「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
2008年8月8日、五輪開幕に沸く中国・北京。メインスタジアムでは、世界最大規模の原子力発電所「紅陽核電」から、運転開始を伝える光が届いた。だが、それは、世界中の人々の命をおびやかす、絶望的なクライシスの始まりだった…。時は遡り、2005年。大亜重工業の田嶋伸悟は、大連郊外に建設する「紅陽核電」の技術顧問として参画するため、中国に到着。同じ頃、中国共産党中央紀律委員会の〓(とう)学耕は、中国側の責任者として同地に赴く。〓(とう)には、大連市での党要人の汚職摘発という“密命”も課されていた。二人は、さまざまな困難に遭遇しながらも、核電完成のために悪戦苦闘を続ける。そして迎えた五輪開会式当日、田嶋は本格送電の直前に事故の予兆を感じ、〓(とう)に運転中止を訴える。だが、〓(とう)は田嶋の拘束を命じた—。【「BOOK」データベースの商品解説】
2008年8月8日午後8時、北京オリンピックの開会式と世界最大の原発が同時にスタートする。それは終末のはじまりなのか−? 五輪、原発、そして中国をテーマに、絶望と諦観を希望に変える闘いを描いた問題作。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
真山 仁
- 略歴
- 〈真山仁〉1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年「ハゲタカ」でデビュー。ほかの著書に「マグマ」「バイアウト」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
男のロマンと友情っす
2008/09/21 05:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
上・下巻、様子見でバラバラで手に入れるのではなく、両方一緒に手に入れることをお勧めするほど一気に引きずり込まれてしまいました。
冒頭でクライマックスの一部を持ってくるという構成で、よりそこに行き着くまでの工程を楽しむことができます。
北京オリンピックと巨大原子力発電所という二大国家プロジェクトに中国の明るい未来を託すのみならず、そこに絡んでくる利権・陰謀・様々な思惑。
日本の原発技術者である大亜重工業・田嶋は仕事にかける確固たる信念をもって中国を訪れる。
一方中国共産党中央紀律委員会から派遣されたドンは、責任者としての任と共に汚職摘発という密命を受けて現地に赴く。
二人の男はそれぞれに譲れない信念を持ち「紅陽核電」という一つの希望に向かって己の信ずる道を突き進む。
男のロマンと友情がめっちゃ詰まってて(私は女ですが・・・)、思わず胸が熱くなってしまいます。
途中に挟んでくる女性映画監督の話が、これまた微妙に熱くなった胸をクールダウンさせるのが絶妙。
本当は北京オリンピック前に読む方がより作品を楽しめたのでしょうが、いぇいぇ、終わったあとでも作品の面白さに変わりはありません。
ラスト読み終わった後に「後5ページくらい残ってるんでは?」とぺージ確認までしてしまった作品です(笑)
紙の本
ハゲタカよりも良いかも
2009/11/17 13:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rindajones - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は「ハゲタカ」の人。
私も「ハゲタカ上・下」とその続編である「バイアウト上・下」を読んだ。きっかけは多くの人がそうであるように、著作を元にNHKがドラマ化した放送を観たこと。ドラマの出来栄えも評価するが、やはり面白みは原作の方が上だった。
著者のそんな「ハゲタカ」シリーズ以外で初めて読むのが本書である。題材が「中国、北京五輪、原子力発電」と事前に知った時点ではそれほど期待していなかったが、敢えて「ハゲタカ」シリーズと優劣をつけるとすれば、本書の方を評価する。
その大きな理由として「ハゲタカ」よりもリアル感が高い、ということ。中国には約一週間の滞在経験しかないが、その経験とこれまで知る中国人、そして中国文化を総合しても本書の内容には頷くところが多い。私には中国人に対する優越感というものはないのだが、中国に対しては本書にあるような「危うさ」を抱かずにはいられない。
登場人物もよりリアルに思われた。「ハゲタカ」の主人公がスーパーマン過ぎる面もあったのだが、本書では登場人物をより容易にイメージできた。親近感を抱けて、感情移入できた。
「熱い人間ドラマ」が著者の真髄なのかもしれない。元気な時でないと軽快には読めなかった、逆に元気な時だとより一層元気になった。
本書で不満があるとすれば、その結末。もう少しだけこの先が想像できるような終わり方をして欲しかった。
本書の内容が未来への鋭い警鐘として機能して欲しいと願う。