流水家の食卓 インド式のススメ （Ａｋｉｔａ Ｅｓｓａｙ Ｃｏｌｌｅｃｔｉｏｎ）

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投稿者：蜜香　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　＜　インド人と日本人の夫婦の家の食卓って、どんなんだろう?　＞ 、手にとって見たら、インドの“スパイス”に味付けされた？　流水家のエピソードには笑いがつきないものばかり。何よりも、全ページカラーなのは嬉しい。インドカレーの複雑な色合いも出てわかりやすいし、外国人も登場するが、肌の色もわかる。国際結婚は、食べ物に苦労したり大変そうだが、インド人はヒンズー教徒だから牛を食べないというサッシー（著者のインド人の夫）だけど、肉好きの子どものためにステーキ屋さんに連れていくエピソードも面白い。食卓事情や、子育て事情など、共感できるシーンが満載。面白すぎるので、立ち読みはやめたほうが懸命かも。

　流水家は、＜偏食家族＞。とくに、著者は、問題児。漫画家で生活が不規則という言い訳のもと？　料理はほとんど作らない（お母ちゃまとサッシーが作るから）うえ、好き嫌いが多く、肉、魚介類はダメ。でも、ギョーザ、ハンバーグはOKで、魚は、生はダメだけど、焼き魚はOKという、かなりの偏食人である。刺身のツマと野菜が大好きな“エセベジタリアン”。料理のセンスがないというものの、自分の好きなサラダは、腕によりをかけて、センスよく美味しく食べられるように調理（飾りつけ）することもできる。　　
　【究極サラダ】では、唯一のレシピ？　自慢の一品《流水家究極のぜいたく★飽食サラダ》を披露してくれる。材料は人参、アスパラガス、ブロッコリー、サニーレタス、ヤングコーン、ミニトマト、豆腐、コーン缶、マッシュルーム缶、さけるチーズ、カニカマ、ブロッコリースプラウト、ブラックオリーブ、ケーパーズ、とびの子、「流水風タルタルソース」という、豊富な食材の豪華なサラダ。凄い・・・“いつか”真似してみようっと。
　サッシーの大好物《ケララ風　インド・カイパッキャ炒め》（ニガウリ炒め）をレシピ参考に作ってみた。ニガウリ（たまねぎやナスなども適当に入れていい）、黒マスタードシード、しょうが、塩、ターメリックを用意して、ニガウリは塩と一緒に茹でておき、あとは、炒めていくだけという簡単なもの。主人に、酒の肴の一品に出してみたら喜んで食べてくれた。もう一つ、無性に気になっているのが《ケララのバナナチップ》。うす塩味でココナッツオイルで揚げてあって、流水家が、美味しくってやめられないお菓子。インドにも＜かっぱえびせん＞のようなお菓子があるのね。
　人情味溢れる家族の絆、活発で思いやりのある子どもたち。お母ちゃんは、山椒のようにピリリと引き立っていい味を出している。インド人夫、サッシー（糖尿持ち）は、料理のアイデアとセンスが抜群で、マイペースな良きパパ。そんな、サッシーのインドカレーは、本当に美味しそう。東京で「南インド料理店」をやっているそうだから、東京に行くときがあれば、是非、立ち寄ってみたいものだ。