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商品説明
神や巨獣が山を蹴裂き、湖水を沃野に変え、日本の国は始まった…。環境と共生する国土開発の姿を求めて、北海道から九州まで列島各地に残る古代の国づくり伝説を探訪する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
上田 篤
- 略歴
- 〈上田篤〉NPO法人社叢学会副理事長。建築学者、宗教民俗学者。「日本人とすまい」で日本エッセイストクラブ賞受賞。
〈田中充子〉京都精華大学教授。国土史専攻。著書に「プラハを歩く」など。
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書店員レビュー
豊葦原瑞穂国と呼ば...
MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店さん
豊葦原瑞穂国と呼ばれる通り我が国は低湿地から成っていた。そこで神々が湖沼や河川の山や大岩を蹴破って国土を切り開いたというのがいわゆる「蹴裂伝説」(けさき、けさけ、けりさきなどと読む)である。
本書は学芸出版社「日本人はどのように国土をつくったか」において著者が提唱した地文学、すなわち土地の神々を調べることで神と人共同の国づくりのさまを研究しようという学問を実践したものである。民俗学的アプローチよりも地理学・土木工学の観点が重視されながらも各地域の開発の歴史がより理解できる。甲府盆地において信玄堤より前に縄文期ころから受け継がれたものなどという指摘は実に興味深い。他にも阿蘇カルデラや湯布院、各地の盆地に残る伝説と実際の成り立ちの関係性は様々な示唆に富んでいる。
歴史学・考古学のみならず自然科学的視点とあわせて検証することで、日本の国土開発が西洋的な支配的・破壊的なそれでなくむしろ共生的な側面を強く持っていることが強調されている。各地の行政がおこなう事業が見直されつつあるが、経済性だけでなく歴史を踏まえた上で環境や地域性に根ざした再検討を期待したい。
MJ梅田店 理工担当 D