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紙の本
RIGHT×LIGHT 9 終わる宴と緑翼の宣告者 (ガガガ文庫)
著者 ツカサ (著)
獣耳の妹、由衣に叩き起こされて始まる朝。出発の時は尻尾を振られ「いってらっしゃい!」のあどけない声で見送られる、それが僕の最近の学園生活の日常。もはや冬上雪絵にシスコンと...
RIGHT×LIGHT 9 終わる宴と緑翼の宣告者 (ガガガ文庫)
RIGHT×LIGHT9~終わる宴と緑翼の宣告者~(イラスト簡略版)
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商品説明
獣耳の妹、由衣に叩き起こされて始まる朝。出発の時は尻尾を振られ「いってらっしゃい!」のあどけない声で見送られる、それが僕の最近の学園生活の日常。もはや冬上雪絵にシスコンと言われても言いワケの仕様もない秋。学校では期末テストが終わり、毎年恒例の学園祭開催をいよいよ目前に控えていた。学園祭という行事を初めて体験するアリッサは目をキラキラと輝かせている。そんな頃、僕は、クラスで不思議な噂を耳にした。それは拾うと願いが叶うという「光る緑の葉」の噂だった。壮大な神話の歯車が回り始める第9巻。【「BOOK」データベースの商品解説】
加速する魔法少女の恋心。決められない僕。
二学期から転入してきたアリッサも学生鞄にだいぶ馴染んできた9月下旬。放課後、黒板に書かれた文字をアリッサが凝視し、僕に体を寄せて囁く。「ねえねえ、ケースケ。サンヨウサイって何? 面白そうね」“傘陽祭”とは傘陽学園の学園祭。そろそろクラスの出し物を決めなければいけない時期にさしかかっていた。さまざまなアイディアが出されたなかで、アリッサの目を引いたのは「プラネタリウム」。「星空を創れるの? あたしプラネタリウム見てみたい!」教室中に響きわたったその願いの声が届くかのように、圧倒的多数の票を集めて出し物はプラネタリウムに決定した。「ケースケのおかげ。あたしは心からそう信じてるわよ?」アリッサは笑う。「だって好きな人のことを信じるのは、当たり前でしょ?」さらに突然、そう問われて、僕は戸惑い、目を逸らしてしまう―ー―。近頃アリッサは、こんな台詞を唐突に言う。僕の心拍数を跳ね上げる「好き」を繰り返す。これはきちんと答えを返さなければいけない「好き」だ。でも僕はまだ返事をする言葉が見つけられない。もう一人、僕に同じ気持ちの言葉をくれた人――友月未由がいるから……。
世界破局的大展開の魔法物語第9巻!【商品解説】
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紙の本
起承転結の「転」は時に予想を越える
2010/05/26 16:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
本巻はシリーズ全体の起承転結のうち「転」の始まりとのこと。もとより前巻から忍び寄っていた「狙われるアリッサ」、そして本巻の口絵(裏側)の「やっぱり、こうなるのね?」といった予兆に若干気後れしつつ頁を捲ってみた。ところが序盤から中盤、いや、終盤に至るまで、意外にも学園ノリで話が進む。これまた意外にも出番の多かった冬上を筆頭にクラスの面々が学園祭の準備に勤しむ場面や、教会で暮らす鈴ちゃんへの想いを伝えるための部活動までも始めて(ここでも活躍する冬上)、その準備に奔走する啓介達が描かれている。第6巻で期待した展開がここで見られて「うん、やっぱりこういうの、いいな」などと思っていたが、そんな楽しげな状況の背後にもまた何かと忍び寄るモノありなのが本シリーズ。ホントに一筋縄でいかない物語だと改めて思わされるが、学園祭当日になって起こる街の異変とその原因が、何ともやるせない理由とともに現れる。自分の願いが他人の犠牲の上に成り立つ可能性を問う難しい問題がここでも提示されている。こうした、自分が夢想する“閉ざされた”願望に対して未知の世界、未知の体験が新たな幸福をもたらす、その象徴的な一例として人との出会いを持ってくる展開が秀逸だった。しかし、これで終わらないのが「転」の始まりたる所以。最後に展開されるのは希望と絶望とのバトルである。圧倒的アウェーな状況で苦戦する啓介、ピンチを迎えるアリッサ、ウルトさんも友月も例外なく絶望の淵に立たされる。いや、絶望的なのは啓介ただ1人なのかもしれない。これまで希望を糧に耐え忍び、乗り越えてきた試練、その経験が活かされず根絶される絶望感を味わう、その一歩手前で訪れる急展開に今後の不安と一抹の“希望”を見出したい引きとなっている。今いる場所と、変わってはいないが“変わり果てた”由衣の姿に何を思う、啓介?