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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.6 3件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2010.6
  • 出版社: 白水社
  • サイズ:20cm/281p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-560-08066-5

紙の本

隔離小屋

著者 ジム・クレイス (著),渡辺 佐智江 (訳)

「隔離小屋」に置き去りにされた瀕死の女、大陸を脱出して海の向こうを目指す男、二人の愛は冷酷な試練を乗り越えられるのか…?『死んでいる』の鬼才による、「生き延びる」ための問...

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隔離小屋

税込 2,640 24pt

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商品説明

「隔離小屋」に置き去りにされた瀕死の女、大陸を脱出して海の向こうを目指す男、二人の愛は冷酷な試練を乗り越えられるのか…?『死んでいる』の鬼才による、「生き延びる」ための問題作。【「BOOK」データベースの商品解説】

謎の伝染病に冒された「アメリカ」。隔離小屋に置き去りにされた瀕死の女、大陸を脱出して海の向こうを目指す大男。ふたりの愛は冷酷な試練を乗り越えられるのか? 「非情のリアリスト」が描く、荒々しくも清冽な世界。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ジム・クレイス

略歴
〈ジム・クレイス〉1946年英国生まれ。作家。「フィクションの地図作製者」として、世界中から高い評価を受けている。「死んでいる」で全米批評家協会賞受賞。ほかの著書に「四十日」「食料棚」など。

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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.6

評価内訳

  • 星 5 (1件)
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  • 星 1 (0件)

紙の本

疫病が蔓延しライフラインが途絶え、破滅を迎えつつある米国。そのような世界のとある小屋の中で、罹患した女性と旅の先へ進めなくなった男性は出会う。絶望的で無慈悲な状況下、治癒を願い、治療に集中する隔離された空間には、明日をつ待つ可能性が芽生えていく。読後感の悪くない「終末もの」小説。

2010/09/08 15:08

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「世界の終末に置かれた時、どう生きるのか」を問われる人間を書いた小説である。力強い結末が用意されていて、読後感がとても良い。昂揚感があった。

 人類の愚行が招いた地球絶滅の危機――それを想定しておいて、何も不自然に、生き延びる希望の光を残す必要はない。読者だって、そういう期待はしてやしない。終末ものを読むような者は、科学技術や、合理的すぎる物の考え方、社会のありように疑問を感じ、「ああ、あー、やっぱりみんな死んじまうんだな。人間がバカなことばっかりしているから……」という悲観を少しばかり抱いている。自虐的な気分にも浸りたいから、そんなもののページを繰っているわけである。

 そうは言っても、まさしく終末に達しようという最後のページになって、「何だ、ここまで引き摺っておいて、結局、この小説は何を言いたかったのか。ただ、人類を絶望させながら地球を絶滅させたかっただけ?」と、置き去りにされた感を持つこともある。ともすれば不条理な被害者意識に襲われてしまう読み物もなくはない。本当は、最後に「希望」が書かれていることを甘く期待して読んでいたんじゃないか。それが自分にバレてしまい、バツが悪くなる。

 この小説には、読者を置き去りにするのではなく、光が少しでも求められる方へ目を向けさせる結末があった。「希望」を叶えてくれる明らかな恩寵とは違うが、人の意志の可能性を大事に扱ってくれる作家の誠意が感じられた。それを私は、今の自分に必要なものだったとして積極的に評価する。

 人は揺るぎない価値観、絶対的な価値観を持つことなどできやしない。時代が流れ、社会環境が変われば置かれる立場も異なっていく。新たに発見されたり分かってきたりする事実もあれば、絶対だと思っていたことが覆されることもある。
 したがって、拠って立つのに不動の価値観などないし、何かを評じたり論じたりするのに、常に確固たる考え方を示さなくてはならないこともなかろう。もっともそれは、七色変化のその場主義、ご都合主義であって良いというスポイルではなく、自分のアイデンティティにとって誠実で一貫性あるものであるべきだ。

 「今の自分には必要」と述べることに、さしたる重さがなくても、そういう個人的な判断から始めて、本や他の作品についての普遍的価値を探っていくことを「無為」とは思わない。
 創作されたものと「つながっていく」ことが個人にとっては社会性の1つの発現となり、社会にとっては構成要素の一部となる。つまり、「私にとって必要なら、別の誰かにも必要かもしれない。ということは、社会にとって大切な小説なのだ」ということになる。
 そういう価値をあちこちでつぶやくように評じることが、同時代に書く作家にとって、創作の意味づけにもなることもあろう。
 『死んでいる』しかまだ読んだことがないが、ジム・クレイスは、このような回りくどい小理屈を待つまでもなく、現代に必要な作家である。

 『隔離小屋』は、日本ならばかつての結核患者がこもった場所。原題はThe Pesthouseで、セクシーな女性たちに囲まれるPenthouseとのギャップが、ちらと意識されているのだろうか。
 舞台はヨーロッパではなく米国で、疫病が蔓延している。しばらく前の新型インフルエンザ上陸騒ぎで、いざとなったらライフラインが維持できるかどうかが話題になった。本の中の米国はとうに国家としての機能を失い、水や電気、ガス等の供給が止まった世界で、夜の闇はどこまでも暗かろう。
 フォードの代わりに驢馬の引く荷馬車や手押し車が避難のための足となっている。革袋に水を入れ、乾燥した果物や肉を携帯して、人々は旅をする。頼りの道具は火打石に弓矢といった具合で、ペストに見舞われた中世ヨーロッパ世界が重なる。

 海の向こうにはどうやら安住の地があるらしい。しかし、本当のところはどうなのか、情報は人づての噂話だけである。
 かつて西へ西へ、西の海岸までと、ガッツな魂で土地を切り拓いていった人々の末裔は、東海岸から別の土地を目指そうと、傷ついた心身の疲労をいやす暇なく、甘い汁に吸い寄せられる蟻のごとくに東を目指す。

 そういう状況下で、疫病で隔離された中年女性と、歩けなくなった若い男がめぐり逢う。終末を迎えた世界の中、さらに打ち捨てられている隔離小屋という、望みの持てない場所だ。
 そんな最低の場所なら、病状が悪化し、なすすべもなく最期の時へ向かう
女性を看取る男性の話が展開してもおかしくはない。だが、ひび割れたコンクリートのすきまから這い出す緑の草のように、男女の間に清らかな交流が生まれ、やがて2人も東への避難行に加われるようになる。

 2人が後にする「隔離小屋」が題名に選ばれているのが、読み終われば、この小説の大きなもくろみだったと分かる。終末というものが西欧世界においてはどういうものかを象徴するように、ここに出てくる人々は「おお、神よ」と天を仰ぐことはしない。
 しかし、隔離小屋はイエスの生まれた馬小屋のように気高い空間として読んだ者の中に残るし、イエス誕生の物語のように、主人公である女性は処女にして子を得る。
 
 「この物語のあらすじは、ほとんど明かせやしない。書けることが少な過ぎる~」と抑圧された分、最初の方で余計なおしゃべりをしてしまった。
 けれども、原書では同時期に出たというコ―マック・マッカーシーの話題作『ロード』同様に、むごく悲惨な物語のようでいて、「何とかしなきゃならない」という力を得たい時、再び出してきて読みたいと思った。
 そう思える分だけ、この小説は好ましく、私には必要なものなのであった。


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2011/03/31 07:49

投稿元:ブクログ

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2013/05/31 22:20

投稿元:ブクログ

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