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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2009.12
- 出版社: 日本将棋連盟
- サイズ:19cm/222p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8399-3334-0
読割 50
紙の本
最新の8五飛戦法 (プロ最前線シリーズ)
著者 高橋 道雄 (著)
基本から最新形までよくわかる、指せる! 将棋の面白味がたっぷり詰まった8五飛戦法のそれぞれの局面について詳細に解説。この戦法を指す上で特に重要となる10の局面もピックアッ...
最新の8五飛戦法 (プロ最前線シリーズ)
最新の8五飛戦法
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商品説明
基本から最新形までよくわかる、指せる! 将棋の面白味がたっぷり詰まった8五飛戦法のそれぞれの局面について詳細に解説。この戦法を指す上で特に重要となる10の局面もピックアップする。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ひさびさの横歩取り本
2010/01/28 22:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ココちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
高橋九段が得意とされている横歩取り8五飛戦法の本をついに書かれました。
深浦王位や村山五段による戦法全般の最新定跡を扱った著書に、
8五飛戦法の新定跡の解説はありましたが、
8五飛戦法をメインに据えた本となると、03年の「横歩取り道場・第五巻・続8五飛戦法」以来です。
これほど間があいたのは、8五飛戦法自体がプロ間で存亡の危機にあったからかと思われます。
実際上位の棋士で8五飛戦法を指しているのは高橋九段と木村八段だけという時期がありました。
しかも平成18年の1年間はその高橋九段ですら自信が持てず一度も指さなかったそうです。
本書ではそこまで8五飛戦法を追いつめた新山崎流(第2章・第7項・居玉速攻型)に対し、
8五飛側の勝ち筋を発見し、再び指すことになった事などが定跡解説とともに語られています。
まえがきに「私なりの色をかなり出してみた」とありますが、実際に単なる戦法解説に留まることなく、
新作戦にあっさりと潰されてしまった、実戦でこう指したが後手が忙しい感じがしたなど、
愛用者ならではの視点が随所にありこれが面白く、力の入った1冊だと感じました。
本書の構成ですが、8五飛の初心者からも学べるように意識されています。
まず巻頭に主要10図として8五飛戦法に対する先手の作戦別に局面図とその勝率が載っています。
また、その図から第2章の該当対策の解説ページに飛べるようになっているのですが、上手い工夫です。
本編に入り、第1章「横歩取りの基礎知識」にて8五飛以外の横歩取りも簡単に解説されます。
第2章が「△8五飛の最新定跡」です。
8五飛戦法は基本的には後手の目指す形は同じで、先手の出方や対策次第で戦型が決まる戦法です。
なので項目も先手の対策ごとに分けられています。
▲9六角の変化、中住まい▲3八金型(1)(2)、3筋突き越し型、中住まい▲4八金型、▲6八玉型
居玉速攻型、角交換桂跳ね型、▲8七歩保留型、横歩取りひねり飛車型の10項目が解説されます。
3筋突き越し型や角交換桂跳ね型は、先手も有力のまま流行が下火になった印象がありましたが、
その後の定跡の変遷についてもフォローされています。
また中住まいの項なども(8五飛戦法の中で持久戦に位置し変化が多い)解説されている手順は少なめですが、
本筋をメインに解説し、コンパクトにわかりやすくまとめられています。
どの戦型も8五飛側が簡単に良しとはなりません、変化によっては先手の勝ち筋まで紹介されます。
現実に8五飛戦法は必勝戦法ではないので、高橋九段が「8五飛の最新」を正直に書かれたのでしょう。
ただし、急戦形の対策でも「ページの都合上変化手順を省いた」とあったのは残念な点です。
第3章は「実戦編」、見開きでまず重要局面の丁寧な解説、ここでも対局時の心理なども語られています。
そして参考棋譜のページに総譜と簡単なポイント解説をつけるという形式になっています。
掲載局数が25局と多いので、棋譜を並べて8五飛の感覚をつかむのに非常に参考になると思います。
第2章のほとんどの先手の対策を、実際に経験されているのはさすがという他ありません。
また高橋九段が負けてしまった将棋、さらに先手で8五飛戦法を撃破した将棋も載っていたりします(笑)。
8五飛戦法愛好家やプロ将棋観戦家は「買い」の1冊でしょう。
また「プロ最前線シリーズ」とあるので他戦法での続刊が出ると思われます。
これだけの力作が続くかはわかりませんが、とても楽しみです。