紙の本
エンデからツークンフトへ
2010/06/21 04:24
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青木レフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長い伏線が結実するのは楽しい。心ふるえる。
古くは「気分はグルービー」最近では「ネウロ」「SKET DANCE」で長い伏線が結実するのを見た。不発にならなかった数年越しのアイデアの見事な回収は、長年応援してきた読者へのご褒美であり、何を描きたいか何を描いてきたのか明確な指針を持ちつづけていた作者だけに許された収穫イベントでもある。
「惑星のさみだれ」9巻を読み、続けて1巻を再読した。つまり多くの読者がするであろう行動を取ったが、やはり気付かされる事は多かった。
1巻で示唆されていた主役2人、雨宮夕日と朝比奈さみだれの因縁が9巻で明らかになるのだが、1巻2話の
「信じる信じないを気軽に口に出す奴はキライだなぼくは」
は、9巻55話
「信じる信じないをに口に出す奴は人をだますやつだ」
に繋がる訳か。つまり"行動で人を信じさせろ"という話であり、それが1巻2話のさみだれの行動に通じる、と。
次巻が最終巻。
戦いも佳境に入り、今までのメッセージも再利用され、ますますクライマックス感を強めていくのだが、契約の際の"願い"について9巻はわかりやすくメッセージしてた。
"願い"の有無によりキャラは二分される。雨宮は登場時「平穏と退屈」が望みなので"願い"は無いと言い切る。さみだれも最初、虚無的だ。茜太陽も"願い"を探し続けていた。獣の騎士団の中でそれぞれ陰陽があり、一枚岩でなかった事が今までのストーリーに深みを与えていたのだ。
絵的なことで言うと、ロングの絵が素晴らしい。かつて、ここまで引いた絵を描いた漫画があっただろうか。9巻最後のコマなんか人物全身が小指の爪より何倍も小さいのに絵として完璧だ。このコマの凄さは分かりやすいけど、56話さみだれパンチ後の「倒れる10体目と浮かぶさみだれ」の構図もすでに目一杯に引ききってる。この画力は「ドラゴンボール」が直面してた"強さのインフレ問題"への1つの解答だと思う。山を崩したり、星を潰すほどの力をどれだけのリアリティを持って描けるか、という課題。人間不在で山や星が壊れたら只の"現象"にすぎない。いかに"ロングして人間をフレームインさせるか"、つまり"その力を人に関係させたように描くか"というインフレ問題への解答がここにあるように思う。
56話のタイトルエンドは「ここで終わり、そしてここから始まる」感があり、ぞくぞくする。単行本派だけど、ぜひ掲載雑誌でも読み返してみたい。
バトルも非常にお腹いっぱいでした。9巻が今までで1番詰まってたかも。しかし、服の破れた白道さんはコスプレっぽい。
(投射by 懐柔する怪獣)
紙の本
最終巻より盛り上がってるんじゃない?
2014/08/20 21:09
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投稿者:meru - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変面白かったです。
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どうやら次巻で終わりのようで。まあ、丁度良い長さですねえ。
茜君の願い事が恰好良かった。あとアニマが急に可愛くなった。
アニムスは倒して、さあ次は夕日とさみだれVS獣の騎士団。
今の時点でも良作だけど「傑作」になるかは最終巻にかかってますな。
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2010/05/19
とうとう終わりが見えてきた。
ずっとテンションをさげずに来てるので
ラストまで楽しみな作品。
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惑星を砕く物語、アニマとアニムス・さみだれと夕日の過去編。そしてついに最終決戦開始。
二つの過去編でどんどん伏線が回収されていくのがたまらない。今読むと今までの流れが一本の線でつながっていくかのようでとても心地よい。これを読んでこそ、読者は気持ちよく最終決戦に望める、という内容なのは間違いない。
そして最終決戦。見所いっぱいだけど、個人的には獣の騎士団対アニムスが一番燃えた。個人個人が力を結集してアニムスに立ち向かっていく、その姿がめちゃくちゃかっこいい。太陽の願い事のシーンは迷いながらも決断した太陽がちょっと輝いて見えた。
10巻はいよいよ本当の最終決戦。素敵なラストを楽しみにしたい。
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うーん対アニムス戦はもっと壮絶なものになるのかなーと思ったら意外とアニムスが脆くて、絶望感がいまいちでした。
茜の時空清流があるんだからだれかの腕一本ぐらい吹っ飛ぶかスバルと雪時のどっちかが致命傷を負うまでやってほしかったな だけどそれ以外の泥人形戦、ビスケットハンマー、アニムス覚醒の場面はさすがの迫力でした。
次回ラストらしいので楽しみです
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星を砕く物語9冊目。
アニムス最終戦。
アニマとアニムスのルーツから、泥人形最終戦、ハンマーの破壊を経て、アニムスとの決着へ。
密度濃く、戦士それぞれに見所があり、熱い。
おそらく次巻当たりで最終巻。
ちょうど良い長さの物語で、良い結末を、期待。
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よいです。バトルの規模や演出以上に、みんなの成長ぶりが良いです。いい戦士になったね。
★5でも良かったんだけど、たぶん次でも5を付けることになるだろうから、今回は4で。
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アニマやさみだれの過去話で伏線回収、そしてアニムスとの最終決戦な第九巻。物語は高テンションで爆走中。かなり熱い展開で最終巻が楽しみ。
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ものすごいスケールで描かれる最高のラストバトル。何回読んでも鳥肌が止まらない。実質この巻の後半がアクションシーンとしては一番の山場であるように感じる。もちろん物語的な一番の山場は最終巻である10巻で。
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戦いもついに終盤に!
戦士たちとボス・アニムスとの戦いなど盛り上がってます!
えっ…最後の泥人形こんなにあっさりつぶれんの…って感じは消えませんが!
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なんだこれすごいすごい。
「最終決戦」に向けて「備える」ということをその通りにこなして皆で集まるというのがタマラン、総員で整列とか特に。
今巻になってアニマとアニムス、そして夕日とさみだれの過去が挿入されるんだけどここでようやく敵に納得ができる。
確かにコイツは倒さねばならん、と。
圧倒的な…戦いじゃない、魅力がだよ!熱さがだよぉ!うおおおおお!
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最終決戦。超アツい。
これを読んで思うのはやっぱり「漫画は終わってなんぼ」ってこと。なんてったって一番盛り上がるのは最終局面なわけで、一番の盛り上がりを見せて堂々完結するからこそ名作として語り継がれるんだよ!
蛇足だけど、終わらないでグダクダ引き延ばすだけの漫画は本当に勿体無い。よく聞く「あそこで終わってれば…」の感想の後には「名作になったのに」って言葉が入るわけでしょ。勿体無いね!
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11体目の泥人形が撃破され、昴と雪待、そして夕日によって新たな希望が示された状況。だからこそ、本来始まるのは最終決戦なの筈だけど……。アニムスが最後の泥人形に時間を掛けたために嵐の前の静けさのような時間が9巻の前半では描かれる
その中では良く判らない存在のまま物語の中心に居たアニマとアニムスの過去話も遂に語られる
あまりに強いサイキックを持つために自分を特別だと感じるようになっていたアニムス。それでも一応普通の子供として過ごせていたのは自分と似た存在でありながら、自分を特別と思わないアニマの存在のお陰かな?
でも、その状況も院長先生の一言によって脆くも崩れ去ってしまったのは悲しいところ。神様であるならば人とは違う存在であり、並び立つ誰かは要らない。だからアニムスは地球を壊し、更に過去の地球すら壊そうとする。そこに人間らしい常識はない
そんなアニムスをアニマは止めようとする。でも、そこで常識をかなぐり捨ててアニムスを止めたら、人を辞めたアニムスと同じになってしまう。だからアニマはルールを持ち出した。自分は神様じゃなくて人間だからルールの中で戦おうとする。
その後に描かれるアニマとさみだれの出会い。これは物語初期の頃からあった幾つかの伏線を解明するになったね
自分の病気のせいで家族を苦しめている悪い子だという認識を強く持っていたさみだれ。だからアニマが「願いを叶えてやる」と誘っても何も願わない、望まない。寂しい筈なのに家族を自分のもとに引き止めることも、家族が忙しくなる原因の病気の快癒も望まない。子供離れした子供
そこに現れたのが夕日であったというのは何とも運命的。この頃の夕日は警察官である父親に憧れ大人になろうとする子供。それは割と普通な子供の姿では有るけれど、同時に同年代からすれば頼りになる姿でも有る。
自分の力で自分の憧れる姿になろうとし、時には大人のアニマにも反抗する夕日の姿はさみだれからすれば世界への認識を変えるきっかけになる。何かを欲しいと思う欲求が生まれる
そういった状況が描かれた後に始まるのは最終決戦なのだけど、最終決戦に向かう前の騎士達の様子が情緒に溢れている。最終決戦を行う日であっても、普通に起きて普通に食事をして、明日の話なんかもしてしまったり、道で会えば雑談なんかもしてしまう。
どこか緊張感がないけれど、日常の光景と非日常の最終決戦が分け隔てられたものとして描かれていない様子はとても好感が持てる
最終決戦では難しいことなど何もない
それぞれが培ってきた持てる力の限りを発揮し、12体目の泥人形に立ち向かう。その中で2度も放たれる『流れ星の矢(ネガイカナウヒカリ)』は希望有る明日を引きようせようとする強い意志を感じさせる。特にそれを子供組である昴と雪待が中心になって行うという展開は子供はいつか大人になるのだと伝えてくるようで感慨深い
泥人形を倒し、今度はビスケットハンマーを止めるためにブルースドライブモンスターの中に入った夕日。その中でブルース発動の為の工程がまた素晴らしい
何もない宙空に足を踏み出す確信の力、道中に夕日が拾う過去と未来の自分。それらは様々な過程を経た夕日だからこそ、踏み出し手を伸ばせるもの。その果てにブルースが発動する展開は熱いね
……まあ、さみだれがそれ以上に熱い展開をぶちかますんだけど
泥人形、ハンマーを砕いた後に残るのはアニムスの意志。それを砕くことで悪の魔法使いを倒す物語は終わる
でも、強靭な泥人形を作ってきたアニムスだからこそ簡単に戦える相手じゃない。それこそ死力を振り絞っても足りない
ここで新たな境地に至るのが子供組の太陽であったというのがこれまた素晴らしい!未来を掴むためにアニムスへの反抗を選んだ太陽。彼の成長を感じさせるね
ここまで来れば打ち破れない壁はない。また、それぞれの成長がこれでもかと描かれることで逆にアニムスの子供っぽい面が強調される構図は面白い
子供っぽさを露呈した彼は最後の最後でさみだれを恐れるあまり、詰めを誤る。
遂に倒れるアニムス。ただ、これで物語が終わるというわけでもないのが本作の奥深いところ。
悪の魔法使いから姫を守る物語は終わり、姫が地球を砕く物語が顔を表すわけだね