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紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:29,700円(270pt)
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商品説明
生涯、持続的に詩を書き続けながらも、評論、エッセイ、翻訳などにも多彩な才能を発揮し、多くの人に愛された田村隆一の全集。3は、詩集「5分前」「陽気な世紀末」のほか、散文を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
5分前 | 11−99 | |
---|---|---|
陽気な世紀末 | 101−153 | |
奴隷の歓び | 155−200 |
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紙の本
詩を以て詩に応える
2011/04/25 20:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
深い海の底で、もう一度桜を見たいねという声がした。
朝はコーヒーとトースト、昼は「笑っていいとも」を見ながら生協の関西風キツネうどん、夜は肉じゃがとご飯とみそ汁とデザートにイチゴを食べて、の寅さんの映画を一本見てからお風呂に入り、「いろいろあったけど、今日もなんとか一日終わったね」などと言いながら、親子三人枕を並べて朝の七時までぐっすり寝ていたかったという声も確かに聞こえた。
私には今日もいろいろあってそれなりに楽しかったが、そのいろいろが突然無くなる日が誰にも訪れると改めて知った。
しかし波一つない海岸には大きく傾いた一本の松の木だけがしきりにそよいでいるだけ。神の不在は、いつまでも続くのであるか。やはりこの世には神も仏もないのであろう。
四月は残酷な季節。太陽が宙天に達した頃、カワナゴの大群が少女たちの黒髪の林を潜り抜けていく。
憂いつつタンポポの道歩みたり 茫洋