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商品説明
原油・穀物バブルの崩壊が始まる。でも、日本はインフレにならない。その決定的な理由とは? エコノミストランキング6年連続1位の著者が書き下ろした、日本経済の真の姿と、生活&資産を守るためのアドバイス。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
上野 泰也
- 略歴
- 〈上野泰也〉1963年生まれ。上智大学文学部史学科(西洋現代史専攻)卒。みずほ証券株式会社チーフマーケットエコノミスト。著書に「デフレは終わらない」「チーズの値段から未来が見える」など。
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紙の本
デフレは終わらない
2010/08/22 17:46
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
リーマンショックの直前、2008年7月にはレギュラーガソリンがリッター180円台になるなど高騰した。原油高騰で漁師が船を出せなくなったり、運輸業界も(車通勤する私も)悲鳴を上げた。そうしたガソリンや食品が値上げされたときに一時、インフレが来ると騒がれた。原材料高が招いた一種の恐慌だ。
しかし、それは「海外発の食品・エネルギー関連に限定された、国内需要の裏付けのない物価上昇圧力」という限定的なものだと著者は言う。背景には新興国の経済成長に伴う需給の逼迫が噂されたのもあったし、サブプライム・バブルの崩壊で行き場を失った投資・投機マネーが商品市場に流入したことが原因だ。 本書はタイトルが意味するように「インフレ時代到来説」への反論である。インフレ期待する人(いわゆるインフレ論者や預金金利に期待する年金生活者)もいるだろうが、残念ながら現実は違ったようだ。実際には日本国内に限っては人口減少、少子高齢化に伴う中長期的なデフレ圧力が根強い。政府も2009年11月にはデフレ宣言」をしているとおり(デフレでなく「ゼロインフレ」といっている)。
インフレが虚構だったからといって安心してもいられない。一時の高騰は収まったが、厳然と資源高は存在する。世界的なトレンドだ。資源輸入国の日本では、企業としては商品価格に差額を上乗せするかどうかで苦悩している。安易な値上げでは消費意欲を減退させる恐れがある。一方で値上げしないと会社としては利益が出せない。
本書では、第1章でその誤ったインフレ認識の実態を解説。第2章は原油高騰がバブルであること、いずれ崩壊することを説明する。第3章は原油や穀物の高騰に対する反作用、つまり代替物質を作り出すような産業のダイナミズムについて述べている。第4章はそうした時代の生活設計や資産運用についてアドバイスを試みている。
「賃金が構造的に上がりにくくなった」今、現在の重苦しい暮らし向きを良くしていくには「人並み以上の努力によって機会の平等を生かして上昇志向を強めよう」としていくしかないと著者は言う。「自己責任の時代がこの先も続いていくだろう」と厳しい見方をしている。それでも諦めないで前向きに進むしかない。