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紙の本
ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)
著者 テリー・ファリッシュ (作),バリー・ルート (絵),村上 春樹 (訳)
テキサスの田舎に、おじいさんと雌猫が住んでいました。ねずみも捕らず、のんびり暮らす猫の好物は、おじいさんが作るポテト・スープです。ある朝、なかなか起きない猫を残し、おじい...
ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)
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商品説明
テキサスの田舎に、おじいさんと雌猫が住んでいました。ねずみも捕らず、のんびり暮らす猫の好物は、おじいさんが作るポテト・スープです。ある朝、なかなか起きない猫を残し、おじいさんが湖に魚釣りに出かけると…。気むずかしいけど通じ合える、そんな年取った雌猫の魅力に、あなたも浸ってみませんか。【「BOOK」データベースの商品解説】
テキサスの田舎に、おじいさんと雌(めす)猫が住んでいました。ねずみも捕らず、のんびり暮らす猫の好物は、おじいさんが作るポテト・スープです。 ある朝、なかなか起きない猫を残し、おじいさんが湖に魚釣りに出かけると……。気むずかしいけど通じ合える、そんな年取った雌猫の魅力に、あなたも浸ってみませんか。【商品解説】
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紙の本
ふたりの絆が微笑ましい。
2009/12/16 13:30
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る
手許にあるのは文庫版です。同じ作品のハードカバー版もあります。
ねこが好きなのは、魚じゃないのか?
ねこ本好きの知人にこの作品を勧めてもらったとき、とっさにそう思って
しまったのですが、それだけにその風変わりな猫に逢ってみたくなりました。
村上春樹さんの訳。単行本が2005年。こちらは2008年の発行です。
著者テリー・ファリッシュさんも、絵のバリー・ルートさんも初めて知りました。
訳者あとがきによれば、ふらっと立ち寄ったアメリカの本屋さんで
一目惚れして訳されたそうです。春樹さんも猫好きだったのか!
そんな新鮮な発見もありました。
おじいさんと老いた牝猫がいなかの街でゆったりと過ごしています。
魚もネズミも捕らないこの猫には、名前もありません。
おじいさんのほうもかなりの猫好きなのでしょう、数多の猫たちが
生活を共にしたそうなのですが、何匹来て何匹いなくなったのかも
定かではないというのですから、随分とおおらかです。
最後に残ったのがこの牝猫なのですね。
互いに気に入っている様子ははっきりしているのに、そうしたそぶりは
ちっとも見せようとしません。
それどころか「お前は生き物をつかまえたことなんて、一度だってないん
だからな」とあてこするように言ってみたり。まあ、照れ隠しに愛妻に
甘えて憎まれ口をきいているような感じでしょうか。
牝猫のほうも心得たもので、すました感じです。
そして手間をかけておじいさんが作ってくれた、ポテト・スープが好物
というのがまた、語らずともその好意はちゃんと分かってる、という
感じで好もしいです。
老夫婦の阿吽の呼吸のようで、見えない絆ができているんですね。
ところが、言わないでいるけれどわかっているはず、と思っていても
ちゃんと向き合えないですれ違ってしまうときもあるようです。
或る日、おじいさんがいつものように魚釣りに連れて行こうというときに
いつもよりぐっすり眠っていた牝猫は置いていかれてしまうのですが、
それが一つの波紋になります。
魚釣りは、表紙に描かれているとおりで
魚を自分が獲るわけではないのに、毅然とした目つきで、釣り舟の舳で
「お役目」を担っている牝猫のようすを思い出しました。
実は気遣いをしたつもりのおじいさんと、それが当人(牝猫)には
まったく伝わらないどころか誤解が拗れてのクライマックスです。
ようやくまた通じ合った、と思えるラストがまた実に微笑ましいのです。
全体に言葉少ななのにゆたかな情景が伝わってきて、小品ですがとても
心に残った作品でした。
紙の本
テストに
2016/06/26 20:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たかし - この投稿者のレビュー一覧を見る
面接試験で、好きな本を聞かれた。この本を説明した。猫の、飼い主の、作者の、翻訳のやさしい気持ちが伝わって合格した。絵もいい。ポテトスープを飲みたくなった。