紙の本
大量生産、大量消費社会に反乱したいわけではない。卒業したのだ
2010/10/25 22:32
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書によれば「シンプル族」は若い世代、特に女性に多いという。物を買わない、テレビを見ない。物を買うときはネットで情報を集め、吟味し、比較考量し、納得してから買う。ユニクロ、無印良品のようなシンプルなものを好むようだ。主に団塊ジュニア世代が中心らしい。
そうした性向となった理由としては、既に十分豊かで、満足しているし、情報だけで満足できる。所得も低下してきて、将来にも不安があり、貯蓄したい。無駄なものを買うことに罪悪感も感じ、消費よりも他にやるべきことがあることに目覚めた、ということらしい。
それは「進歩の終わりの時代の人間像」だと著者はいう。我々は進歩の価値が見出せなくなったのだろうか。あまりにも進歩、進歩と急かされてきた反動が来たのか。いや、それは国民の成熟度を示すのではないか。消費に対して賢くなったということだ。若い世代はもう経済成長なんてしないことを理解している。時代に適応しているだけなのだ。
第2章ではシンプル族へのインタビューが載っている。徹底ぶり、こだわりを感じるが、どこか極端で原理主義的というか、無理をしているように感じた。
シンプル族の分析に続いて、今後、企業は彼らに対してどんな商品を企画し提案していけばよいかを考えている。大量消費社会に合わせて設計された従来の組織では対応できないだろう。日本はデフレ社会だ。それに適応して成長しているユニクロは参考になるが、真似をしたところでシンプル族には見透かされるだけだ。様々な業界が今、団塊世代に次いでボリュームのある団塊ジュニア世代に、お金を使ってもらおうと頭をひねっていると思われる。彼ら全てがシンプル族ではなかろうが、本書はその生態、嗜好を知るには参考になるだろう。
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「清貧の思想」?じゃないな^^;
相変わらずこの手の本は読んでいて面白くはあるんだがそれだけ。
サンプル数は的確か?
全国的な潮流なのか?
(あり得ないけど)景気が良くなればどうなるのか?
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三浦さんの本は、流行り、現代社会、世相などを興味をひく事柄をわかりやすく、読みやすく書かれていて好きです。
今回もさらっと読めました。帯には勝間さん絶賛の文字がありました。
この装丁も、ユニクロのような赤に白字でパッと目を引く。
さて、モノを買わないシンプル族、って私の事かも、、、なんて思って読み始めたのですが、もう少し下の団塊ジュニアあたりを指すんですね。
私は、勝間さんと同学年なので、シンプル族とバブル族の間。
バブルの臭いを少しは嗅いだことがある、就職はギリギリ美味しい思いができた感がある。
しかし、好みの雑誌や、ユニクロやMUJIが好きな点ではシンプル族の感性もありそう。
でもでも、良く考えたら、技術進歩の名の下に、新製品の嵐つまり買い替えの連続、モノの大量消費で、一見豊かな社会を
過ごしてきたけれど、右肩上がりの社会はグローバル経済の破たんでおかしくなってきて、地に足を付けて、今までの消費のあり方を
見直す、堅実な消費者としての考え方を、シンプル族はあたりまえのように持っていたんじゃないの?と思ったのですが、、、、。
モノを買わないシンプル族といっても、長く使えて飽きが来ない、モノにストーリーがある本物には高くてもお金を出す、という考え方も実に堅実。
シンプル族世代の人は、この本を読んでどう思うのでしょうか?気になります。
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読んで「これは自分のことだ!」と思った。なんせこれを買う前に、ボーズのミュージック・ウェイブを買ったのだけど、読んでこのシンプル族が好むCDプレイヤーがこの、ミュージック・ウェイブだったので驚いた。けど、確かにこの本で定義があるようにゴテゴテした多機能なものよりは、単純である程度の高性能が見込めれば僕の場合、財布のひもがゆるくなる。というように日本全般でお金を湯水のように使う、といった考えが通用しなくなっている。車が売れなくなり、家も簡単には売れない。不景気、というのも理由に挙がるのだろうけど、それとは別にブランド信仰とは別の、違う消費マインドを持った消費者が生まれている、というのをこの本では解き明かす。
シンプル族の人は、神秘的なものが好き、と書いてあって、僕はおそらく江原さんあたりのことかな〜と思ったのだけど、正直、僕自身は興味がない。というように、シンプル族の人はある世代がみんなそうである、のではなくて、そういう嗜好を持った人が団塊ジュニアとその下の世代を中心に広がっていて、自分の興味がないものにはお金を使わない、といったはっきりとした特徴がある気がする。だから、シンプル族でもまったく無駄なことは望んでないとしても、車が好きな人がいたり、海外旅行が好きだったりという人がいてもそれはそれで外れてはいないと思う。こういう特徴は、不景気と文化の成熟が生んだ時代の必然だ。
車がどんどんモデルチェンジをするような商売の仕方ではこの先、立ち行かなくなる企業がたくさん出るような気がする。企業のマーケッターの人は、とりあえず必読でしょう。そして、この世代を理解することがひょっとすると役に立つのは、意外に政治家の皆さんのような気がする。無駄な道路を作る前にいろいろやることあるんじゃないでしょうか?先生の皆さん?
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■目次
第1章 シンプル族とは何か?(自動車離れが進んでいる
自転車の人気が上昇 ほか)
第2章 シンプル族の価値観とライフスタイル(シンプル族の生活原理
シンプル族の志向性 ほか)
第3章 シンプル族の衣食住遊(シンプル族の特徴
シンプル族の「衣」 ほか)
結 シンプル族がつくる社会(シンプル族は中流の質的変化
シンプル族がつくる「共費社会」 ほか)
■レビュー
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まだ読み途中。シンプル思想そのものには同意だが、なんとなく論調には違和感がある。シンプルになったのはいままでの大量消費に対する反動みたいなロジックであるが、いろいろな意見に対する実際のデータが少なすぎて感情論とも受け取られない。シンプル指向になっているのは、日本に限って言えばエコとかどうかよりも日本社会が老朽化してそのしわ寄せを若い世代が受けているというのが私の仮説だがどうだろうか。
巨大なバブルが弾けて基本的にシンプルな消費トレンドに向かうと考えるが、問題はそのような形で経済成長がありえるのか、もしくは経済成長が豊かさの尺度になりえないとか、そういった議論が、エコロジーとかエコノミーとかに必要なんだと思う。
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物を買わない人々がどんな人々なのか、という分析がほとんど。
グラフやアンケートで立証された数値をもとにしたり、直接該当者に
話を聞いたりしたのをまとめた本。
分析はされているが、これからだれがどうすべきなのか、っていうところにはあまり触れて書かれていないし、自分が想定できる内容だったのが
少し残念。
ただ自分の周りにシンプル族はたくさんいたってことがわかり、
それは自分の今いる環境が特殊なんじゃなくって、社会の面に対して点にいた人たちが今小さな面を形成しているんだな、流行っているんだなと
思いました。
リンネルなどのナチュラルエコ(笑)雑誌が相次いで創刊されたり、
「私はみんなみたいにお金や仕事にガツガツしていないのよ」
と感じられる本やアパレルなんかが面を拡大してきたな、っていう
思い込みが一部立証された。
ただそこからどうやってものを売り込むのか、その発想は具体例をたくさんあげて説明してほしかったかも。
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1970年以降に生まれた(バブル時代を経験したヒトより若い世代)人達=シンプルな暮らし/消費を好む層として、その世代の消費に対する意識や趣味趣向を解説した1冊。
この本で書かれているキーワード
・ロハス
・車なくてもいい
・ネットが日常
・デパート離れ
・物をあまり消費しない
・手仕事が好き
・エコ志向
・ナチュラル志向
・ユニクロと無印が好き
・生活を大事にする雑誌が好き
・テレビは見ない
・アウトドアよりインドア
などの視点から、シンプル族世代の消費に関する意識をアンケートや著者の考えを元にまとめている。
この辺りをターゲットにした仕事をしているヒトにとって新しい視点は見つからないかもしれないけど、「ああやっぱりそうだよね」と思える部分がたくさんあると思うので、読んでて面白いと思います。
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私の周りにも増えてきたなあ・・こういうシンプル族。
バブル世代の若者のような貪欲なタイプ自体が少なくなってきているのだな。流通が滞っても、地球全体としてはエコ活動として好ましいわけで。日々をせわしなく過ごす中、毎日を大切に丁寧に暮らす、ということの大切さを再確認。
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ものを買わないシンプルな生活を送る人が増えている。このような人たちの行動様式や価値観を分析した書籍。団塊Jr世代に多いのかな。
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マーケティング。確かにHさんはGAP好き。そしてそういう世代。私は、ちょうどその中間。世代的にはバブルだけど、そういう消費行動は嫌いだったなぁ。確かに学生時代からmujiを大量に使っていたっけ。
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ユニクロや無印良品が売れている理由とは。
シンプルで飽きのこないデザインを好む消費者心理について書かれた本。
シンプルなものを好み、
「ホンモノ」を求め、
他者とのつながりを築こうとする人々。
自分の行動に置き換えて考えることも出来た。
確かに、長く使えるという利点や失敗が少ないということから、
シンプルなものを選ぶということが近年の流れなのでは。
ただ、そこには消費者の「こだわり」も見え隠れする。
自己が確立し、多くの人が自分自身の「こだわり」を持って生きるようになった。
そういった「こだわり」の生活を邪魔しないということも、
シンプルなものが好まれる理由であろう。
今後企画を進めるにあたり、参考に出来るところはしたいと思った。
ただ、ちょっと無理やりシンプル族としてひとまとめにしていた感もあるので、より細かいセグメンテーションを用いた検証の必要性を感じた。
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この本では、「衣・食・住」に分けて
様々な新しい消費スタイルが整理されており
関連データも豊富ですので参考にしてみてください。
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■この本を読んで何を得ようと思ったのか?
店頭のポップをみて、なんとなく
■何を得る事が出来たのか?
価値観をバブルを経験していない世代の変化
■この本に関してのコメント
エコとかシンプルに関して重視する価値観への変化が見て取れます。
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2009.09 三浦さんの新たな時代を切り取った書。買わない時代の生活者がよくわかる。企業は、エコやLOHASの人たちに本音で相対しないとだめだと感じた。トヨタのプリウスも、4年・5年でモデルチェンジしたら意味ない(エコではない)。本来のプリウスの思想に反してしまう。でも数を売りたいトヨタはどうやってマーケティングをしていくべきだろう。