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紙の本
そうざい料理帖 巻2 (平凡社ライブラリー)
著者 池波 正太郎 (著),矢吹 申彦 (料理相伴),平凡社 (編),高丘 卓 (編)
池波正太郎の酒と食の道楽は、小学校時代にまでさかのぼる。本書はその道楽作法を、作家のエッセイに学びとり、包丁さばきを盗み、さらにその江戸・東京の味を相伴しようという虎の巻...
そうざい料理帖 巻2 (平凡社ライブラリー)
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商品説明
池波正太郎の酒と食の道楽は、小学校時代にまでさかのぼる。本書はその道楽作法を、作家のエッセイに学びとり、包丁さばきを盗み、さらにその江戸・東京の味を相伴しようという虎の巻。四季折々の味が愉しめ、即席食通、にわか料理自慢になれる、本邦初の酒食料理帖の巻二。【「BOOK」データベースの商品解説】
作家・池波正太郎の食日記や食エッセイから厳選したメニューをイラストで再現し、作り方を指南。巻2は、オムレツ、チキンライス、コロッケ、すき焼きなど、「昭和の味のする献立」を紹介する。〔「池波正太郎のそうざい料理帖」(2003,2004年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
池波 正太郎
- 略歴
- 〈池波正太郎〉1923〜90年。東京生まれ。読売新聞社の演劇文化賞に戯曲作品を応募、「雪晴れ」で入選。新国劇の脚本・演出を担当。「錯乱」で直木賞受賞。他の著書に「鬼平犯科帳」「剣客商売」など。
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紙の本
自然体の「ツウ」の世界
2011/01/26 00:12
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikimaru - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻二と名がついているが、巻一とは内容も雰囲気も異なる。必ずしも順番通りに読まなくてもいいだろうし、巻一よりおもしろいと感じる人もいるかもしれない。こちらのほうは、やや「惣菜」を離れて「ツウ」の世界にはいっている印象であり、そういう意味では書籍名に即しているのは巻一、ということになるだろうか。
昭和の味を主要テーマとして、江戸から受け継ぐ日本の味や、有名店のいわゆる「洋食」(もしくはフランス旅行で知った西洋の味)、そして著名料理人との対談形式で、鮨、天ぷら、すき焼きなどを語る。この対談がもう、言いたい放題である。
ところどころは「いたいた、こういう昭和なこと言いまくるオヤジさんたち」(対談は昭和なのだからあたりまえだが)と、その頑固さと古くささを懐かしく思うのだが、現代にこそ伝えたい道徳や戒め、食べ物屋での立ち居振る舞いで何がみっともないかといった大切なことも多くあり、軽く流してはならない。
だいたいの内容
++++++++++
○ 明治・大正・昭和の味
江戸前酒肴、鰻、握り鮨、昭和の汁粉屋
○ むかしのホテルの味、レストランの味
トロワグロ、プチホテル、フランスの田舎で老マダムからふるまわれたオムレツ
○ 食通がうなる味(対談形式)
鮨と天ぷら、ビフテキやサンドイッチなどの味自慢、すき焼き
++++++++++
これまで著者の別のエッセイで銀座の資生堂パーラーについては目にしてきたが、この巻でもP.119から描かれている。知人の井上くんとよく通ったのがその店だったのだ。そして今回は、同店でギャルソンをしていた山田くんという少年が出てきた。初めて店で対面した当時は著者も少年であり、おそらく山田くんより一、二歳年上であったとの描写がある。
銀座を一年ほど離れて店に顔を出せずにいる期間、この山田くんは退社していた。次に出会ったのは、太平洋戦争での海軍だった。わずかな立ち話のあとで、分隊の名前だけ交換して別れたが、たがいに訪ね合うことはないまま、長い月日が流れたという。この章の冒頭にあった「もし生きているなら」という言葉は、そこにかかっていた。戦争や大きな災厄を知らずに育った年代には、そのさらりとした表現の裏にある重いものを、想像する機会すら少ない。
もう少し長生きをして、もっとたくさんの文章を残していただきたかった。