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殺す者と殺される者 (創元推理文庫)
遺産を相続し、不慮の事故から回復したのを契機に、職を辞して亡母の故郷クリアウォーターへと移住したハリー・ディーン。人妻となった想い人と再会し、新生活を始めた彼の身辺で、異...
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)
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商品説明
遺産を相続し、不慮の事故から回復したのを契機に、職を辞して亡母の故郷クリアウォーターへと移住したハリー・ディーン。人妻となった想い人と再会し、新生活を始めた彼の身辺で、異変が続発する。消えた運転免許証、差出人不明の手紙、謎の徘徊者…そしてついには、痛ましい事件が—。この町で、何が起きているのか?マクロイが持てる技巧を総動員して著した、珠玉の逸品。【「BOOK」データベースの商品解説】
おじの遺産を相続し、不慮の事故から回復したのを契機に、大学の職を辞して亡母の故郷クリアウォーターへと移住した心理学者のハリー・ディーン。人妻となった想い人と再会し、新生活を始めた彼の身辺で、異変が続発する。消えた運転免許証、差出人不明の手紙、謎の徘徊者……そしてついには、痛ましい事件が。この町で、いったい何が起きているのか? マクロイが持てる技巧を総動員して著した、珠玉のサスペンス。解説=三橋曉【本の内容】
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紙の本
恐怖の淵へと連れ去る終盤の展開は、さすが、この作家ならではのもの。ぞくぞくする妙味を堪能させられました。
2009/12/23 16:16
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公ヘンリー(ハリー)・ディーンが、叔父の遺産を相続。大きな衝撃を受け、外に飛び出して、氷に足をとられて転倒して以来、奇妙で不可解な出来事が、彼の身の周りで起きるようになる。他人と自分の記憶が食い違っていたり、自分の身辺を徘徊者がうろついているといった出来事が。そんな中で、彼が快く思っていなかった人物が銃で撃たれて死ぬ事件が起きる・・・・・・。
という序盤から中盤にかけての話は、まずまずスリリングではあるけれど、それほど、そそられる話ではありませんでした。それが俄然面白くなって、本作品が輝き出したのを感じたのが終盤の198頁、第11章以降の展開でしたね。それまで主人公が抱いていた不穏な気配、微妙な齟齬をきたしていた出来事の真相が明らかになってから以降の展開に、読み手を恐怖の領域に誘い、ぞっとさせる作者ヘレン・マクロイの真骨頂を見た気がしました。主人公の“わたし”ことハリーが味わう恐怖に、ほんと、ぞくぞくさせられましたね。
このサスペンスの中核を担う、というか、そこから一気に恐怖の深淵へと読み手を引っ張っていくその始まりとなる第11章を読んでいて、ひとつの絵がぱっと浮かんで、脳内スクリーンに映し出されました。だまし絵で有名な画家エッシャーが描いた、「描く手」というタイトルの絵。あの絵を具現化したみたいな文章であり、展開であるなあと、ぱっと思ったんだけれど。
1957年の作品でありながら、メイン・トリックのネタはその当時より二、三十年先を行っていると思えるものであり、何より、ことの真相を明かしてから以降の話の展開に、非常な妙味を覚えました。さすが、『暗い鏡の中に』、『幽霊の2/3』といったサスペンス色豊かなミステリを書いた作家だけあって、上手いもんです。
訳文に関しては、新訳というにも関わらず、所々、現代的とは思えない会話文や、日本語としてこなれていない言い回しがあって、ちょっと気になりました。でも、作品の価値を損ねるようなものではなく、マクロイの、ぞくぞくさせられるサスペンスの醍醐味を堪能させてもらいました。復刊に感謝です!
紙の本
知らないという恐怖、知ってしまったという恐怖
2017/05/16 22:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が事件の真相を理解してからはページをめくる手に力が入りました。犯人は予想がつく人物ですが、主人公の独白から驚愕、焦燥、決意がずんっと伝わってきました。そして、物語の締め方がいいです。最後の一文を読んだ後、呆然とする余韻が残ります。