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http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532313074?tag=booklog.jp-22&linkCode=as1
の文庫本版
「終章 知識を知恵化する」 は、非常によくまとまっている。
ト、2009.1.13-1.15
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先日読んだ「イノベーションの本質」の実質的続編。
また、新たに登場する13の知識創造事例はバリエーションも
多岐に亘っており、実に面白い。
有名な事例についても、新たな気づきを得ることが出来る。
各事例において、知識創造上、何がポイントであったのかを
明確にしつつも、本書で語られている事例が何度も登場して
くるので、理解しやすい。
知識創造において、何が重要かだけを知りたい場合は、
最終章だけといった読み方も可能。
SECIやミドルアップダウンというったフレームも、
当然ながら出てきて詳細な説明がなされるが、
ある程度、知識・理解のある人を対象にした内容で
あることを承知して読んだ方がよい。
内容も網羅的でかつ、それなりに深く書かれている。
知識創造は、結局は人に起因する理論である。
そのためシステム化も難しいし、
フレームワークとしても使いにくい。
ビジネスに生かすという点を考えると、
こうした本を読むだけでは、無理であろう。
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■書名
イノベーションの作法
■筆者
一ツ橋大学名誉教授 野中郁次朗
ジャーナリスト 勝見明
■内容
イノベーションはノウハウによって生まれるものではなく、
自らの生き方を確立した人間によって生まれるものである、
という一貫した考えのもとに、
イノベーションを生むための人の生き方にまで根ざした思考や行動のあり方を作法としてとまとめている。
筆者らが提唱するイノベーターの条件は以下のとおり。
1.真・善・美の理想を追求しつつ、清濁あわせのむ政治力も駆使する。
→理想を描きつつも、現実に対して的確かつ柔軟に対応する能力を有しており、時に政治力やマキャベリ的な智略を柔軟に駆使する。
2.場づくりの力を持つ
→他者と文脈を共有し、共感を情勢していく能力
3.ミクロの中に本質を見抜く直観力とマクロの構想力を持つ
→ミクロの直感をマクロの普遍的な概念に結びつけ、言語化して表現し、相手に伝え説得する能力。個別具体的な事象と普遍性を持った世界を往還し、相互変換することができる。
4.論理を超えた「主観の力」を持ち「勝負師のカン」を磨く
→既存、過去の結果にとらわれず、自分の中にある真・善・美から未来の新たな命題を見出す能力。他者と比較する相対価値ではなく、絶対価値を追求し、それを掘り当てるカンを持つ。
・・・
マツダロードスター、いえもん、アルビレックス新潟、屋台居酒屋による地域活性化などさまざまなケースからイノベーターの条件を抽出している。
■所感
暗黙知の重要性、主観の必要性を強く感じる一冊です。
IT化によって暗黙知の形式知化が進み、何もかもが形式知の中での
やりとりで物事が進むように思えるような時代になっているけど、
本当に価値あるものつくろうとと思ったら、
過去の結果(マーケティング、論理的な分析によるもの)は関係なく自分が感じる、自分が信じる価値を市場に投げかけるということが大事であることを教えてくれています。
論理的思考と主観からくるパッションをいかにあわせもてるか。
普段からたくさんの論理展開活動と体験活動をしていないといけないですね。
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とにかく熱い!
変化を起こす人間のエネルギーがびんびんと伝わってくる。
どこから切っても外れなし。何度も読み返すべき本。
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野中さんの本は、本当に考えさせられる。よくあるプロジェクト紹介ものではなく、プロジェクトXの様な お涙主体でもなく、本当に本質にせまる内容だ。これらの成功要因をどれだけの時間、どのように紐解かれたのか・・・インタビューをそのまま聞いて見たい。
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『イノベーションの作法』/野中郁次郎/★★★★★/新しい研究・事業を通じて市場や成功を開拓した開発者・技術者たちの実話から、イノベーターに求められる資質能力を5つほど導き出している。イノベーターには共通の資質能力があるんだな。
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野中郁次郎氏の著書「美徳の経営」で指名される「賢慮型リーダーシップ」の具体的事例を集めたような本。したがって、本書は「美徳の経営」と併せて読むほうが理解度が高まる。
「美徳の経営」の「賢慮型リーダーシップ」の要点は以下の6つ。
・善悪の判断基準を持つ(共通善)
・場づくりの能力を持つ
・本質を直感的に掴む
・対話を通じて巧みに表現する
・清濁合わせのみ、あらゆる手段を使って実現する
・新たなる賢慮を育成する
これらについて日本企業に置ける具体的な事例と要点が本書では整理されている。以下、解釈を含めて項目別にまとめる。
《善悪の判断基準を持つ(共通善)》
○理想主義的な探求
- 誰にとっても"よいこと”とは何か、明確にする
- ”よいこと”を明確にすることで、直感力が身に付く
- ”よいこと”を理想として追求することで、清濁あわせ飲むことができる
- 本質を掴むことで、理想へのシナリオがが蹴る
○知的体育会計の追求
- 不確実性が高い状況では、理想に向かう実践力が重要
- 実践から入り、知識を得るのが知的体育会計
- くるもの拒まずで文脈を太くしていく
《場づくりの能力を持つ》
○場をつくる
- 暗黙知が共鳴する場が必要
- これからはモノではなく、コトを作る場が必要
○どうやって場をつくるか
- 一体感によって場づくりを進める
- 小さなコミュニティをつないでいく
《本質を直感的に掴む》
○知のリンク
- マクロとミクロをつないだ仮説生成力が求められる
- 周囲を惹き付ける吸引力が水平展開を可能にする
- 全体と個のバランスをとることが求められる
- 二頂対立を越えた共通項を見いだす
○知のアライアンス
- 本質をつかみ、知を水平に広げる
- 知識が間接的に戦略上の力となる
《対話を通じて巧みに表現する》
○感情知を力とする
- 主観的な知識創造の仕組みが必要
- 悲しみの共有が本質的な感情の共有
- 感情の共有は巧みな言葉をもたらす
《清濁合わせのみ、あらゆる手段を使って実現する》
○勝負師のカン
- 分析からはイノベーションは生まれない
- 主観と客観の双方のバランスをもって未来をみる
○コンセプトの重視
- 共感を生み出すコンセプト設定が必要
- 一皮むけることがイノベーターを生み出す
- ミドルアップダウンが組織の要
《新たなる賢慮を育成する》
○オープンに
- オープン性が個別の善を共通善とする
- オープンであるために、自らの生き方を確立する
- 自らの生き方を確立することがイノベーションを引き起こす
(まねをしているだけではイノベーションにはならない)
- 守破離の精神を醸成する
あとがきにあるQUESTの意味、というものも哲学的で面白い。
・Q:questing : 探求の心を持ち
・U : understanding ; 本質を理解し
・E : evaluating ; 価値を図り
・S:supporting : 他者を支え続け
・T : trusting : 事故と他者を信頼する
これはイエズス会司祭のブルカ師の言葉だそうだ。イノベーターは「QUEST」を続けるべきだと改めて思い知らされる。
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会社の同期がこれを読んでいて、本人には内緒で(!)タイトルをチェック!
そしてゲット!
これは正直、目からウロコな本です。
なので、風呂では読んでません。
まだ87ページ目なので、読了してないのですが
既にふせんが6本も立ってます…
(注:主にビジネス書は、「これ忘れるべからず!」なところに
ふせんを立てながら読んでいます)
いわゆる、「できる」人たちの何がすごいのか、を具体的事例を使って
説明。
「コンピテンシー」ってよく言いますけど、それを超えたところの
人間性というか、何というか…それを学術的に説いているところが
すばらしいです。じっくり読みます。湿ってないところで。
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イノベーションを実現した成功事例と、その解説です。
解説は、SECIモデルを意識したものになっていて、それは野中先生の本だから仕方ないのですが、ちょっと違うだろうというのもありました。
でも、全体としては多くの示唆を与えてくれるし、イノベーションを軸に組織を変えようとするコンサルタントは読むべき本だと思います。
人はハンコをつく際、存在意義を示そうとして何か注文をつけ、プランはどんどん原型を失っていく。 勝見明
これは、稟議書などのことを指しているのですが、色々な場面で見られる現象ですね。決して悪いことばかりではないけれど、気を付けないとならないなぁと思いました。
★★★
事例中心ではあるのですが、色々な知識も授けてくれます。たとえば、
一般的に、人が他者に対して統制力や影響力を発揮するときのパワーのベースには次のようなものがあるとされる。
・ 合法力(組織から公式に与えられた権限からくるパワー)
・ 褒賞力(報酬を与える能力からくるパワー)
・ 強制力(処罰できる能力からくるパワー)
・ 専門力(専門的知識からくるパワー)
・ 同一力(一体感からくるパワー)
この中で最も広い範囲に力が及ぶのが同一力といわれる。(…… snip ……)
人は相手に一体感を抱くと、相手の目標が自己の目標と同一化し、達成に向かって強く動機づけられる。と同時に、互いに自発的な自己統制が働く。同一力による自己統制であるから、誰も人から統制されているとは思わない。組織における人間統制の一つの理想的な形である。メンバー相互の間に強い統制力が働く集団は生産性も高くなることも実証されている。
人材は権限を与えることで育つように思われるが、むしろ、権限なしで同一力をベースにした方が人間は育つ。
これは、セーラームーンの、「乙女のポリシー」の、
もっと大変なこと いっぱいまちうけてる
きっとそれは 華麗にはばたくチャンス
みんな本気のときが とっても綺麗だから
自信持って クリアしてゆくの
今は眠る 未知のパワー
いつかあふれるわ♪
と同じことだと思うけど、上手く行っているコンサルティング先を見ていると、ここが最重要ポイントだと感じています。
★★★
この本では、最後にドンキホーテの『ラ・マンチャの男』に出てくる『見果てぬ夢』という曲にでてくる、"quest"(宿命、探究)という言葉を紹介しています。
q……questioning 探求の心を持ち
u…… understanding 本質を理解し
e…… evaluating 価値を測り
s…… supporting 他者を支え続け
t…… trusting 自己と他者を信頼する
理想を追求しつつ現実の中で他者とともに実現していくこと、それは、フロネシスの力でもあるわけです。
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サントリー伊右衛門のイノベーション。
「従来の緑茶の製法では、茶葉から抽出したお茶を熱で殺菌するため、ペットボトルが耐えうる85度の高温にして充填し、30分ほど放置する過熱充填が行われている。しかし、85度では殺菌が充分でないため、茶葉にも抗筋力が強い渋み成分のカテキンを多く含むものを使わざるをえない。それに香料を入れたりして、旨みを補ったりしている。 これに対し、完全な無菌ルームで殺菌済みの容器に充填すれば、風味を損なわずに常温で充填できる。何より殺菌のことを考えなくてすむので、どんな茶葉でも自由に使えるという利点がある。ただ、この非加熱無菌充填方式には100億円規模の新たな設備投資が必要なため、どのメーカーもこの方法をとらない最大の理由になっている。
サントリーは 伊右衛門の開発にあたって、この非加熱無菌充填方式以外に考えなかった。また900年に及ぶ日本のお茶の歴史と伝統を表現するため、京都福寿園との共同開発を提案した。 しかし毎年膨大な数の新商品が生まれ、そのうち僅かしか残らない千三の世界の清涼飲料のが世界。 寛政2年の創業以来200年にわたって茶葉にこだわりつづけた福寿園は、うちは事業ではなく家業です。次の代に引き継ぐのが使命で、そんなリスクの高い話には乗れまへん」とそっけなく断られた。」
- シャープ「ヘルシオ」のイノベーション
ヘルシオのコア技術は、実はシャープ内にはなかった。社会に埋もれた知的資産と市場の潜在的ニーズをうまく結びつけたものだった。山口名産の海産物を干物にする乾燥システムが、その埋もれた宝だ。そのシステムは、「加熱水蒸気」を使って、ふぐの一夜干しを、外はこんがり、中はジューシーに焼き上げる。
2000年頃、その焼き加減の素晴らしさに驚いたシャープの研究員が、加熱水蒸気の技術を家庭用の電子レンジサイズに小型化した、ヘルシオを開発する。
加熱水蒸気の技術そのものは、100年前からあった。300度まで水を加熱して、食品に触れたときに水蒸気が冷えて液化するときに発生する凝固熱を利用して調理する。業務用では既に調理に使われていた技術だが、シャープは家庭用にコンパクト化することに成功し、ヒーターを使わず水で加熱する夢の調理器、としてヘルシオを発売した。
ブラウン管の技術を持たなかったシャープが液晶テレビを開発した時と同じく、電子レンジの器官部品であるマグネトロンを外製で買っていたシャープが、マグネトロンを使わない電子レンジを開発する!という全く新しい発想の調理器を実現した。
クレイトン・クリステンセンの「イノベーション」のジレンマによれば、大企業において、水蒸気加熱という”破壊的イノベーション”が生まれた場合、営業部門は、リスクの高い新製品企画を受け入れないことが多い。しかも、外から持ってきた技術である場合、自社技術へのプライドから、破壊的技術の採用には大きな抵抗がある。 大企業の力学を打ち破ってオンリーワンの技術を製品化する企業文化は、すごい。
がんばれ、シャープ!
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経営者のトップダウンではなく、また一研究者の発明でもない、組織としてのイノベーションにらついて書かれた本。大企業(特に日本企業)では、十分な裁量を与えられないままプロジェクトリーダーに任命されることがままあるが、そのような環境下でも周りを巻き込んでイノベーションを起こした人物たちを紹介する。
リアリティに溢れ、大変おもしろい。
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2017.1.20
細かい事例と解説がすごく参考になったが。読み返してみると終始同じことを言っている気が..。
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イノベーションを起こすポイントだけでなく、発案をビジネスとして実現するに至るまでのビジネスマンの作法を論じた一冊。13編の成功エピソードから共通する「知の作法」を抽出。著者の野中郁次郎は一橋大学の教授ということもあり、だいぶ”お勉強”サイドの書き方。専門用語やパターン化に持っていこうというきらいがあり、またその割に”勝負師のカン”が大事と言ってみたり、、実践をイメージしながら読むのは難しかったです。
ポイントは
・顧客ベースの価値を信じ、実現するモデルを共同化し、
・その暗黙知を表出化させ、
・個々の知を連結化し、
・実現を共にするメンバーに内面化(落とし込み)をする。
SECIモデル、というそう。
実現にあたっては、手練手管を使い、最終的に勝ち組になればよし!(マキアベリズム)との考え方。
そもそもイノベーションは千三の世界ですし、、個々の”当たり”のケーススタディよりも、社員が挑戦できる環境の醸成やヒット率の向上策が肝要と、改めて感じました。
読むのであれば、目次〜はじめに、と終章をつまみ読みで良いかと思います。