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紙の本
赤毛のアン 新訳 (集英社みらい文庫)
著者 モンゴメリ (作),木村 由利子 (訳),羽海野 チカ (絵),おの ともえ (絵)
孤児院から男の子を引き取るつもりで駅まで迎えに行ったマシューを待っていたのは、赤毛でやせっぽちの少女、アンだった。空想が大好きで、しゃべりだしたら止まらないアン。たくさん...
赤毛のアン 新訳 (集英社みらい文庫)
新訳 赤毛のアン
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商品説明
孤児院から男の子を引き取るつもりで駅まで迎えに行ったマシューを待っていたのは、赤毛でやせっぽちの少女、アンだった。空想が大好きで、しゃべりだしたら止まらないアン。たくさん失敗しながらも、いきいきと成長していくアンの姿を、カナダ・プリンスエドワード島の美しい自然とともに描く、世界的ベストセラー!カバーイラスト=羽海野チカ、新訳=木村由利子で贈る永遠の名作!!小学中級から。【「BOOK」データベースの商品解説】
たくさん失敗しながらも、いきいきと成長していく赤毛のアン。アンが学院を卒業するまでの少女時代を新訳で描く。レイヤー・ケーキのレシピも収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
騒々(想像)しい女の子の成長物語は、子育ての参考書にもピッタリ?
2011/07/19 16:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:書痴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな翻訳に関連本、映像やアニメとビジュアル化にも恵まれた『赤毛のアン』にあって、本書を選んだきっかけは、やはり、何といってもカバーイラストを飾る羽海野チカさんが描いたアンでした。
文中のイラストは、残念ながら羽海野チカさんではなく、別の方が担当されていますが、羽海野チカさんのコミカルでかわいらしい作風を損なうことなく、慣れ親しんだ登場人物やシーンを見事にイラストで表現されており、良かったです。
アンの努力や友情、前向きの人生観に、少しのやっかみを感じる事もありますが、それでも、好きな作品だと思えるのは、アンを含めた登場人物の言動や心理描写に、ハッとさせるものが多いからです。
「アンの部屋は基本的には初めのころと変わっていなかった。壁も相変わらず真っ白だ。だが部屋の性格はまるで変わり、新しい、生き生きした個性にあふれていた。元気な部屋の主が見る夢の数々が、目に見えても手に取れない形をとって、寒々としていた部屋に、虹と月光でできた美しい薄布をかけめぐらせたように思われた」 部屋の変化にヒロインを重ねる描写が実に秀逸です。
「(略)あたし(アン)は同じ失敗をくりかえさないの」「いつもの新しい失敗をするんなら、そんなの何の役にも立ちゃしないでしょうが」「それはちがうわ、マリラ。ひとりの人間がしでかす失敗には、限りがあるはずなの。だから全部しつくせば、それ以上失敗することはないはずよ。それって、とても気が楽になる考え方でしょう?」マリラの皮肉もさらりとかわすアンとの会話は、まるで漫才のよう。
「そのとたん、マリラは心臓を恐怖の剣でさしつらぬかれたような気がした。たしかにそれまでもアンを好きだとは思っていた。だがこの瞬間、坂を無我夢中で走りながら、アンがこの世の何者にもかえがたく愛しいものであることを、マリラは悟ったのだった」 アンとマリラ、育った環境も考え方も違う二人は、頑固さでは共通しています。アンが度胸試しで屋根から落ちた時のマリラの描写には、マリラにとってアンの占める位置が大きくなったことを示します。
「(略)だけど子どもを育てた者なら、どの子にもぴったり合うような育て方なんかないと、わかるものなのよね。血肉でできた人間は、算数みたいにわりきれるもんじゃないのに。あんなかわいそうななり(マリラの用意するアンの服は、どれも飾りのない質素で実用的なもの)をさせて、謙遜の心を養ってるつもりだろうけど、養われるのはうらやみと不満ぐらいだわ」 子供の養育に関して、リンド夫人の言葉は、どの時代にも通用します。
数ある美しい叙情的な描写の中からひとつ。「アンにとって過ぎゆく日々は、一年というネックレスに連なる黄金のビーズ玉のようだった」
かつて膨らんだ袖や容姿など、他人の物質的豊かさが羨ましかったアンは、「あの海を見て。銀色と影と目に見えない幻でできたものよ。何百万ドルものお金や太いダイヤのネックレスを持っていたら、海のあの美しさを楽しめなくなってしまうわ」と、精神的な充足感と成長ぶりが伺えます。
その成長が、マリラにとって少し残念に思えてしまうのは、世の親と同じ事。「あんたが小さい時のことを、ついつい思い出してしまったのよ。あのまま、あのへんてこな子どものままでいてくればよかったのにねえ。(略)そ、それに、その服を着ているとまるで他人みたいで、全然アボンリーの人間でなくなったような気がして…そしたらとてもさびしくなってしまったのよ」
アンに魅せられたダイアナのおばミス・バリーのセリフから、「アンって子は、いつまでも進歩をやめないよ。他の女の子は似たり寄ったりで飽きるけど、アンは虹の七つの色を持ち合わせていて、それぞれの色が輝いているんだ」
最愛のマシューを喪い、進学を一時断念したアンの発言。「クィーン(学院)を出た時、自分の未来は見通しのいいまっすぐな道のよういに思えたわ。でも今、曲がり角に来たの。曲がり角の先に何があるかはわからないけど、最高のものがあると信じたいわ」
そして最後は、「真摯な仕事と健やかな向上心と心地よい友情が、アンの財産だった。アンが生まれつき持つ想像力と夢の王国は、何者もうばうことができないのだ」
子どもの頃は、少女向けとして、敬遠していた作品も、なぜか、大人になった今では、素直に読めて感動してしまう不思議さ、ストーリーは熟知していてもついハマってしまいます。それに映画やアニメと対比する楽しみもあります。それだけ想像の余地のある懐の広い作品なのでしょう。児童文学の枠に押し込めてしまうのは、もったいない気がします。色あせず、読めば読むたびに何かしら再発見できる素晴らしい本だと思います。
訳文も、「心の友」を「縁(えにし)の友」とするなど、『赤毛のアン』の魅力を一層引き出す細かい点に配慮されていてととても良かったです。
紙の本
好きな物語
2015/08/19 13:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぺろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供のころから好きなので赤毛のアンの本は何冊も持っています。アンの住んでいる所は本当に憧れます。読むたびに行ってみたくなります。こちらは挿絵も可愛くて読みやすいのでおすすめです。
紙の本
表紙に違和感…
2017/09/22 17:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hello - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の絵が残念で仕方ありません。アンは元気ではありますが、表紙の絵のようにガニ股で座る粗野なイメージは全くありません。どちらかというと夢見がちな少女らしい女の子です。子供の頃から大好きな物語ですので、初めて見たときに驚きとともに残念に思いました。