紙の本
究極の愛情表現「叱る」ことについてアッコさんが熱く語る。マニュアルではない、おとなの生き方指南に納得。
2008/03/20 16:28
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
芸能生活40周年を迎えた和田アキ子さん。芸能界での「叱りキャラ」が定着しています。
新聞や芸能誌の見出しにあるように、吠えも殴りもしないけれど、言いたいことは言う。「人はどうか知らないけれど、和田アキ子はこう思うよ」というスタンスで書かれた、マニュアルではないおとなの叱り方、延いては生き方についての本です。
十七歳まで大阪で"ミナミのアコ"と呼ばれ、肩で風切って歩いてた、芸能界に入っていなかったらたぶんいまごろ、暴力バーをやっていたという不良に、「叱り方」をテーマに本を書けという依頼が来て、その本が売れているなんて、世の中おかしくなってる。
アッコさんは言います。
叱るのは、冗談やヒマつぶしじゃできない。愛情がなければできないこと。
相手のことを真剣に考えていないと叱れない。究極の愛情表現です。
アッコさんに叱る愛情を教えてくれたのは、芸能界の大先輩、女優の故 山岡久乃さん。
デビュー当時、ドラマの現場に遅刻したときに、ものすごい剣幕で怒鳴り、
そのとき、私のためを思って言ってくれているのがよくわかった、こんな私を「叱ってくれた」と思ったのだそうです。
以来、一度の遅刻もしていないとか。
ところがいまは、だれかを叱って恨まれたくない、関係をギクシャクさせたくない、逆ギレされたくない。だれにも文句をつけず、叱らず、ただ黙って見守る「いい人」になりたがっている人が多い。そんな「いい人」もひと皮むけば「どうでもいい人」。人に対する愛情が薄い人のように思える。
だれも叱らないならわたしが叱る。
礼儀、マナー、社会の約束事を守れない、人として品性、誠実さに欠けるヤツには「おまえ、それは違うだろッ!」のひと言が言えるおとなでありたいと、
自分から大きな声で挨拶をすること、きちんとした身だしなみの大切さをはじめ、親のエゴで子どもを育てちゃいけない、と熱く語っています。
人とつきあってきたことがいまの私をつくってくれた、人がわたしの財産というアッコさん、
40年間走り続けてきて、気がつくと、芸能界でも自分より年上の人が少なくなり、スタッフも大半が年下ばかりになった、だれにも叱ってもらえなくなる立場や年齢になったいま、いちばん気をつけなければならないのが、いい気になって、うぬぼれて、自分を見失ってしまうこと。
だからこそ、つねに自分で自分を叱れる人間でありたいと思っているそうです。
エピローグには、大好きだという茨木のり子さんの詩、『自分の感受性くらい』が紹介されています。
自分の無力さを他人や世の中のせいにしそうになったとき、いつもこの詩に叱られ、勇気づけられているのだそうです。
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
この言葉を座右の銘に、やっぱりこれからも、"叱るおとな"をやっていこう、というアッコさんの、ますますの活躍を期待し、応援したくなりました。
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おとなを叱るためのハウツー本ではなく、「叱る」をテーマにしたアッコさんなりの人生哲学。当たり前の事が当たり前ではなくなった昨今、「よくぞ言ってくれた!」と溜飲が下がる思いがした。
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最近新書が多いです。
芸能界でも恐い!!という評判の和田アキ子が「おとなの叱り方」という本を出した、とマイミクのPL&京さんの日記で知って読んでみました。
叱るのは愛情ゆえ、という温かい心と、人間同士生でぶつかり合うというコミュニケーションが欠如している世の中で、大人でも子供でも、いかに本気で人と関わっていくことが大事かということを学びました。そしてやっぱり大物は違いますね。とても謙虚な方です。
書いてあることは当たり前なんだけど。。。きちんと挨拶する、とか食事のマナーとか身だしなみ、とか相手を思いやる気持ち、配慮の大切さ、とか。
自分ももちろんできていない場面も多いけれど、最近周りで当たり前のことがなってなさすぎて???と思うことが多かったので、直球でしたがぐっさりささりました。
今の時代めずらしくまっとうで立派な大人な方の言葉の数々。頭をたれて、きちんと叱れる立場になっていなければいけない自分への戒めとなる1冊になった一方で、ぶつ手は痛いけれど、その痛さから逃げるのではなく、本当に相手のためになることはきちんと言ってあげないといけないなと思いました。多少面倒くさいけど。。。相手によっては。。。でもそこは相手のためを思ってのこと。コミュニケーションを避けちゃダメね。
人への愛情いっぱいの一冊です。
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PHP新書、区切りの良い500冊目だそうである。タイトルのような「叱り方」が書いてるワケではなく、「叱る」をテーマにいろいろなことが語られている。
内容については、それほど目新しい事が載っているわけではない。
例えば「叱る」と「怒る」が違うだとかの割とよく聞く話がまとめられていて、それぞれに和田アキ子の人生経験上のエピソードが添えられている感じ。読みやすくて良かった。
三色で引くにしても、やはりこういう本は引き易い。「引用化」な部分も多数あった。
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購入:2008/10
・叱るって、相手に対する愛情や、思い、いらだち、情けなさ・・・なんていう生の感情を相手にぶつけること(抜粋)。
・最後に「自分の感受性くらいに」が載せてあって、ビックリ。自分も手帳に書いてあって、時々この詩を読んで反省しているので。
・「三つ心 六つ躾 九つ言葉 十二文 十五理で 末決まる」(書:身につけよう! 江戸しぐさ より)
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最近の大人、若者、、みんなおかしい。
そんな中大人としての大人への提言というか、喝を入れてくれる本
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アッコさん、てかんじ。普通のことが普通に書いてある。とは言うものの、普通が一番難しいと思うので、定期的に読み返したい。
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とっても共感*
こういう大人がそばに
いてくれたらなー
こういう大人に
自分もなりたいなー
おもしろくって
1日で読んじゃった*
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叱られたことのない、マナーや人の道を知らない「最近の若者」を、怒るのではなく愛情をこめて「叱る」にはどうするか、という話を、著者の長い芸能界生活の経験から述べたもの。
おれはあまりこういう本は読まないが、BOOK OFFの新春半額セールで買ってしまった。まず「おとなの叱り方」というタイトルが、「おとなが叱る方法」なのか「おとなを叱る方法」なのか曖昧だけれども、どうやら、おとなが叱る、というのが正しいらしい。「昔は○○だったのに、最近の若者は…」類の本でしかないと言えばそれまでだが、著者の話自体は面白いし、感謝の気持ちを忘れない、人は一人では生きていけない、のような、ちょうど著者の世代の人たちが口でよく言うことを文字で一気に読める、復習できるというお得感(?)はあるかもしれない。(11/01/05)
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叱り方について知りたくて読書。
本書が発刊されたときに山岡久乃さんに遅刻した著者を叱り飛ばされたエピソードが紹介されていたのを覚えている。それ以来、著者は遅刻しなくなったらしい。昨年末も追突事故にあったようだが、大丈夫でだろうかと心配になった。
叱ってくれる人がいるうちが華。心から叱ってもらったことは忘れないのは確かにそうだと思う。そして、その当時は嫌な気持ち、気分であろうが、後から本当に感謝する日がくる。
日本人はほめるのも苦手であるが、叱るのも苦手だと思う。和を乱さないようにすることを第一に考える風習、文化も影響しているのかもしれない。
現実的には、叱るほうも膨大なエネルギーが必要なわけで、必要ない人は叱らないで放置すると思う。
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その人のことを思うからこそ、叱る。
アッ子さんの優しさに、読んでいて涙が止まらなくなった。
http://ameblo.jp/tc-tama/entry-10773906735.html (Ameba日記)
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叱られるよりも叱る方がよっぽど体力使うし大変だ
叱る立場になって分かるこの苦労。
和田アキ子さんは厳しくてよく叱る、というイメージだが、
確かにその通りですが、その叱り方には愛がある!!
愛ある叱り方を教えてくれる素敵な本です。
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[ 内容 ]
落ち込む、不貞腐れる、逆ギレする、逆恨みする……。
そんな若者たちが怖くて叱れないおとなたち。
いま必要な部下指導のあり方とは何か?
芸能生活40年、人を愛するがゆえに歯に衣着せぬ発言を続ける著者が、いまこそ伝えたい声を出すことの大切さ、人がついてくる叱り方の極意。
[ 目次 ]
第1章 その人のために叱ってあげたい大切なこと(挨拶できないヤツを叱る! だらしない服装を叱る! 食事のマナーを叱る! 公衆マナーの悪いヤツを叱る! ビジネスのマナー違反を叱る!)
第2章 「親になる資格がない」おとなを叱る(“親のなり方”にマニュアルはない 子どもは親のオモチャじゃない “できちゃった婚”反対! 親が生き方の手本を見せろ 威厳のない父親をもった子は不幸 結婚するなら“よき母親”となる覚悟を)
第3章 「自分らしさ」を広げる生き方(世の中、なめんなよ! 言葉を知ろう、本を読もう! 五感をフル活用しよう その道のプロになれ 助けてあげたいと思わせる女性になろう いつまでも謙虚であれ)
第4章 好かれる叱り方、かわいがられる叱られ方(「叱る」と「怒る」は違う 人がついてくる叱り方 「叱る」ことと体罰 和田流「叱り」の極意 かわいがられる叱られ方 愛される謝り方)
エピローグ 自分で自分を叱れる人でありたい
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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9784569696256 197p 2008・1・29 1版1刷
題名は大人向けでも小学校の教科書にすべきです。
経験を基にした内容は芯がしっかりしていてわかりやすく無駄がない。
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芸能界のご意見番と言われるアッコさんが書かれた本。
本来ならば、家庭や学校で教えられるはずの事柄だ。しかし、本でキチンと言葉にしないと気付いてもらえない、分かってもらえない時代になっているのだ。
そういう当たり前であるはずのことをテレビでお話しされるアッコさんは、決して意地悪な方ではなく、むしろ相手に対する愛情があってあえて苦言を呈されているのだと思う。好きの反対は無関心ともいうし。
時代が変わったといっても、根本的な事は変わらないので、大事にしていきたいと思わされた本だった。