わたしも相手を愛さなくてはいけないのだ。」
後半部には同意を感じますが、前半部には個人的にはやや疑問です。落ち込んでいるときには、友達や恋人の一言が救ってくれたりするから。
76ページの母親が亡くなったシーン。
「母親というものは、わが子のために一枚の地図を描き、その中心に自分を据える。母親の死とともに、地図は消え去る。子供は生きていくために、地図を描き直さなくてはならないが、どこから手をつければいいのかわからない。」
これは、母親が亡くなった時の子供の感情を結構、いいあらわしていると思う。
162ページあたりの毎日が退屈で、残りの人生がずっと同じ感じだろうかと感じるバーナディーンにの言葉には、思わずそうそうと思った。
毎日パンに塗るバターの方向さえ一緒の夫。私が結婚に対して恐れるイメージの象徴そのものなんだけれど、結婚を夢見るお嬢さんたちは、こんなことを考えたりしないから、結婚にウキウキとできるのだろうか?それとも結婚がゴールで、その後の事をまったく考えていない無知の強みから飛び込めるのだろうか?
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二つの結婚のかたち。ひとつは過去のそれでもうひとつは現在の結婚。 そしてそれぞれが祖母のものであり『わたし』のものでありそれらは交互に綴られていく。結婚生活うんぬんよりも常に幸せを貪欲に求め続ける二人の女性に惹きつけられて(特に後半)一気に読み終えた。「わたしが喜びを探しに行こうともしなかったただひとつの場所は、自分の心の中だった」という一文が心に残る。どんな些末な人生にも他人のけして知り得ないドラマがある。
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舞台はアメリカ・ニューヨーク。勢いで結婚したものの、結婚後に相手の悪い点ばかりが気になり、不満がたまるアラフォーの新妻が、たまたま祖母の日記を発見し、祖母のときの状況と自らの状況が近いことを発見し、日記に綴られる祖母の変遷・成長を知り、結婚とは何かということを発見していく物語。所々に祖母の秘伝のレシピが載っている。映画化しやすそうなストーリー展開。
本書での名言
「結婚生活はオーダーメイドだ。(中略)試行錯誤をくり返しながら、自分たちに大事なのは相手の欠点をどう思うかではなく、欠点があるという事実を知ること。そして、幸せを追い回すのを止めにして、手に入れたものに幸せを見出すようにしよう。」
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独身ではありますが、相思相愛の仲でも結婚をし、毎日を同じ屋根の下で暮らすことが大変だと両親を見て考えていました。内容は本当に愛しているのか、結婚をしてから悩み始める主人公。理想の夫婦と憧れていた祖父母の関係も、祖母の日記を読み進めるうちに驚きの事実が出てきます。
毎日毎日、お互いが思いやりと愛情をもって接すること。
それが愛情表現であり、結婚生活を潤いのあるものにするのだというのがよくわかりました。
平凡で、何もないような日常の積み重ね…それを生涯添い遂げれるか相手かどうか。一気に読み切ってしまいました。
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愛とは、相手に対してどう感じるかではなく、相手に対して何をしたかで測るもの。自分の感情は時として自覚できないけれど、一緒にいることや相手のために行動したことは常に事実だ。
たとえその瞬間は気がつかなくても、振り返ればそれは愛なのだ。