ＭＯＮＳＴＥＲ Ｖｏｌｕｍｅ．８ 完全版 （ＢＩＧ ＣＯＭＩＣＳ ＳＰＥＣＩＡＬ）

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病院内での白い巨塔（権力闘争）、猟奇殺人、医療倫理、幼児虐待、東西冷戦構造…。重いテーマと重いミステリーを絡めに絡めた、深い深い物語。これぞまさに大人の知的好奇心をくすぐる漫画と言えるのではないでしょうか。緻密な構成と格好良すぎの一話一話の終わりかたに、改めて全18巻を読み返すたびに唸らされます。

物語に直接は関係ないけれども、グリマーさんの一言「夜のプラハの街って、まるで、おとぎの国みたいだ」が、やたらと印象的です。

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まだ赤いバラの屋敷の実験は続いている…。

感情が消え、名前を失い、喪失と引き換えに
子供たちに手渡されていった闇と自由。

本当の闇を前に正気にかえり
虹の向こうへ希望を馳せ救おうとする人、
悪の根源を絶ちすべてを終わらせようとする人、
シナリオに組み込まれ逃れられない人。

始まりの物語が繋がり、増殖した恐怖と闇の
終点が見えそうでいて底のない沼地に
ゆっくりと沈み込んでいくようで恐い。

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「ただいま」と言う少女のアンナと、「おかえり」と応えるもうひとりの少女のアンナ。ヨハン少年と少女アンナは、ふたりともチャペックに連れ出される記憶を持つが、チャペックの記憶ではそれがヨハン少年だった。

薬物を処方された洗脳プログラムで謎めいたふたりの記憶がどう回収されていくのか。いよいよクライマックスへ。ヨハンの待つ廃墟にアンナとテンマがそれぞれ向かって悪魔に対峙する。

クラウス・ポッペ朗読会のかつての参加者は、
「（彼の絵本に惹かれる理由は）別世界に連れて行かれるから。泣いたり喜んだり、そういったものが無くなる。自分の名前すらいらなくなる。これがほんとうの自由」
と語る。

彼が生み出そうとした「名前のない世界」は自由なのか？それとも「生きた証」の得られない地獄なのか。

そしてMONSTERは誰なのか。テンマとアンナはMONSTERを止めることができるのか。

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君に首実験をお願いしたわけだが　醜聞隠し　フランクフルトの右翼の大立者おおだてもの　将来を嘱望される才媛だった