紙の本
子どもたちの閉塞感を、時代を背景にうまく描いている。しかし、救いがない。
2008/10/02 21:38
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投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学生の女の子3人の物語なのだが、どうしようもない親、無責任な大人だらけの物語ともいえる。
弥生の親はお金持ちだが、すべてお金だけで解決しようとし、子どものことには全く無関心。愛弓の親は、貧しく、典型的なネグレクト。ついには、子ども一人を置き去りにし家出する。水晶の親は高学歴でインテリ。自分の敷いたレール以外は認めず、徹底的に子どもを管理し、「あなたのため」と称し、思い通りにさせようとする。家庭環境も性格も全く異なる、しかし、いずれも、満たされない思いをもったこの3人の女子中学生が、ケータイを通じて知り合い、その虚無感から、自殺を企て、そして、自爆テロリストになろうとする。
こう書けば、いかにも唐突に思えるストーリーだが、子どもたちの会話や行動の描写がリアルで、説得力があるので、自殺したくなる状況は理解できないではない。ただ、大人が大人なら、子どもも子どもで、視野が狭くて自分勝手。学校での友だちどうしの関係は、いかにも貧しい。
確かに子どもは「子ども時代」を生きるのだけれど、決して子どもだけで完結し生きるわけではない。そこには、見守ってくれる大人がいて、関わりを持ちつつ、成長するはずだ。けれど、あまりにどうしようもない大人しか、まわりにいないとき、子どもはどう成長していいのかわからず、虚無感でいっぱいになるだろう。大人は、たとえ、自分自身が満たされない状況にあっても、親なんだからという覚悟を持って、温かい気持ちで子どもを見守り、育てる~そんな当たり前のことが、難しい世の中なのか。
それでも、愛弓と水晶は、「生きる」ということを肯定し始めるようだが、弥生は、どうなるのか。作者は、果たしてこの物語の決着をどうつけようとしているのか。子どもたちにこの作品をどのようにどんな思いで、手渡そうとしているのか。それが見えない。そして、ザラザラ感だけが残る。
読者である子どもたちは、ここから、どう踏み出せばいいのか。なんとも、困惑してしまう物語だ。
紙の本
続きがもう少し読みたかった
2016/09/19 11:24
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイプの違う3人の少女の物語。親に問題ありという共通点。子は親を選べないというけど、たいへんね。
続きがもう少し読みたかった。ここで終わり!?と感じた。
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登場人物に同情した記憶。
そりゃ、自爆テロ起こしたくなるわw
で、同情しすぎて読んでいるうちに、歯がゆくなってきて、読むのを止めたまま、今に至る。
そのうち気が向いたら...
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久々の新刊ですね。
青春というか思春期でしょうか。悩みを持った三人の女の子の話。
テーマが重いです。
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内容自体はとてもよかったと思います。
ただ、最後の最後で未完ちっくに終わってしまったのがなんとも残念。。。てことで星よっつ。
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ハードカバー £2 新品で購入 帯付き
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(帯より) ブログ『死体写真館』の管理人、弥生。 運命の恋人を夢見る飢餓状態の愛弓。 周囲の期待に応えたい学級委員長、水晶。 心に闇を抱えた3人の少女は、ケータイを通じて出逢い、“間違った世界”を変えるためにテロ計画を企てる――。 行き場をなくした現代の少女達の、絶望と再生の物語。
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ブログ『死体写真館』の管理人、弥生。運命の恋人を夢みる愛弓。周囲の期待に応えたい学級委員長、水晶。ケータイメールを通じて出逢った、心に闇を抱えた3人の少女は、“間違った世界”を変えるためにテロ計画を企てていく・・・
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表紙に惹かれて読んだんだけど、かわいい表紙の割には中身汚い感じ。ぃや汚くはないか。
携帯小説ちっく。ラストが気に食わない。
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女子中学生はテロリスト☆
…そんな軽いノリなのですが内容は非常に怖い。何がって、本当にありそうなところが。
全然関係なかった3人が集まってくるところがスキです。でも一番は衣紋ちゃんかな。かっこいい。「吹っ飛ばしちゃった☆」って。
ラストがもう少し先まであるかと思っていた。ちょっとびっくり。
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【あらすじ】
ブログ『死体写真館』の管理人・弥生、運命の恋を夢見る飢餓状態の愛弓、周囲の期待にがんじがらめの水晶。自殺を決意してケータイで出会った中学生の少女たちは“この間違った世界”を変えるため爆弾テロ計画を企てた。行き場を失くした孤独な少女たちのあやうい青春を描いた衝撃作。
【感想】
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うおおおお好きだ好きだ好きだ!!
全く違う環境で育った少女3人が出会い、変わっていく様が、とても!良い!!
あと衣紋たんにやられました最高に萌えた。幼女に興味はなかったはずなのにくそっダンダン衣紋たんハアハアまじ痺れる
あっけない終わり方で、そこはもうちょっとどうにかできなかったのかな?と思います。竜頭蛇尾やんなぁ。もっと長くなってよいからもうちょっと先までしっかり丁寧に書いておくれよ!
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■ブログ『死体写真館』の管理人、弥生。運命の恋人を夢みる飢餓状態の愛弓。周囲の期待に応えたい学級委員長、水晶。心に闇を抱えた3人の少女は、ケータイを通じて出逢い、“間違った世界”を変えるためにテロ計画を企てる―。行き場をなくした現代の少女たちの、絶望と再生の物語。
■■児童文学というにはあまりに重たい話でした。絶望の次にやってこなきゃならない再生までの間が、長い。というか、再生できるのか本当に、というところまで来てる。いやできたと思う、最後の最後で。いまいち納得できない部分もあったのですが。可愛い表紙に反して、かなり沈み込むお話でした。ほんの少し、側にいる大人が彼女達の心の傷に気付いてあげれば、こんなに追い込まれることもなかったんだろうなぁ、と思う。このお話の中で本当の悪は大人だ。
しかし、この物語最強の女の子が一人。とても可愛くてかっこよかった。
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愛弓(あゆみ):貧しい家庭環境に育ち、食べ物に飢えてばかりで
恋愛に生きる少女。
水晶(きらら):母親から分刻みのスケジュールで管理され、
周囲の期待からも優等生を演じることを強いられている少女。
弥生(やよい):成金の両親から金だけ与えられ、周囲からの注目を
いたずらじみた方法でしか集められない少女。
この出身校の違う女子中学生3人がケータイによってつながり、
「スリースターズ」(その前はウザサンズ)を結成すると言う物語です。
3人は集団自殺に失敗し、次に爆弾テロを企てます。
テロというにはメッセージ性がなさ過ぎるとは思いましたが、
これは彼女たちが生きにくいと感じていることや、
未来や成熟といったものが彼女らにとって希望や力ではなく、閉塞や拘束でしかないという
メッセージを世に訴えるものだと解釈しました。
めいめいの女の子は置かれている状況が違うものの、現実を生きにくいと感じていて、
他者から理解されていないと感じているのは共通しています。
ただ、そのなかでも弥生は他の2人に最後まで「ミサキ」という偽名で通し、
集団自殺や自爆テロもあくまで傍観者であろうとします。
(が、自分の命に執着があるわけでもありません)
この生の苦しみと死への想像力の希薄さというのが今の子らしいと、
世の大人には思われているのでしょう。
水晶や愛弓は大人の保護によってある程度救われますが、
弥生のケースは福祉や司法によっても救済の手も、目も届かない、ある意味一番深刻なケースです。
物語の終盤に水晶と愛弓は弥生の本名に行き当たります。本当の「弥生」と彼女たちと
向き合ったとき、果たして弥生は自分の閉塞を破ることが出来るのか・・・・・
その答えは描かれないままです。
弥生の抱える問題が一番やっかいなのですが、解決できるのはスリースターズの二人なのでしょう。この二人はすでに弥生によって救われていますから、その経緯を活かすことができれば、道は開けると思います。
あと、スリースターズに爆弾を提供するエモンなる爆弾魔がいます。
コレがまた毒々しく不気味で魅力的な人物です。
これもまた将来が楽しみというかなんというか・・・・・・・
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学校でも家庭でもそれぞれ異なる問題を抱える3人の女子中学生。問題が爆発したとき、ケータイでつながった3人。
少し厚い本ですが、面白かったので、一気に読みました。が、3人のおかれている状況が非常にハードでブラックです―いじめにネグレクトに自殺にテロ(!)。
きららとあゆのその後は、たぶん大丈夫だろうけど、弥生は、どうなるんだろう。きららは弥生に一歩踏み出すつもりみたいだけど、弥生はもとから2人のことを見下してるっぽいからなぁ。ちょっと心配です。
でも、「ツー・ステップス」みたいな終わり方は嫌いじゃない。
あと、衣紋ちゃんの存在はちょっと卑怯っていうか、カッコイイです。
おすすめするなら、中学生女子へ。3人のことすべてを理解するのは難しいだろうけど、共感はできそう。
学校図書館へ入れる際は、先生方の意見もきいてみたいですね。
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スリースターズ読了! 読みながら色んなことを思い、考えた。道中は何度か死にそうな目にあったけど振り返ってみれば意外と楽しかった旅(JOJO第3部みたい)を終えたかのような読後感。
人間の醜さ愚かさすべてが容赦なく詰め込まれていて、もうこの世界消していいよ、あんたたちも消えていいよ、って思えるのに最後には愚かさも醜さも受け入れ可能になってしまう。おまけとして星の輝きがもれなくついてきます、て感じ。というか「おまけ」というと語弊があるかも。星の輝きを手に入れるためにはくだらない世の中、くだらない自分を認めるのが条件、と言い換えたほうがいいかもしれない。
主人公たちはもちろん、脇役にも一癖ふた癖あるキャラが登場する中、誰がいちばんツボにはまったかというと、もちろん(?)衣紋ちゃん。まるで22世紀から来たかのようなクールさ・達観ぶりがいい。彼女のネーミングって「ドラ○もん」から来てると思うのだけど、もし当たっていたら少し嬉しい。