紙の本
ひとりぼっち?
2016/08/05 23:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもひとりな5歳児まつりちゃん。
虐待ものを最近読んだせいか、子供を一人きりにするのはいくら事情も愛もあっても虐待に入るのでは…とちょっと思ってしまった。いえ、家族が早くいっしょに暮せればいいなーと祈ってはいるけど。まつりちゃんはすごくいいこだけど、いいこすぎて、どこか壊れてしまっていないか心配になる。まあ現実にはまず5歳児がこの状況でこうあれるのは不可能でしょうけど。話として読む分にはあたたかさを感じよかったです。
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いつも一人でいるちいさな女の子。ふと気付くとそばにいて、堅くなった心にちょっとだけあったかいものを吹き込んでくれるふしぎな子、まつりちゃん。お互いに関わりがない人たちが、まつりちゃんでつながっていく。そしてみんながなんとなく幸せになる。読んでいる私までも。
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岩瀬成子さんの文章は、なんて透明感があるのでしょう。
この本も。
まつりちゃんに関わる、いろんなキャラのお話が、短編集のようでもあるのだけど、ラストの「アリさん」が好きです。
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ひょっこり現れる、えらく礼儀正しい女の子。
男の子の前、女の子の前…子供だけが気がつくのかと思ったら
ちゃんと大人で気がついた人もいました。
それまでは、てっきり座敷わらしの類かと…w
大人になると、うっかりと忘れそうになる子供の気持ち。
そうそう、と頷いてしまうような感情がここに存在して
懐かしいような腹立たしいような、そんな事を思い出させてくれます。
そんな子供たちの視点からばかりだったので
あちらこちらに現れる子供? と思っていたら
読めば読むほど、皆様ご近所様。
あれ? と思えば、突如として見えてくる現実。
あぁなるほど…と納得してしまいました。
どうりで、礼儀正しいと。
子供の主張視点から、大人の都合視点へ。
本人が幸せだ、と思う事が大切です。
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児童文学とは。。驚き。
新聞の夕刊に佐藤江梨子がコラムを書いている。
多分週1かな。
見つけたときに読む感じなんだけど。
そこで、サトエリが紹介していた本だった。
まつりちゃんは一人ぼっちの子どものところにあわられる。
なんだ座敷童子みたいじゃん、と思ったけれど
まつりちゃんは人間だった。普通に。いや、普通ではないか。
ちょっと心温まって
ちょっと郷愁を帯びていて。。。
死ぬことをかんがえているんじゃないかと思わせる背中と、
生きよう、何とかして、と思っている人の背中は、似ている。
という、印象的な一文に感動しつつ。
児童文学ってすごい。と思うあたし。
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・・・ひとりで住んでることは秘密です・・・
その女の子はいつもひとりだった。コンビニの前。公園で。商店街で。小さな家のカーテンのかげに。この子は本当に存在するのかな?幻?と思わせる前半から一転、まつりちゃんの身の上が気になりはじめて・・・。大人の事情の中でまっすぐに生きるまつりちゃんが、まわりの人々の心に届けるぬくもり。けなげだけど可哀相じゃない、ちいさなまつりちゃんの物語。
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なんかよさげだったので
楽しみだったけど
そうでもなかった
けどまぁ楽しかった
丁寧語で話す可愛い5歳の女の子
っていうだけで(*⌒-⌒*)
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児童向け童話のような体裁で、読んだ後で何かほのぼのした気分になる。それは、「まつりちゃん」という名の小さな女の子が話す詩人のような言葉のせいかもしれない。屈託のない話しぶりと持って生まれた親しみやすさで、誰とでも仲良しになれそうでいながら、とても用心深く生きている「まつりちゃん」。 全部で8編の物語からなる連作短編集だけれど、ひとつひとつの物語はそれぞれ独立している。どの話も違う語り手が主人公だけれど、誰しもまつりちゃんと知り合うことで、なぜかそれまでとは違う自分へと変わっていく。まつりちゃんはあくまでも脇役だ。でも、閉ざされた家に人目を避けて暮らしている暗さが時おり窺えて、後半に向かうにつれ謎が深まる展開。そして、小さな町の片隅で起きている不幸に次第に焦点が合っていくところはさすが。 架空の町で起きる寓話めいたやり取りの中に、岩瀬さんらしい狙いで現実社会の厳しさを投影させている。いろいろ考えさせる内容で不思議な読後感が残る。
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久々の児童小説。表紙もかわいらしいし、何よりよく読んだ「理論社」なのが決め手。(最近倒産しちゃったそうで残念…)はじめは、ふしぎな女の子である「まつりちゃん」が、さまざまな登場人物によって語られていく中で徐々に輪郭がはっきりとしてきます。その過程でのそれぞれが抱える想い、それとまつりちゃんへのあたたかなまなざしに読んでいてほっとさせられます。
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最初、まつりちゃんは夢のような空想の人物だと思っていたら、途中でいきなり現実にひきもどされた。
借金取りに追われていたなんて。意外性のある展開だった。
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絵本のような可愛い挿絵とまつりちゃんという不思議な存在から、ファンタジーをイメージしていましたが、読み進めるうちにまつりちゃんの身の上がわかってきて、これは大人の物語だと思いました。まつりちゃんを囲むたくさんの人々。殻に閉じこもる心が不思議と開かれていきます。様々な人の物語がまつりちゃんを真ん中に繋がっていくのが好きです。子供向けにしては視点が大人過ぎる気がして引っかかる部分もありますが、こういうタイプの本もあっていいなぁと思いました。
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まつりちゃんがかわいらしい。最後の方まで、まつりちゃんの周囲の人からの視点だからか、なんだかほんわかとした暖かい気持ちになった。
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どこかしら屈託をかかえた子どもや大人の前にふっと現れる小さな女の子・まつりちゃん。 彼女と時間を過ごした後には、なぜか優しい気持ちになっている自分に気づくという…。 まつりちゃんって誰なの? .
生きるってことは、子どもにとっても大人にとっても、そんなに簡単なことじゃないんだよね。
あれこれ気持ちに引っかかることはあるし、思うようには毎日が進んでいってくれない。
それでも大人は自分であれこれ動いてみることもできるけど、子どもは大人の論理で訳もわからずにあっちへ行ったり、こっちへ来たり、とうん、わかるよ、と言いたい子たちが出てきてね。そして、子どもはまた自分の気持ちをしっかり言葉に表すだけのボキャブラリーを持たないのが辛いところだなぁ、とも。
そんな寂しかったり、苛立たしかったりしている子どもや大人に、ぽっと温かい何かをくれるまつりちゃん。
まつりちゃんの丁寧な言葉使いがとてもいいです。きっとゆっくり、思ったことだけをしゃべっているんだろうな、と、まつりちゃんの眼差しや小さな手までが見えるよう。
また、
「乾いた声で「まだ飲むんですか」」 というお母さん、 とか
「「きみね、もう少しきちんとしたらどうかな。髪の毛とか、着るものとか。」~」
なんて言いながら、
「父はまた自分の部屋に入り、ギターを弾き始めた。父は台所に酒を作りに来て、ちょっとぼくのそばに来ただけだった。」
というくだりには、巧いなぁ~~と。
父親がいかに家族に参加してないかよくわかるし、それを息子がしっかり理解しちゃってるところも。
幼稚園の時は気もちが曲がってばっかりだった。
かみの毛を短く切られたときも、クレヨンが折れたときも、廊下がぬれてソックスがぬれてしまったときも、気もちが曲がった。小学一年生になったんだから、もう気もちが曲がらないようにしようと思った。
と、自分の気持ちを持て余す女の子にも、あぁ、そいうことってあったよね、なんでそんなことでへそ曲げるの?めんどくさい子だね、なんて言われたりして。
ネタバレです。
私、まつりちゃんって、最初はこの町の神社の化身OR 御使いなのかな、って思ったんだけど。
お父さんが大きな借金を作ってしまい、そのためにお母さんとは偽装離婚。お父さんは遠くの工事現場に働きに行っていて週末しか帰ってこれないからまだ本当に小さいのに1人お留守番をしている女の子だったのでした。
町の子どもや大人の目線で一つ一つのお話が進んでいき、徐々に謎が明かされる展開も好ましかったし、何より、抱えているものはなくならないにしても気持ちが落ち着いてくる人たちが嬉しくて、気持ちよく読みました。
まつりちゃん、もうすぐお母さんやお父さんと一緒に暮らせるよね。
暮らせますように!!
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「まつりちゃん」というタイトルを聞いて、どんな話なんだろうと思った。
この話は、まつりちゃんをめぐる、人と人とのかかわりのおはなし。
ちょっと不思議な女の子、というイメージから、話が進むにつれ、
まつりちゃんがどんどん明確になっていきます。
人との距離感だったり、自分の気持ちのあり方だったりを見つめさせられる本です。
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装丁と中のイラストがかわいらしく、まつりちゃんとその周りの静かでゆっくりとした雰囲気がよく伝わる。
各編で主人公が変わっていく。
年代も性別もバラバラで、彼ら自身の言葉で文章が紡がれて行くので、児童には読みづらいのではないだろうか。
児童文学だけれど、ハイティーン世代向けな印象を受けた。
各編の主人公たちの心情はとても繊細に描かれていて、心に何かしら悩みやしこりを持った人にとっては、とても共感できる部分があると思う。
だからこそ、小学生ではなくて、思春期以降の世代に読んで欲しい。
最初はまつりちゃんは座敷童のような、幽霊のような不思議な存在として登場するが、各編の主人公との関わりが表現されていくにつれ、まつりちゃんがどのような存在であるのかが判明していく。
まつりちゃんを取り巻く家庭環境の詳細が明らかになるシーンでは、どんどんテンポが良くなってページを捲る手も早くなるが、まつりちゃん視点の編が展開されてから急にテンポが悪くなり、終着点もはっきりしないイメージ。
この文章が岩瀬さんの本の特徴であるかは、私はまだこの一冊しか読んでいないのでわからないが、児童文学としては、個人的にもう少し明確なオチが欲しかったところ。