紙の本
本で読む味わい
2011/06/18 08:48
8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジュンジュン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネットで卒業生へのメッセージは読んでいたが、改めて本になって読み、さらに沁みた。卒業生たちは生涯、震災の年に卒業したことを心に刻み込むことだろう。いい思い出となって語られることを祈るとともに、彼らがそれを成す担い手であることを実感した。この本が書棚にある限り、小生も忘れることはないないだろう。本棚でタイトルを見つづけること、これも本の力の一つではないだろうか。
紙の本
あたらしい教科書
2011/06/19 11:01
11人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まんべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの大地震が起き、世の中が漠然と不安を感じていたとき、この本の著者でもある校長先生のあの『卒業生へのメッセージ』を読み感動した。
もし大地震がなかったなら、なんとなく読み飛ばして、すぐに忘れてしまっていたかもしれない。
大学に通う意味なんて深く考えず。
ただなんとなく大学に行って飲んで騒いで卒業しサラリーマンになっていただろう。
だけど、あの大地震が起きて。
大丈夫だと聞かせれてたものが全然そんなことなく、大切な家族や友人が一瞬で失われるのを見て、
生かされた自分は、なんのために今大学へ行き、なんのためにこれから働くべきなのか少し考えるようになった。
この本には、そのヒントが書いてあった。
それは今まで教えられてきたこととは少し違った。
目の前の利益や効率ばかり重視することによって忘れ去られた日本人の、人間の原点を、芭蕉の句などを交えて教えてくれる。
若い世代がこれからの日本を作るべき今、読むべき新しい教科書だと思う。
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震災後、立教新座中学高校の校長先生(元立教大学文学部教授)が卒業生に向けたメッセージ、感動的すぎるとツイッター等で大きな反響になり、書籍化。
⇒本書の印税は義援金として全額寄付される
・大学に行くとは「海を見る自由、立ち止まる自由」を得ること。
・青春とは「孤独を直視すること、直視の自由を得ること」。
・恋愛は、偶然に出会うものだが、友情は偶然性は無く、知的に選び取るもの、根源は互いの孤独を分かり合うこと
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この本の言葉を胸に、大学に、社会に出ていける学生は幸せだと思います。
社会に出てから、10年以上経ってしまったけど、それでも胸が熱くなる。
「諸君、誇り高く、毅然として、胸を張れ。
正義の心を持て。弱き者を守り通す人であれ。」
難しくても、そう心に思いながら生きて行くのと、そうではないのでは、人生の在り方が変わってくるよね。
「真理はあなたたちを自由にする」
学ぶことの第一目的は、知識を得たその結果ではなく、知らないことを探していくこと。
素晴らしいことです。
私も一生辞書を引き続けよう。
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「友とは互いに孤独の時間を共有できる。愛は他者の孤独を見過ごすことは出来ない。」その通り、お互いの悩みや孤独を共有しながらも切磋琢磨しながら20代を共に過ごしてきた友に感謝!!
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例の卒業生送辞をネットで読んでいたので手にとった。志とはこういうことなのだな、と悟る。読んでよかった。
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回送先:府中市立新町図書館
みちのく震災(評者は「東日本大震災」という語の使用を認めていない)の折に、持て囃された立教新座の校長によるメッセージ集。改めて客観的に眺めてみると、メッセージに付随して垂れ流される「妄想」や「戯言」の数々によってゴテゴテの「でこれーしょん」が施されていたのだなという思いを新たにする。これによって見えなくなっていたものはなんだったのかということを冷静に再確認する自己総括の総括材料にはなっている。
確かに渡辺が搾り出す(あえてこの表記)言葉の数々の単体に関しては倫理的であると思うし、万人に受け入れなくとも思索を深められるような重みをも持っているのは事実なのだ。しかし、その重みをめぐって筆者と受け取り手の間に軋轢が生じる。受け取り手はこの言の葉から「何らかの教訓や私たちを啓蒙してくれる含蓄がほしい」という欲望と妄想が先走ってしまい、含蓄の向こう側にある思索の重みへの足ががりをまったくといっていいほど気も留めない状態に陥ってしまうのである(この部分では昨年話題に上ったマイケル・サンデルと同じ轍を受け取り手はふんでいるということになる)。
渡辺の言の葉は果たして「国民国家」の国境の内側だけで引きこもる稚拙な提言なのだろうか。もしかしたら、それは私たちが「そうさせてしまった」責任とともに総括しなくてはならない汚点であったのか―筆者のいない言葉の独り歩きのおぞましい部分を冷静に再確認するのにこれ以上のテキストはほかにあるであろうか。
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チェック項目28箇所。P156
学びに終わりは無い。知ることに終わりはなく、知識に不動なるものはない。大学にいく=「海を見る自由」を得るため・・・立ち止まる自由を得るため。青春とは孤独を直視すること。松尾芭蕉も漂白に身を置き、孤独を見つめることで家族なるものをみている。言葉は弱い・・・しかし言葉でしか相手に物事を伝えられない。だから言葉を信じる。方言・・・この言葉じゃないとうまく伝えられないことがある。「あずましい」。本物に近いものではなく「本物」を体験する。夢を求める力は勇気を与える。規律に暴力を使うのは紳士として恥ずかしいこと。愚直にまっすぐ身を正す。紳士で。文武両道→文武一道・・・できる〇〇がある。女のために泣ける男。肉食系男子は明治以降。元々草食系を好むのが日本。日本の高校生の9割は自分に自信がない。現実から目をそむけず、困難を前にもがき苦しむ自分を直視する。逃げてはいけない。それらは必ず自分の力になる。大学生は時間をダイナミックに使う。過去をリセットする。動物と人間の大きな違い・・・意識して忘れること。恋愛・・・信じてもらうことが必要。友情・・・洞察してもらうことが必要。連携・・・個々の人間を大事にして互いに結びつく。例は野球のポジション。青春はいそぎがち・・・うさぎと亀・・・ゆっくり進んで勝つ。若者には「ゆっくり行く」自由がある。日本・・・水はきれいなものという認識。受身にならず能動的になる。他人事と背を向けず問題としっかり向き合うこと。自分にとっていちばん大切なものは何か?を明らかにする。
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推薦理由:
『大学とは「海を見る自由」「立ち止まって現実を直視する自由」を得るために行くところである。海を見つめ、大海に出よ。大震災のこの時を忘れず、日本復興の先兵となれ』
著者によって綴られた高校卒業生へ贈るメッセージは力強い。日本の未来を担う若者たちに是非読んでもらいたい。
内容の紹介、感想など:
2011年3月、日本では大震災の影響で多くの学校が卒業式を取り止めた。著者が校長を務める立教新座高校もそのひとつである。著者が、卒業式で述べる式辞に代えて、学校のホームページに掲載した「卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ(校長メッセージ)」が多くの反響を呼び、かつての教え子だった編集者に後押しされて出版したのが本書である。本書には、ホームページに掲載された卒業生へのメッセージに加え、これからの日本を生きる若者たちへ向けた思いが綴られている。
「海を見よ」とは、孤独を見つめ、自分を見つめることで、多くの人とつながっている事を感じて欲しいというメッセージである。そして、人と人を結ぶ言葉を大切せよ、夢を抱け、優しさをもて、常に命に謙虚であれと語る。日本は高度成長時代に目先の繁栄に囚われて大切なものを失ったのかもしれないと反省し、若者たちには50年後の未来を見据えて生きて欲しいと願う。今君たちにできる事は、日本が抱えている様々な問題としっかり向き合う事ではないかと語り、自分にとって一番大切なものを守り抜く強さを持って欲しいと訴えている。
大震災が大きな被害をもたらし、原発事故も収束の目途が付かないという問題山積のこれからの日本を生きる若者たちの、道標となるメッセージである。
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若者に向けて書かれたものですが、大人が読んでも、未来への気持ちを新たにできる本だと思います。
これは、Twitterで話題になり、私も読んで大いに感動したメッセージを書かれた、立教新座中学校高等学校校長の渡辺憲司先生の本です。
Webで掲載されたメッセージだけでなく、他の文章も考えるところの多い内容です。中学生や高校生の時に読み、その後も手に取るたびに、以前は気づかなかったことに気付く……という本だと思います。
3.11以降、多くの人が感じているように、筆者も今までの社会のありかたを反省しています。そして若者に、明るい未来を託しています。
確かに、私たちの目の前の現実は、未来を楽観的に考えられる状況ではありません。でも、これまでの社会を支えてきたシステムに問題が見えてきたからこそ、そのシステムが成功体験をもたらしたという呪縛から解き放たれて、新しい価値観に基づく社会を築けるのかもしれません。
豊富な教養と経験に裏打ちされた文章を読んで、「私もこういう文章を書けるようになりたい」と思いました。多くの人に「読んでみたい」と思われ、読んだ人の心を動かす文章を書くには、「相手に何を伝えたいのか」が大切なのだと実感します。
※ 読み終えてから感想を書くまでに、非常に間が空いてしまいました。
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環境がめまぐるしく変わって自分軸が見えなくなったときに、
プライオリティを思い出すために、海を見に行きたい。
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この本を読んで社会に出て行かれる若者はなんと幸せなことか。
しかし、若いときにはメッセージが心に響いたかどうかわからない。
今からだって、先生の言葉をかみしめながら生きていくことはできると思った。
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大学時代にしかできないことがある、というメッセージ。
年を重ねて読めば、たしかにそうかもしれないと思えますが、若者が、どれだけこの本を受け止められるだろうか。海を見に行く時には、携帯電話を置いていけ、と。
大人の可能性を狭めている、とも見えがちですが、著者の意図を受けとめられる若い人には財産になるでしょう。
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「声に出して読みたい日本語」みたいな本ありましたね。
あれ思い出しました。
高校時代に先生に当てられて国語の教科書を音読して以来、久しぶりに本(これ)を音読しました。
教師という、教え諭すものの生み出すリズムというのは気持ちがいいです。
日本古来の男性像は草食男子、という指摘には興味深く笑いました。
最近のトレンドは原点回帰なのか。
私にも男の子がいますが、中学生くらいになったら読ませたいなと思いました。
ですが、それと同時に、決して卑下しているわけではないのですが、あまりにまっすぐなきれいごとの羅列(男子たるものこうあれ、という本なので当然なのですが)に、逆に読ませたくないなとも思ったのも事実です。
この辺の気持ちは、うまくいえないのですが、なんだか融通の利かない、生き辛そうな子になりそうで(笑)。
突然携帯も持たずに海にいくことを、男の子の親は許容しなければいけないのでしょうね(笑)。
高校の校長、ということですが、ほとんど大学教授だった筆者。
高校の校長、というのがどういう人なのか良くわかってないのですが、こうして本を1冊執筆できたということの背景として、腑に落ちました。
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あの、反響の大きかった立教新座高校の卒業生へのメッセージを書かれた校長先生による著書。
高校を卒業し、これから大学にあるいは社会に出て行く若者達へ向けたメッセージですが、大人にもいいと思います。
子どもがその年齢になったときに読ませたい一冊。
卒業生へのメッセージ全文 http://niiza.rikkyo.ac.jp/news/2011/03/8549/
http://glorytogod.blog136.fc2.com/blog-date-20110317.html