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真っ直ぐに進まない、進めないオトナの愛
2009/10/04 21:41
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
より子さんのお膳立てによって田上と愛子さんとの一夜が大展開されたが、終盤には意外な展開も迎えた。帯にも書いてあるし、重要ながらおそらく通過点とも思うので記してしまうが、愛子のさんとの情交を終えた田上は思わずプロポーズしてしまうのである。しかし、結果は本巻が完結編ではないことが如実に示している。つまり、今回はアレだけど今後に望みが無い訳でもなさそう……かな?愛子さんも田上とのゴールインに踏み切れない自分に悲観しており、恋に真っ直ぐ突っ走らない、突っ走れないオトナの悲哀を滲ませている。ただ、この2人は単純に逢う回数が少なく、2人の時間がまだ足りないだけな気がするので、田上にはこれからもめげずにアタックを続けてほしいとエールを贈りたい。
田上と一緒に読み手も残念な気分になってしまい、何となくどよ~んとした空気が漂うのだが、ほぼ全編に渡って繰り広げられる愛子さんとの情交は濃密の一言。これといったテクニックを駆使するでも劣情に任せて激しく貪るでもなく、むしろお互いの心を通わせるような静かな交わりなのだが、ずっと田上が求め続けてきた念願の達成感が上乗せされて実に昂ぶる濡れ場となる。ただ、愛子さんも僅かばかりの積極さを見せるのだが、これが自分の気持ちを確かめるためだったかと思うと、情交中の2人には若干のズレがあったように思えて切なさが募る。これが覚悟を要するオトナの恋愛を象徴的に示しているのかもしれない。
実は今回の立役者であるより子さんにも新しい出会いの予感が描かれている。行きずりの恋ではあるが、真面目な相手みたいだったし、(おそらく田上との逢瀬を経て)亡夫への想いが払拭されつつあるより子さんには良い展開にも見えた。愛子さんへの想いを心身両面で残す田上の再度のアタックがより子さんの動向にも影響を与えそうな引きを見せており、早くも次巻が楽しみなものになっている。