紙の本
日本のメディアが伝えない世界の新潮流
2012/01/09 14:22
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災直後の4月に出た本。特に震災については触れられていない。
本書は最近のアメリカの国内問題や、日本や中国などとの外交関係などをテーマに書かれている。日本の民主党政権との関係や、日米安保の問題、経済の問題、世界の安全保障、2012年の大統領選挙、エネルギー問題など、私も関心ある事柄に触れられていて勉強になった。日本で読む新聞や、見るテレビからでは報じられないことが(気付いていないだけかもしれないが)、たくさん出てきて驚かされることも多い。
米国でも新年早々、大統領選挙に向けた共和党の候補者選びが始まったようだが、選挙については、著者は「次は共和党の大統領が選ばれる」だろうとしている。前回の選挙でも著者は共和党だと言っていたと記憶しているが、今回は果たしてどうか?
本書で一番気になったのは中国の状況。軍部の力が強くなっていると指摘しており、何か日本の戦前の姿に似てきたと感じた。米中対決は起きるのか?著者は「このままいけば衝突は避けられない」と述べている。そうなれば日本も打撃を受けることになる。日本は米中の間で今後も揺れ動き続けるのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
「アメリカ衰退論」が騒がれているが、決してそんな単純じゃないアメリカの現状を教えてくれた。
同時に、「中国台頭論」には、まだまだアメリカには及ばないという事実を提示してくれた。
日本はこの巨大国家に挟まれながら、どう未来を切り開いていくべきかという戦略を真剣に考えなければいけない。
投稿元:
レビューを見る
著者の日高義樹さんですが、中々大層な肩書きを持っているヒトです。多少アメリカ偏重の思想の持ち主であることを念頭に、他の本に於ける意見を照らし合わせる必要があるでしょう。
そういうわけで、もうアメリカやばいよって本だと思ったら逆でしたね。今でもアメリカの戦力は十分であると言う本です。勿論、負債に関してはもはやどうしようもないということに関して触れていますし、金本位制を利用した脱却方法に関しても述べています。
まず日本の民主党が打ち立てた脱米政策に関する米国人・政治家の怒りと当惑ですが、そもそも民主党のバックは中韓であり当然の流れを感じています。
オバマ政権を痛烈に批判しており、ジョンソン、カーターより国際戦略に関する能力・知識が足りていないとしています。反面選挙戦略、国政に関しての能力は評価していますが、基本的に共和党の支持者のようです。
アフガニスタン紛争への参加、GDPに達するほどの負債、公共事業、癒着などオバマ政権の暴走が米国を危機に陥れていること、国際戦略の無さが日本やドイツと言う親交国との不仲、中国につけ上がられる始末に終わっていることを批判しています。
米国の教育・科学能力の高さにも触れていますが、これに関しては全面的に同意ですね。また軍事戦略の遷移、軍事力の向上に関する記述は中々稀有な情報かと。
この本から得られた知識は割と多かったです。米国経済のより真の部分に関して無理だったからかもしれませんが。眠いから割と適当ですがこんな感じの本です。
投稿元:
レビューを見る
新味無し。
・米国人はドルを信用していない。外国がドルを売れば米国はハイパーインフレ。失業率が下がらない。住宅も売れていない。
・米国は一貫して戦争を外交の基本にしている。
・「オバマ大統領が在韓米軍を引き揚げたいと考えていることは間違いない」
・「…中国軍部が胡錦涛政権の統制のもとにないことを…」「中国軍部は…軍事力を増強して、アメリカ軍をアジアから追いだそうとしている。」「中国は長距離の弾道ミサイルで遠く離れたところにいる米国の空母を攻撃し沈める軍事能力は持っていない。」
・「朝鮮半島に緊急事態が起きた場合、米軍が機動艦隊の支援を受け、佐世保にいる輸送艦隊を使って沖縄の海兵隊を普天間基地から朝鮮半島に上陸させ、…」
・「米国は地下2000mに豊富にあるオイルシェールを天然ガス化および採取する技術を完成した。」
・「我々はあらゆる努力を投入して、アフガンニスタンの戦争に勝たなければならない」(ラムヘッド海軍総司令官)
・「(中国は)2005年までに、世界で最大のアフリカとの貿易国になっていた。」
・「中国が外国で資源を確保し、運んでくるためには、強力な軍事力が必要である」(キッシンジャー)
・「共産党が嫌われて力を失う一方で、軍人に対する期待が高まっている」(CIA)
日高義樹(1935生、共和党、安全保障):繰り返す、論理不整合、我田引水
投稿元:
レビューを見る
オバマ政権、中国、アフガニスタン、民主党政権下での日本の立場など、アメリカを通して世界情勢が見えてくる。
未来への展望が何よりも必要なのだ。
投稿元:
レビューを見る
米国在住の著名ジャーナリストの現地レポート。いつもながら刺激的。これからの20年を考えるのに参考に。
・中国に対して弱腰なオバマ政権は倒れ、中国との対決を掲げた政権が樹立される
・時期は2013年以降か
・勝利しても得るところのないアフガニスタン紛争に第一線の部隊と兵器(F22 etc.)をつぎ込んでいる
・米国は無人偵察・攻撃機でタリバンを追い詰めている
・無人兵器を300機以上、実線配備しようとしている
・米中の金融、テクノロジー、軍事における差は、まだ、大きい
・米中の対決は、最終的に米の勝利に終わるだろう
・中国の敗北に伴う混乱は、中国への傾注しつつある日本の企業に多大なダメージを与える
・中国からの収益はなくなり、中国工場からの世界への出荷もとまる
・アメリカは大陸の地下2000mに数キロの厚さで眠っているオイルシェール(油を多く含んだ石)から天然ガスを抽出する技術を完成させたと伝えられている。これのコストは米原発のコストに匹敵する安値。向こう数十年のエネルギー需要を賄える
・アメリカの金本位制への回帰の動きがある
・日本の民主党政権は、中国にすりより、アメリカを敵にまわした
・移民を受け入れられない日本の生き延びる道は、高い技術力を育てることしかない(キッシンジャー)
投稿元:
レビューを見る
私は日高氏のワンシントンレポートという番組が好きで見ているが、著書も数冊読んできた。
この本は、マスコミが伝えていないアメリカの実態を日高氏なりの視点で解説されていた。
民主党対共和党との政権抗争からオバマ民主党政権のもたらしているアメリカの世界戦略の失政、台頭する中国の覇権に立ち向かえるか・・・米国民主党の今後は?
賛否両論あるだろうが、少なからず勉強になった著書である。
投稿元:
レビューを見る
参考として読んだ。
特に新しい発見はなし。
「日本のメディアが伝えない」云々と書いてあるが、この手の主張はよくみる気がする。
投稿元:
レビューを見る
■米国
1.日本では今、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が注目をされている。これは米国が主導するアジアの新しい経済同盟で、反米的な姿勢の民主党政権がアジア諸国をまとめるのを阻止する、という意図の下に作られたものである。
2.中国は「米国のドルがいつまでも国際基軸通貨であるのはおかしい」と発言するなど、米国と対立する姿勢をとり始めている。これは、中国を甘やかしてきたオバマ政権の外交政策が完全に失敗に終わったことを示している。
投稿元:
レビューを見る
アメリカ、中国、日本。この3つの国家の関係性が大変よく理解できました。アメリカをよく知る著者が米中・日米・日中関係を現状から解説。日本の民主党では国家の存亡が危ぶまれるのではないか心配になりました。浄法寺の図書館所蔵(230621)。
投稿元:
レビューを見る
アメリカと中国という二つの大国。一見、中国は伸び続けてアメリカを追い越しそうに見える。しかしその実はまだまだアメリカの足元にも及ばない。我々、日本人は改めてこの国の行く先を熟慮し、グランドデザインを描くべきである。
投稿元:
レビューを見る
アメリカでは今、ニューヨークを中心に抗議デモが起こり、ウオール街に対する不満が高まっている。オバマ大統領の支持は下がり、共和党では大統領候補者によるテレビ討論会がすでに行なわれている。そんな中で手にしたのが今回の本だ。
著者の日高義樹氏は、日本のメディアには珍しく共和党よりの主張をする。多くのメディアはニューヨークタイムズやABC,CBS,NBC,CNNといった民主党よりのメディアの意見を取り上げることが多い。当然、共和党よりのFOXNEWSは取り上げない。著者は、米国衰退論が日本で盛んに取り上げられ、中国台頭論に引きずられて、日本は中国にのめり込むのを危険だとしている。
2012年の上下両院選挙では共和党が勝ち、大統領選挙でも共和党の候補者が選ばれると述べている。その理由は経済政策の失敗にあるが、オバマ大統領の保守化傾向で、本来支持基盤であった民主党左派の支持を失う可能性が出てくると指摘している。労働者組合の力が衰え、アフガニスタンの戦争をやめないなど、自分達の主張を受け入れないのに業を煮やして対立候補をぶつけることもありうるとしている。このまま、具体的な成果が出ないとその可能性も考えられる。いいとこだけをつまみ食いして支持を得ようとしてはそうはいかない。演説だけでは景気は良くならないからなあ。
選挙の行方は日本にも影響する。とはいっても、日本マスコミがお約束のごとく取り上げる日米関係への影響についての取り上げ方には疑問がある。アメリカ人で日米関係を考慮して大統領を選ぶ人はほとんどいないし、あくまでも大統領候補が国内情勢についてどう考えるかを重視して選ぶのだから。
投稿元:
レビューを見る
第2次世界大戦以降、日本はアメリカの力で経済の拡大だけに全力を挙げてきた。国の安全をアメリカに頼り、アメリカにモノを売ることで繁栄してきた。そう考えると、普天間問題等アメリカに逆らえないのも省がないような・・・・。また中国の国力が拡大しているに思えるがまだまだアメリカには
及ばないということが書かれていた。
投稿元:
レビューを見る
私は政治や経済には全くの素人(高校卒業程度の知識しかない)で、
あんまり参考にならないと思いますが、著者の主張を分かる範囲で簡潔に書くと
・民主党もオバマも全然ダメ
・次は共和党が政権を取る
・日本の民主党もダメ
・中国・アメリカ間はこれから対立する
・アメリカ衰退論は間違い
オバマ大統領を褒める部分がひとつもないので、ちょっと可哀相になるくらいでした。
しかし、その理由も明確に書いてあり、ちゃんとデータを出してくれているので、信憑性は高いと思います。
そのほか、アメリカの外交戦略やエネルギー事情、ちょっとだけ中国の外交などにも触れてあり、普段全くその辺の事情に疎い私には興味深いお話でした。
アメリカの政治を見ていると、日本のビジョンのない政治が心配になります。
著者は保守派なので、民主党よりの主張も聞いてみたいところです。
投稿元:
レビューを見る
「日本、米国、中国は正三角形の関係」と発言した鳩山元首相。
著者は、この発言や現民主党政権に、かなり厳しい意見を述べている。
オバマ大統領の外交能力や中国の動向についても、「さすが、ハドソン研究所首席研究員」と思わせる考察を述べている。
僕は、政治の話しには疎い。
なので、このような本を読むと著者の言うとおり「大変なことになっているのだなぁ」と急に不安になってしまいました。
「日本が中国に寄りすぎると、中国が危機を迎えたときに日本は大変なことになるよ」などと言われると、その通りかもと思ってしまいます。
ということで、うむむ、とうならされたのでした。