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商品説明
初めての絵本、子どもだけに見える世界、懐かしい絵本、子どもから教えられること…。2歳から4歳までの子どもの成長とともに綴る育児&読書日記。絵本案内としても楽しめる。『朝日新聞』夕刊の連載をまとめたもの。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
絵本がつなぐ親子のじかんは、宝物
2009/05/02 09:52
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
サブタイトルが「子どもと本と私。」
俵万智さんが息子さんと楽しむ絵本じかんが、短歌とともに綴られています。
何度でも呼ばれておりぬ雨の午後「かーかん」「はあい」「かかーん」「はあい」
一番最初の短歌がこちら。
この本のタイトルにもなっていますね。
万智さんと同世代の私にとっては、万智さんも「かーかん」と呼ばれているのだぁと、感慨深いものがありました。
一つひとつの話にはメインになる絵本が一冊と、それにまつわりエピソード。おっ!この絵本が紹介してあると…、知ってる絵本が登場するのがなんとも嬉しいのです。
例えば、『きんぎょがにげた』。
金魚鉢から金魚が逃げ出し、カーテンの模様になったり、キャンディーの中に入ったり…。その金魚を追いかけて行くのが楽しく、しかも五味太郎さんの絵もまた良くって、好きな絵本の一冊なのです。
万智さんはこの絵本を見てあるとき「これは、金魚の自分探しの旅なんだ」と思われたのだそうです。
す、すごい!目からウロコでした。
「もちろん子どもは、こんな『解釈』をすることなく、絵本を楽しんでいる。けれどその背景にあるテーマは、じんわりと沁みてきているような気がする。一緒に読む大人にも、同じことが語りかけられている。」
おお!さすが万智さん!と思わずにはいられませんでした。
本にまつわる息子さんのエピソードも、ほんとうにかわいらしいものばかりで、読みながらもニマニマ。中でも印象的なのは、大の本好きの息子さんが宅急便で毎月届く幼児向け本をとても楽しみにしているそうで、
ピンポーンとドアチャムが鳴ると、「あっ、ごほんがきたのかな」と顔がぱっと明るくなるんだそうです。
く~なんてかわいい~。
もう、ここだけ読んでもメロメロです。
一番最後に紹介してあった絵本は『かみさまからのおくりもの』(樋口通子著、こぐま)でした。息子さんの誕生祝いにいただいたものなんだそうです。五人の赤ちゃんが登場し、神様から贈り物をもらいます。「よくわらう」だったり、「ちからもち」だったり、「うたがすき」だったり…。
万智さんは息子さんと二人、この絵本を楽しみながら、そして息子さんに聞いたそうです。
まずは「たくみん(息子さんの愛称)は、かみさまから、なにをもらったかな?」
「う~んとね、げんきでしょ、かっこいいでしょ…」
たくみん君の誇らしげな顔が浮かんできそうですよね。
次に万智さんは「じゃあ、おかあさんはなにをもらったと思う?」と聞きました。
たくみん君の答えを読んで、私は不覚にも涙が出そうになりました。
絵本がつなぐ親子のじかん、本当に宝物、ですね。
紙の本
「何度でも呼ばれておりぬ雨の午後「かーかん」「はあい」「かーかん」「はあい」」(本書から、俵万智さんの短歌)
2010/10/09 21:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉造猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝日新聞に連載していたとき、わたしは第1回から楽しみに読んだ。あの俵万智さん、歌壇に登場したころ
エビフライ 君のしっぽと吾のしっぽ並べて出でて来し洋食屋
などという短歌を詠んだ俵万智さんがお母さんになって、息子さんといっしょに読んだ本のことを「ほぼリアルタイムで」新聞に書いていた。俵さんがどんな絵本を選んで、息子さんがどんな風に反応したか、息子さんの言葉にお母さんがどう答えたか。
その連載が2年間24回分まとめて単行本になった。
月1回掲載された初回は、息子さんが2歳になった時期で、とりあげられた絵本は『じゃあじゃあびりびり』だった。2回目の絵本が『ころころころ』と『がちゃがちゃどんどん』。
わたしの息子の息子Rは俵さんところと大体同じ年なので、わたしは自然にRを頭に置いて新聞掲載を読むことになった。そのころRの顔を見に行ったとき、じゃあじゃあところころとがちゃがちゃの3冊を買って持っていった。
俵さんの息子さんが大きくなるにつれ、とりあげられる絵本も大きくなっていく。
俵さん自身が幼いころくり返し読んだ記憶のある『三びきのやぎのがらがらどん』を、3歳になった息子さんが気に入って、「もっかい(もう一回)もっかい」と言う。俵さんは自分が暗記するほど読んだと思っていたのは、お母さんがくり返し読んでくれていたということだったのだと、改めて実感する。
わたしにも少し似た経験がある。高校3年生の息子が朝なかなか起きない。わたしがなんとなく「起きてくれ、かばくん」とつぶやいたら、ふとんの中で声がした。
「起きてくれ、かばくん、どうぶつえんはもう11じ」
息子は続けて『かばくん』の最後の「おやすみ、かばくん」まで本1冊分すっかり唱えてから、ふとんから顔を出した。『かばくん』は幼稚園のときいっしょに読んだ絵本だ。
その後息子にもわたしにもいろいろあったが、わたしは表紙も中身もぼろけた『かばくん』を今も本棚に置いている。孫には新しい『かばくん』を買って渡した。
母親と子どもが共有できる時間は、過ぎてしまってからふりかえるとほんとに短い。親密で、甘い時間。その時間と場所のなかで絵本はけっこう大きな役割を果たしている。子どもにとってだけでなく、親にも、もしかしたら親にこそ、かけがえのない存在なのかもしれない。
単行本にまとまった『かーかん、はあい』を読んでそう思った。
俵さんの短歌が何句か入っているのも、いい。
子と我と「り」の字に眠る秋の夜のりりりるりりりあれは蟋蟀
この句は『はっけんずかん「むし」』(発見図鑑 虫)の章にある。
でもこんな句を詠むことのできる俵さんでなくても、どんなお母さんでも(お父さんでも)、子どもといっしょに本を読むのはすてきなことだ。
本の最後「おかあさんへの贈り物」という題の章に出てくる絵本は『かみさまからのおくりもの』。読んでわたしはちょっと泣いた。
紙の本
読書嫌いな子供でしたが・・
2009/09/03 02:30
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももみるく - この投稿者のレビュー一覧を見る
今でこそ読書は大好きですが、子供の頃本が嫌いでした。最後まで読んだのは教科書ぐらいです。そんな私ですから、1歳になった子供に読み聞かせる絵本を選べずに困っていました。そこで出会ったのがこの俵万智さんのエッセイ集。読み始めたら一気に最後まで・・そして涙してしまいました。絵本選びはもちろん、俵万智さん親子の本を通したコミュニケーション、絆を学び、日頃の育児ストレスを消化できた気がします。ステキな本に出会うと「感動」という宝物を手に入れられます。私はこの「かーかん、はかい」を宝の地図として子供に受け継いでいこうと思います。
紙の本
心を育む(はぐくむ)
2010/02/04 21:25
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
かーかん、はあい 俵万智 朝日新聞出版
ちいさなお子さん向けの絵本紹介本です。ご自分の息子さんをからめて書いてあります。わたしが、読む気になった絵本は、「ゆうれいホテル」「ないたあかおに」「ねぇ、どれがいい?」「花さき山」の4冊でした。
添えられている短歌の出来がいい。3歳ぐらいのこどもというのは、人形のようで、いちばんかわいい。おとなびた筋の通ったセリフを聞かせてくれることもあります。ちいさなこどもと老人は似ています。記憶が少しずつ消えながら、人はこどもに戻っていきます。本書中に、絵本は3度読む。自分がこどものとき、自分が親になったとき、そして老人になったときとあります。
絵本の読み聞かせは、親からこどもに対する愛情の伝達という意味合いがあります。こどものそばに親がいられるのはしあわせなことです。
全体を読み終えて、作者自身も母親稼業の成長地点にいることがわかります。