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- カテゴリ:中学生 高校生 一般
- 発行年月:2009.10
- 出版社: 集英社
- レーベル: 集英社スーパーダッシュ文庫
- サイズ:15cm/241p
- 利用対象:中学生 高校生 一般
- ISBN:978-4-08-630513-6
紙の本
円卓生徒会 11 (集英社スーパーダッシュ文庫)
著者 本田 透 (著)
“ヴァルハラの境界”の南下は止まらず、ドイッチュラントの“黒井円卓騎士団”が各国に戦争を仕掛け、世界は大混乱に陥っていた。そんな中、亜砂は“黒い王女騎士”と化したラーンス...
円卓生徒会 11 (集英社スーパーダッシュ文庫)
円卓生徒会 11
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商品説明
“ヴァルハラの境界”の南下は止まらず、ドイッチュラントの“黒井円卓騎士団”が各国に戦争を仕掛け、世界は大混乱に陥っていた。そんな中、亜砂は“黒い王女騎士”と化したラーンスロットと対峙する。ささいなすれ違いが大きく運命を別けてしまった二人の結末は—!?円卓騎士団の崩壊、次々と倒れる仲間、そして“聖盃”の出現!?風雲急を告げる第11巻、物語はもう止められない。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
暗く、重く、悲壮で醜い人の業
2009/11/12 23:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
暗・重・悲・鬱・醜……こうした言葉がもたらすどんよりとした空気が全編を包む。今まで読み進めてきた雰囲気は第10巻から薄れていたが、それに輪をかけて暗く重く悲しく鬱で醜い人の業が曝け出されている。所々で脇道に逸れながらも基本的に元ネタをトレースしているようなので人物がばったばったと倒れていく。志半ばで舞台から消えていく。そのほとんどが人の憎悪・妄執・忘我などに基づく醜い所業によるものである。「聖盃」なる得体の知れないモノを奪い合う人間同士が裏切りを重ねる凄惨な争いの果てに訪れる最後の戦い“ラグナロク”とは一体何なのだろう。これだけ人間同士が醜く争った後に世界を救うと言われても虚しくなる。誰もいなくなってから世界が救われて何が得られるのだろうか。世界が救われたら失った命は戻ってくるのだろうか。それともアダムとイヴの頃に戻って1からやり直すと言うのだろうか。それを「救う」と言うのだろうか……本巻を読み終えてからこんなことを思った。その意味では人の内面に潜む悪意のようなものを随分と炙り出している内容である。逃げ場のない虚無、僅かな希望の直後に訪れる絶望。本シリーズの愛読者が決して望まないであろうシリアス過ぎる展開に軽い苦痛を覚える。ここまでくると最早『円卓生徒会』ではなくなっている。あのおちゃらけた軽いノリが懐かしい。あれはあれで軽過ぎるとの辛口もあったようだが振り幅が大き過ぎる。何もここまでヘヴィにしなくても、である。それだけにボーマンの健気でいじらしい素振りが光っている。本巻の実質的なヒロインである。要所要所で出てくるボーマンの言動や想いだけが拠り所である。ようやく人並なヒーロー然と振る舞い始めた(これもまたこれまでのヘタレとのギャップが大き過ぎて違和感がある)亜砂の行動が全ての鍵を握る怒涛のクライマックスを迎えた果てに希望はあるのだろうか。