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紙の本
湿原 上 (岩波現代文庫 文芸)
著者 加賀 乙彦 (著)
大学紛争が激化した一九六〇年代の終り、謎多き人生を過ごしてきた自動車整備工・雪森厚夫は、スケート場で出会った女子大生・池端和香子に恋心を抱く。T大紛争を巡る混乱の中で、心...
湿原 上 (岩波現代文庫 文芸)
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商品説明
大学紛争が激化した一九六〇年代の終り、謎多き人生を過ごしてきた自動車整備工・雪森厚夫は、スケート場で出会った女子大生・池端和香子に恋心を抱く。T大紛争を巡る混乱の中で、心病む和香子は闘争の有効性に疑問を持ちながら、Y講堂にも出入りする。急接近した二人は六九年二月、冬の北海道への初の旅に出た。帰京した二人は、新幹線爆破事件の容疑者として逮捕される。予期せぬ罠にはめられた二人の孤独な闘いが始まる。【「BOOK」データベースの商品解説】
【大佛次郎賞(第13回)】【「TRC MARC」の商品解説】
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著者/著名人のレビュー
すぐれた長編小説のタ...
ジュンク堂
すぐれた長編小説のタイトルは、非常にシンプルでかつ作品を見事に表現(代表)していることが多い。『湿原』は、主人公雪森厚夫が生まれ育ち、やがて雪森が池端和香子と愛を確かめ合う場所となる根室半島周辺の湿原地帯を直接には指しながら、一見平和な静かなその風景が、実際に足を踏み入れてみると足元が崩れ水底へと吸い込まれ、時には死に至らしめられる危険と常に隣り合わせである事実は、九年もの年月にわたり冤罪事件の被疑者として戦い続けることになる雪森と和香子の運命を、予兆している。そして、下巻において、和歌子に自らのかつての罪を告白するために、幼少から軍隊時代戦後の犯罪者時代までの自らの半生を描いた雪森のノート=「告白」の章を、作者をして「泥濘」と題せしめる。雪森と和香子の出会いの場が、固く凍り人々が自由に動き回ることのできるスケートリンクの上だったことも、そうしたイメージの連鎖の下で、象徴的である。(下巻に続く)