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紙の本
TRA TIGER TATEISHI SUPER MULTI DIMENSION
著者 タイガー立石 (著)
デジタルなアナログ、道理で不条理、宇宙の果てか、重箱の隅か、空想錯綜、妄想炸裂…。「デジタル・コミック」から「虎の巻」まで、タイガー立石の超絶多次元コミック大全。カラー作...
TRA TIGER TATEISHI SUPER MULTI DIMENSION
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商品説明
デジタルなアナログ、道理で不条理、宇宙の果てか、重箱の隅か、空想錯綜、妄想炸裂…。「デジタル・コミック」から「虎の巻」まで、タイガー立石の超絶多次元コミック大全。カラー作品も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
タイガー立石
- 略歴
- 〈タイガー立石〉1941〜98年。福岡県出身。武蔵野美術短期大学芸能デザイン科卒業。漫画や絵本を手がけるなど多彩に活動を展開。作品に「トトとポンチョ」「とらのゆめ」など。
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紙の本
論理を超越するタイガー立石純度100%の作品集
2022/01/14 15:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AKHT - この投稿者のレビュー一覧を見る
私がタイガー立石氏を知ったのは作品「虎の巻」。ある漫画雑誌に再掲載されたものを読んだのが初めてで、当時まだ幼かった自分はその意表をつく発想についていけませんでしたが、現実と非現実をつなげるその表現法は私の記憶に強烈に残りました。
2021年になり回顧展が行われ、数十年ぶりに氏を思い出し、実は画家やデザイナーでもあったと知りました。展覧会を観た日に書店で本書を購入。
内容は漫画がほとんどで、一部にポスター作品とコマ割り一枚画が載っています。400ページを超える厚い本ですが、残念ながら氏の漫画全作品を載せるには至っておらず、抜粋にとどまる点が惜しいです。ただし、古い作品が多く掲載されており、企画当時はかなり頑張ったのだろうと推測します。
資料としては氏の漫画業を網羅的に収集しており、よくできていると思います。一方、作品集としては編集方針が明確に見えず、祖父江慎による装丁とデザインが優先された感があります(タイトル、目次、天地反転、原稿の白黒反転、カラー印刷部分、しおりと花切れが虎柄、等)。
個々の作品については純粋に好みの問題であり、評価は無用でしょう。
あえて評価を試みるならば、本書の作品を「漫画」と捉えるか「絵画」と捉えるかで視点が異なることに注意すべきです。氏は自身の見ていた世界像を漫画というフレームで表現しただけであり、それは純然たる「絵画表現」であると言えます(実際、氏が漫画を始めた理由は「漫画をポップアートの一種だと認識した」からだと言われています)。本書のタイトルも「TRA=ART」ですし。
氏の作品の特徴である「ナンセンス、非現実性、理非の超越」にあふれる作品群は、漫画と捉えると起承転結の欠如に苦しみますが、絵画と捉えるとその全体像が鑑賞者の知性を強く刺激します。
なお、本書には序文も解説もあとがきもありません。ひたすらにタイガー立石作品を楽しむための純度の高い書物です。