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商品説明
「第一話 小児病棟」のわたし…難病で何年も入退院を繰り返して人生を悲観する小学生。「第二話 一九九八年の思い出」のわたし…男に金を持ち逃げされ一文無しになったオカマのホームレス。「第三話 ルームメイト」のわたし…大学を中退してから職を転々とし、いまはスーパーのレジ打ちで糊口をしのぐ26歳の元OL。「最終話 供述調書」のわたし…郵便局を襲撃し、逮捕された実行犯。「明日の話はしないと、わたしたちは決めていた」で始まる三つの別々な話が、最終話で一つになるとき—。【「BOOK」データベースの商品解説】
小児病棟の子供たち、橋の下のホームレス、定職に就けず暴走する若者たち。「明日の話はしないと、わたしたちは決めていた」で始まる3つの別々な話が、最終話で1つになるとき−。現代の闇をクールに穿つ書き下ろしミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
小児病棟 | 5−83 | |
---|---|---|
一九九八年の思い出 | 85−158 | |
ルームメイト | 159−243 |
著者紹介
永嶋 恵美
- 略歴
- 〈永嶋恵美〉福岡県生まれ。広島大学文学部哲学科卒業。2000年、「せん−さく」でデビュー。ほかの著書に「転落」「災厄」など。
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著者コメント
2008/11/05 18:33
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投稿者:永嶋 恵美 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私がまだ十代の頃、『絶望』という言葉は平凡な暮らしをしている者には縁のないものでした。少しばかりの不幸や不遇はあっても、別にすべての望みが絶たれるわけではなく、「そのうち良いこともあるさ」とどこか楽天的に構えていられるのが普通の人々でした。『絶望』とは不治の病であったり、返済不可能なほど多額の負債を抱えていたりといった、特殊な人々のものだったのです。それがやがて、一見普通であっても何らかの理由で「生きづらさ」を感じる人々のものとなったのは、いつ頃だったでしょうか。
そして、今ではごく普通に生きている人々の隣に、当たり前のような顔をして『絶望』が居座っている、その気配に誰もが息苦しさを感じている、そんな気がします。
『明日の話はしない』は、その「息苦しさ」の物語です。