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商品説明
新婚旅行でクモに悲鳴…。プライベートエピソードと、作品の主人公たちの秘密があかす、マンガの巨人・手塚治虫の素顔。単行本初収録となるエッセイ・最晩期の講演記録も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
手塚 治虫
- 略歴
- 〈手塚治虫〉1928〜89年。大阪府生まれ。本名治。大阪大学医学専門部卒。医学博士。漫画家。「マアちゃんの日記帳」で漫画家デビュー。「鉄腕アトム」によりテレビアニメブームの草分けとなる。
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巨匠について2。
2008/07/05 23:10
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
手塚治虫の晩年の(やはり晩年…)の講演、そして、自作にまつわるエッセイ、雑誌に連載された小話などをまとめた一冊。平易な文章、文体で書かれており、読みやすい。
自作にまつわるエッセイのところでは、『ジャングル大帝』、『鉄腕アトム』などの有名な作品の主人公について触れている。キャラクター制作の裏話、楽屋の話のようなもの。他には、結婚時の話、ハネムーンの話、どのような本を読んできたか、など、ファンにとっては貴重で嬉しいものばかりであろう。
岩波書店の『ぼくのマンガ人生』のところでも書いたが、やはりこの本も、仕方ないと言えば仕方ないが、晩年の頃の、売れて破産してスランプになってスランプを脱して、ある程度酸いも甘いも分かって、成功した時の手塚なのである。
やっぱりどうにもこうにも…。そういうのはそういうので楽しいし、ファンであるなら勿論、ファンでなくとも「へー、あの人の考え方ってのはこういうものなのね」という類の興味深さがあって、良いとは思う。実際私は適度な手塚ファンであり、まあ面白いのだが。
もうめちゃくちゃ偉そうになっちゃうんだけど、手塚の人生(まさしく思い出のアルバム)は、どんな人でも、アンチ手塚じゃない限り、楽しめる。しかし、これが手塚ではなく、手塚以外の人間の(僕でも、あなたでも可)人生語りだったら読みますか?それは面白い人が読めばいいし、むしろ本を出すぐらいだから(ネットでのブログなどの自分語りは別にして)その人にはその人のファンがいると思う。
だけど、手塚にはそういう排他性みたいなのが無い気がする。これは手塚でなくても、「石原裕次郎」でも「美空ひばり」でも「ファーブル」だの「エジソン」だの「イエスキリスト」だのでも同じような現象が起きる。
この本の書評なのに関係ない事を言ってる僕の「私の考え語り」でつまり言いたいことは、手塚に対するアプローチには、「好き」か「嫌い」の二つしかなく、「興味ない」は無い、のではないか?ということ。そして、「好き」には幅広い枠がある。「手塚だったらまあ読んでもいいかな」もこの枠内だし、「図書館に置いてあるし、どうやら有名な人だからとりあえず読んでもいいかな」という人もこの枠内。だからこういう本が何冊も出てもそこそこ売れる。
「読んでみたらつまらんかったし、なにより重い…」という人もいるだろう。そして、「手塚、というだけで吐き気がする」という人もいるだろう。
だけども、手塚の関係したあらゆる物に触れないわけにはいかないようになっているのではないか?興味無いし、「誰それ?」なんて全く無いんじゃないか?
手塚は良い意味でも悪い意味でも偶像化されてしまっていて、僕のような人間にとっては、少しそれに対して抵抗があった。岩波の物でも、今作でもそれは変わることがない(それにしても、タイトルがこれだけ似通ってると、買う時に困る)。なによりも、そういう伝記物みたいな偶像の面での手塚は、本当の手塚初心者なら知識を仕入れる面で必要だが、手塚本人に迫れない気がしてならない。
手塚本人がすごいのは良く分かるが、最近の「なんでもかんでも伝説化ブーム」に乗っかってるような気が、少し、する。