投稿元:
レビューを見る
2000年に出版された『組織の不条理』の文庫版。
文庫版あとがきとして、『組織の不条理』から9年経った現在の著者の考えが記載されている。
そしてこの文庫版あとがきで、本書の完成度はぐっと上がった印象を受けた。
本書は戦時中の日本軍の組織的不条理、あるいは不条理を回避した事例をもとに、組織が不条理に陥る原因を明らかにする。そのツールとして新制度派経済学の理論が用いられているため、特殊な事例を扱いつつも、現代でも通用する普遍的なインプリケーションをうまく導出されている。
そして文庫版あとがきでは、本書の議論を受け、現代企業組織は如何にして不条理を回避する組織でありうるかをより明確に示している。
原因の解明から解決策の提示まで、一貫して新制度派経済学の基本的な発想を通しているため、分析は非常にスッキリしている。
主張されていることは当たり前のことかもしれないが、当たり前のことだけに逆に原理原則を明確にするのが難しいと思われるところを、実に明白なかたちで提示してくれる。痛快なりや。
投稿元:
レビューを見る
レビューは後ほど。
『組織の不条理』ダイヤモンド社の文庫版。
「文庫版のあとがき」を読むために購入。
カントとウェーバーを読まなければ…
投稿元:
レビューを見る
2009年8月か9月に読み終わった本
http://hydrocul.seesaa.net/article/131755002.html
投稿元:
レビューを見る
太平洋戦争が、単純な大本営による責任によるものでなく、組織利益によるものが、失敗に導いていたと分りやすく書かれている。良書。
自分自身が所属している組織の利益を優先せざるを得ない人間の性が、全体利益ではなく個別利益となり、選択の失敗を行う。
当然、会社員である自分の置かれている立場に当てはまり、反省してしまいます。
投稿元:
レビューを見る
太平洋戦争末期の日本軍のいくつかの作戦を事例として、いかに組織が合理的に破壊されていくかがわかりやすく書かれている。
今まで日本軍の失敗はすべて非合理的な判断によって引き起こされたものとして描かれた文献が多かったが、この本は私の知る限り、まったく新しい視点で太平洋戦争での日本軍の戦略を評価していると思った。おもしろい試みだと思った。
大きなビジョンの元に、漸次的目標の設定(短期的な目標)と内省を繰り返すことで"合理的な失敗"を減らすということを学んだ。
組織に属する者として、組織が暴走機関車とならぬこと、もしそうなってしまった場合、しがみつかずにそこから離れることを改めて勉強させられた。
投稿元:
レビューを見る
太平洋戦争での日本軍の行動を近代経済学のモデルにあてはめて捉えるという面白い試み。
結論は通説と同じベクトルを向いているが、より合理的に論理的に説明することを試みており新鮮でした。
大平洋戦争史についてもあまり詳しくなかったので勉強になる一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
日本陸軍が合理的に淘汰されていった過程を取引コスト理論・エージェンシー理論・所有権理論から論じ、意識的に誤りから学ぼうとする批判的態度や批判的な議論の場やその風土・文化形成の必要性を説く。それにしても「組織は合理的に失敗する」とタイトル、これ以上ないくらいの名文だと思うなあ。
投稿元:
レビューを見る
大山氏推薦図書
日本陸軍に学ぶ不条理のメカニズム。
合理的で非効率で非論理的事例には思い当たる事例が多々あり。
1.合理的で非効率で非倫理的事例(それぞれ引用)
1)ガダルカナル戦
2)インパール戦
2.
投稿元:
レビューを見る
ガダルカナル戦における
日本軍の不可解な肉弾突撃はなぜ行われたのか?
あんな、人間の非合理性な事は、、
なんで?集団ヒステリーなの?
それとも、一部の現場をしらない軍部の独走から?
とか思っていましたが、
今回の原発にしても、過去の高速増殖炉もんじゅにしても、不二家のおかしにしても、
組織的な隠蔽やにんげの非合理性が生み出した現象です。
隠蔽する事が不正であるとわかりつつ、意図的に事実を隠蔽する
『合理的な不正』についてです。
コレに対しての、説明が
新制度派経済学アプローチとか言われていて、
“すべての人間は、限定された情報獲得能力のもとに意図的に合理的にしか行動できない”
って事らしいです。
何度読んでも、意図が読めない文章ですね。
ソレは何かというと、
いったん整備してしまった、大きなインフラがあったりしますよね。
戦争で行ったら、日本軍の肉弾戦の練習をずっとやっていたとか、
戦時中のガダルカナルでの、作戦変更は日本軍の人間関係的にも大変、
さらに“この局面は負ける”と言えない為に、
作戦の変更が出来なかったりします。
鴻上さんの “空気と世間”って本にも書いてありましたけれど、
いやーーな、声に出せない決定権の様なものを、
集団が持ち始めると、もう駄目です。
すこしでも、勝つ確立(この場合ゼロではない)にかけて、
集団がもつ従来の構造を変えずに、
近代装備のアメリカ軍に銃剣で日本軍が突っ込んで、みんな死んじゃったんだと。
いう事を、新制度派経済学アプローチを使って、著者は書いてました。
やはり鴻上さんの空気と世間と一緒に読む事をお勧めします。
投稿元:
レビューを見る
止めるよりも続ける方がコストが小さい場合に組織はそのまま突き進む(そして失敗する)ということを、太平洋戦争の頃の日本軍を例にして書いてあった本のはず。
社会人になって、よくわかんないし失敗するかもしれないけど時間もないしそうやれというといことだからこのまま進めましょう、みたいなことがよく起こる気がするけど、この本を読んてそれが腑に落ちた気がする。
軍隊もそうだけど、組織の一員として議論を尽くしつつも決まったことには従わないといけない立場で、そんな状況を変えることはできるのだろうか。その話は宿題ということで。。。
投稿元:
レビューを見る
組織経済学の手法を用いて、戦史を深堀りした野心作
http://www.amazon.co.jp/review/R15R8ZJAUMEUPN/ref=cm_cr_rdp_perm
投稿元:
レビューを見る
タイトルのセンスが好きなタイプだったので読んでみた。合理性と正当性と効率性が相反する時の意思決定や/限界合理性の認識なんかの概念や、組織論や経済学理論の引用は面白かったような気がする。軍事の中でもあえて大東亜戦争、じゃない側の対米戦争(太平洋戦争ですね)について特に絞り込んだという建てつけなので、なんだか「軍オタさんにも組織論に関心を持ってもらおう」シリーズに見えないこともない印象。何で軍事組織を題材にしたのかが最後になってからじゃないとちゃんと出てこないからそう思うのかもしれないけど。
議論と問題意識、特にあとがきは必見とお勧めできる感じに楽しめたのだけど、個人的には企業のケースを筆頭に、ケースを切り貼りして無理やりに論理につなげている感があったのがどうも気にかかった。企業の意思決定と世間的な評価の部分が新聞や雑誌のキャッチフレーズ的な起承転結、勝ち組/負け組みのラベリング、はい、終了!といった感じ。日経ビジネス人文庫という性質から言うとマーケティング上は正解なんだろうけどその部分のせいでちょっと価値を下げてる感は否めない・・・。
投稿元:
レビューを見る
新制度派経済学の入門。取引コスト理論などの紹介。森田等『撤退の本質』への一つの解を与えるものかも。日本軍の不合理・不条理な行動も必然、、、。ということか。
仕事で同じ取引先を継続して使ってしまうことの必然性も説明できてしまったりする。
一つの理論だとは思うが面白い!!
この本が出て以来、著者の菊澤先生はテレビにも顔を出したりするようになった!?
投稿元:
レビューを見る
就活で安全保障にも関心を持ったことから、戦争と企業組織を比較している点に興味をもちこの本を選んだ。戦争から企業の組織経営について論じている点は面白かった。ただ、戦争についての分析が多く、企業については経済的に述べられている点はほとんどなかったので、one of the view pointsとしては面白いが、それ以外特に得る事はない。。
投稿元:
レビューを見る
失敗の原因を非合理的な行動にあると捉えるのではなく、限定的に合理的であるからこそ失敗すると発想を転換させている点が新鮮でした。他の人と違う主張をしつつ、内容もなるほどと思わせるものです。
一方で、発生するコストの中身、主張の根拠にかかる説明が物足りません。また、企業の事例への当てはめの中には強引なものも散見されます。少しもったいないかなという印象です。