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紙の本
紫雲の人、渡辺海旭 壺中に月を求めて
著者 前田 和男 (著)
漱石と同時代に欧州に学び、仏教を革新し、社会事業と教育を興し、アジアの独立運動を輔け、近代日本を変えようとした快僧の物語。【「BOOK」データベースの商品解説】海旭は過去...
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紫雲の人、渡辺海旭
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商品説明
漱石と同時代に欧州に学び、仏教を革新し、社会事業と教育を興し、アジアの独立運動を輔け、近代日本を変えようとした快僧の物語。【「BOOK」データベースの商品解説】
海旭は過去の傑物ではなく、未来の傑物である−。漱石と同時代に欧州に学び、仏教を革新し、社会事業と教育を興し、アジアの独立運動を輔け、近代日本を変えようとした快僧・渡辺海旭の実像にせまる。【「TRC MARC」の商品解説】
「カルピス」の名付け親、作家・武田泰淳の伯父である渡辺海旭は、
宗教家にして教育家、社会事業家であり、さらには詩文家にしてコピーライターであった……。
廃仏毀釈、肉食妻帯・蓄髪勝手令、日本人の仏教離れなど、
明治に訪れた日本仏教の危機を打破するため、
思想・実践の両面で日本仏教界を支え続けたが、未だ評価は定まっていない。
海旭は何を思い、誰と出会い、実践を積み重ねてきたのか。
関東大震災による消失から数少ない資料を元に描き出す渡辺海旭という傑物の生涯。【商品解説】
目次
- 序
- 渡辺海旭の多様なる人脈
- 写真・留学時代の渡辺海旭
- 帰国してからの渡辺海旭
- 第一部●青雲編
- 一、明治天皇と蛇骨長屋と牛鍋屋
- 二、廃仏毀釈と金竜山浅草寺
- 三、東京府立庶民夜学校
著者紹介
前田 和男
- 略歴
- 1947年東京生まれ。渡辺海旭の母校であり、海旭が校長をつとめた芝中・芝高六十回生。
東京大学農学部卒。翻訳家、ノンフィクション作家、編集者。路上観察学会事務局。資生堂化粧文化研究会会員。
著書に『民主党政権への伏流』(ポット出版、2010年)、『男はなぜ化粧をしたがるのか』(集英社新書、2009年)、『選挙の裏側ってこんなに面白いんだスペシャル』(ビジネス社、2007年、三浦博史との共著)など。
訳書にジャスティン・リチャードソン&ピーター・パーネル/文、ヘンリー・コール/絵『タンタンタンゴはパパふたり』(ポット出版、2008年、尾辻かな子と共訳)、J・バルドーニ『名リーダーに学ぶ説得術』(ベストセラーズ、2004年)、O・ハラーリ『パウエル リーダーシップの法則』(ベストセラーズ、2002年)ほか。
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桁はずれのダイダラボッチ
2011/09/10 11:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
著述、翻訳、編集、プロデュースと八面六臂の大活躍を持続する著者の最新作が「壷中に月を求めて」と副題されたなんと526頁という浩瀚の書です。
渡辺海旭は明治5年1872年に浅草田原町の蛇骨長屋に生を享けた貧民の子でしたが、苦学力行して僧となり、長じては漱石と同時代に欧州に学び、腐敗堕落した既存仏教と教育を革新し、本邦初の社会事業を起こし、アジアの独立運動を援け、明治・大正・昭和初期を骨太に走り抜けた怪僧でした。
とくに注目すべきは、その全方位に越境し続けた海旭のマルチプレイヤーぶりです。
宗教家としては第1次浄土宗海外留生として独ストラスブルク大に赴き、泰斗ロイマン教授の元で11年間に亘ってサンスクリット語、チベット語、パーリ語を学んで比較宗教学を修め、新旧のキリスト者、社会主義者、若き日のシュバイツアー博士とも交わる第1級のコスモポリタンでしたが、帰国後は明治の近代化の中で汚泥に塗れつつ伝統仏教の再生に大きく貢献します。
教育家としては母校芝中学の校長を22年間務める傍ら東海中学、現大正大学、東洋大学、国士舘大学の設立・運営にかかわって幾多の人材を育て上げ、また労働者救済運動に宗派を超えて取り組んだ海旭は、日本で初めて「社会事業」という言葉を造語した人物といわれています。
さらに驚くべきは彼の膨大な交流ネットワークで、新宿中村屋を創業した相馬黒光、清濁併せ呑む右翼の巨怪頭山満、インド独立運動の闘士ボース、社会事業家の賀川豊彦、カルピスを創業した三島海雲、文学者の土井晩翠武田泰淳、映画監督の今井正等々、ひとつの器には到底おさまりきらない桁はずれのダイダラボッチといえましょう。
海旭没して70有余年。本書が指し示すその巨大な構想力と破天荒な行動力、融通無碍の瞬発力を目の当たりにして、幸福なる少数の読者は必ずや大いなる刺激と示唆を禅譲されることでしょう。