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終戦間近
占守島での戦い
「おめでとう」という
欺瞞に満ちた言葉が痛ましく
プロパガンダにされた
「聖戦」という言葉が哀しい
戦争が終わっても
失ったもの
過ぎた時間は戻らない
「敗戦が悲劇ではなく
国民の意思にかかわらず
戦が始まり
それを国民の意思として
断定したあげく
敗けた・・・
勝手に戦い
勝手に負けた・・・」
こんな言葉が印象に残った
戦争は外交手段だとは
言ってはいけないように思う
戦争は全ての人に
悲劇をもらたした
そう感じた
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まだるっこしい展開。
読んでて先が進まないのにはちょっとイラチョでシタ。
だけど歴史というものは
ひとりひとりの個人の生きざまの集合体でもあると思うので
ひとりひとりのお話を丁寧に読んでしまったデス。
なんだかんだ言って私、
そう言うお話が実は好きなのかもしれないデス。
バガボンドとかもすっげ好きだし。w
ということで下巻へGo デス。
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非常にいいけど、下巻は場面転換が多すぎて少し辛い。他の作品なら一気に読めるけど、今作はテーマが重いのもあってか…
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終戦間近の日本が舞台。
それぞれの人生を送ってきた人々が、終戦直前の召集令状によって理不尽にも集められ、それぞれの人生を背負いながら戦地へと出征していく。
残った家族の事や、それぞれの人の細かな描写とともに、有無を言わさない赤紙による、本来ならもう出征するはずもない状況の人逹がそれぞれの理由で北海道の最北端へ。
英語の出来る編集長だったあと数日で出征はしなくてよくなるはずだった片岡。
身長も視力もほとんど招聘される基準を満たさず、医学を学び人々を助けるために大学の研究室で学んでいた菊池。
二度の戦地で勲章まで貰ったが指もその戦争で引き金を引くものさえなくなっていたが、荒くれ者の彼を母だけ残して本来なら3度目の戦地などないと思っていたのにかり出された富永軍曹。
この三人が下巻ではどうなるのか!?
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“終わらざる戦争”を突きつける65年目の夏《赤松正雄の読書録ブログ》
新幹線車中で、久方ぶりに涙が留めなくでる羽目になった。浅田次郎『終わらざる夏』の下巻、それもほぼ終わりに近いところで。学童疎開先の信州から親に会いたい一念で逃げてきた6年女子と4年男子の二人。苦難の道すがら偶然知り合った博徒との珍道中。挙句の果てに親子再会。この場面ともかく泣けて仕方なく、あたりを気にしつつ頁を繰った。
昭和20年8月15日―終戦の日。しかしそれから約10日間。戦闘は終わらなかった。どこで?いわゆる北方4島の遥か先、千島列島の最先端にある占守島が舞台。相手は米国ならぬソ連。日ソ不可侵条約を反故にし、襲い掛かってきたのは北方の熊だった。この小説は著者が着想から30年温め続けてきた。奥行きの深さと構想の重さが伝わってくる。
戦争を憎み平和をあくなく求め続ける浅田次郎さんの「人間の本質に迫る戦争巨編」という謳い文句だが、いささか構想倒れではないかと思われることは指摘せざるを得ない。前半しっかりと広げたのはいいが、後半はその決着もそこそこに、脱兎のごとく端折った感が否めないのである。もう少し、戦闘場面を書き込んでもらいたかったし、最末尾のヘンリー・ミラーの詩も唐突すぎる気がする。
ではあるものの、この本が持つインパクトは喩えようもなく大きい。ソ連はこの“終わらざる夏”以降、北の日本の島々から出て行こうとしないし、そして南の沖縄は米国から返還されてはいるものの、実質的には占領下と変わらぬ側面も。改めて戦争は終わっていない、あの夏は未だ続いているとの思いが我が胸に深く漂うのをいかんともし難い。
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読中涙 が読了乾き期待はずれとなった
もっとソ連の非道暴虐を暴き帝国陸軍による国土奪還、ロシアを千島列島から追い出す気運を盛り上げるべし
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ちょうど終戦記念日前後に読んでいたので、テレビでいろいろ戦争に関する情報を得ながら読むことが出来ました。
終戦間際の日本。輸送船もなく本土戻ることも出来ずに、北方領土に残された日本軍有数の兵士と兵器。
広島に新型兵器も使用され、ソ連軍も条約を破り宣戦した中で、日本の敗戦は目前となる。
そのことを予期したとある将校が、敗戦後の日本を危惧して、きちんとした「終戦」を迎えるべく、一人の男を招聘する。ただし、誰にもばれることなく事を成さねばならない。果たして、その男を無事北の孤島に連れてくることは出来るのか。
上巻では、登場人物それぞれの人生や、戦争と言う悲劇が読み取れます。
早く下巻読もう。
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第二次世界大戦末期。
ドイツが降伏しただ一国、世界中を敵に回し無理な戦を勧める日本。
一億玉砕、本土決戦が叫ばれる中、多くの若者が戦地で命を落とし、
とうとう要衝の要・沖縄も陥落した。
誰の目にも敗勢が濃厚な中で兵役年限は45歳まで引き揚げられた。
翻訳出版を生業としていた出版社の編集長・片岡の元に、
岩手の兄の元から電報が届く。
「赤紙キタ、スグ送ル、七月十日十三時、弘前着」
届くはずのない赤紙が、千島列島という遙か北の島に連れ去った。
秘密裏に降伏後の通訳要員として。
そんな終戦間際、突然一方的にソ連が宣戦布告・・・・。
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8月15日が終戦の日だということはもちろん知っている。
でもそのあとに始まった戦争があったことは知らなかった。
この作品はその知られざる戦争にスポットを当てながら、それに至るまでの第二次世界大戦末期の日本の姿をいろんな登場人物の視点から語られる群像劇。
淡々とした語り口ながら浅田さんならではのピンと背筋をはったような男の矜持を感じさせてくれる文章。
普通に暮らす人々の自由を根こそぎ奪ってしまう戦争というものの理不尽さ、やりきれなさ、悲痛な思いがひしひしと伝わってきて下巻へと続く。
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よくある戦争話ではなく。
戦争という時代の流れに飲まれてしまった、人々、一個人を通して書いてある作品。壬生義士伝にも通じるところがある。
終戦近くになって、誰もが「もうやめたい」と思っていたり。死と仲良しになる「人間が壊れていく」様子が描かれていて、本当に悲しくなった。本当に避けられなかったのかな。どうすれば避けられるんだろう、そんな風に思いました。
まだ占守島での話はあまり出てこず。
下巻に期待!
読み応えがありすぎて、さらさら読めません(笑)
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戦争の悲惨さ惨めさ理不尽な国の行いを分かりやすく小説にしてくれた 駅員で見せた奇跡の出来事も隠しネタに使っており流石だなと思った 自分もこのような人の感性に訴えられる小説を書きたい
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あまり知られていないポツダム宣言受諾後の1945年8月18日に始まった千島列島最北部の占守島における日本とソ連の戦いを最終的な題材にしている小説です。
赤紙により召集された男たち、残された妻・母親・子供たち、動員計画を策定する高官や末端で赤紙を届ける役人たち、相手の兵士、それぞれが戦争遂行に疑問を持ちながらも、翻弄されていく人生が描かれています。
貫かれているテーマは、戦争の理不尽さに尽きます。
戦争を語る時、犠牲者の人数のみが着目されますが、この小説では、その一人一人とその家族にそれぞれの人生があったという当たり前のことを再確認させてくれます。
疎開児童の場面は電車の中で涙ぐみながら読んでいました。
周囲にも勧めたい大作です。一読すべき小説です。
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1945年8月15日―戦争が、始まる。
東京の出版社に勤める片岡直哉は翻訳の仕事をしていた。
現在は第2位次世界大戦開戦のため、検閲の仕事に携わっている。
いつか平和なときが戻れば、ヘンリー・ミラーの『セクサス』を翻訳出版することが夢だ。
しかし45歳という兵役年限ギリギリになって、赤紙が届く。
敗戦を予見した大本営が、和平交渉の通訳として秘密裏に選んだのだ。
そして片岡の召集のカムフラージュのため、あと2人の「特業」要員も召集された。
志高き医学生の菊池。
熱河作戦と北支戦線で武功を挙げ金鵄勲章を賜り、今度が4度目の応召となる鬼熊軍曹。
送られた先は千島列島最北端、占守(シュムシュ)島。
浅田さんの新刊は、着想から30年という著者渾身の戦争モノ。
降伏ギリギリになって始まった、樺太のソ連侵攻は知っていましたが、千島列島・占守島でも戦っていたとは知りませんでした。
日本の敗戦がほとんど決定的となっていた時の、相互不可侵条約を一方的に破棄しての火事場泥棒的なソ連の参戦には嫌悪感や怒りしか沸いてきませんが。
それ以上に外道な、降伏後の戦闘。
戦っていたものが続いたのではなく、全く新たに始まったのですから。
しかしそこは浅田さん。
いつ戦闘開始になるんだろう?と思っていたら、その描写はほんのラスト数ページでした。
ほとんどのページで描かれているのは市井の、生身の、普通の人たちです。
片岡、菊池、鬼熊の周囲の人物はもちろん、疎開している片岡の息子・譲と、一緒に疎開先から脱走してくれる少女に、その脱走中に出会う人々などなど。
その中でもさすが!と思ったのは、赤紙を書き、配達する人の辛さを描いた点。
舞台となった地方ではほとんどが顔見知り。そこへ配達される赤紙。
本当にやりきれなかっただろうなぁ。。。
でも全体的にかなり抑えて書かれている気がしました。
その気になれば、めちゃくちゃ泣かせることができたと思うのですけど。
今回はそうではなく、戦争ってなんだ?ということがメインだからでしょうか。
おかげさまでいろいろ考えさせられました。
それでもやっぱり、占守島の精鋭たちは無念だっただろうなと思わずにはいられません・・・。
そしてラスト。タイトル通り、いまだ続いている「夏」。
やっぱりやられました。
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それぞれの心情が…。幸せな時を知っているだけに。
作品の紹介
第二次大戦末期。「届くはずのない」赤紙が、彼を北へと連れ去った―。北の孤島の「知られざる戦い」。あの戦いは何だったのか。着想から三十年、著者渾身の戦争文学。
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国家とは何なのか?
人の集まりが国家を指す訳ではない。
でも国家は人がいなければ存在しない。
国家と国家が究極の外交手段として戦争を始めてしまえば、そこに人は存在しなくなる。
各自が描いた夢や希望も、堅実に築いてきたそれまでの人生も全てすぱんと断たれてしまうのだ。
学はなくても本能で戦争の行為の虚しさ、愚かさを感じ取る鬼熊軍曹の悲痛な叫び。
ロシアと日本の戦争に翻弄され、生地を奪われいくつもの名前をもつヤーコフ、彼が語るアイヌの謙虚な生き方。
鬼熊軍曹より数年早く生まれ、視力が悪いがために鬼熊軍曹と違い戦争とは無縁の生活を送ってきた片岡。
自らが信じる医者の信念を曲げずにいたために軍医にしょっぴかれた若き菊池医師。
今後彼らの運命は占守島でどう交わるのだろうか。