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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.7
- 出版社: 岩波書店
- サイズ:19cm/150p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-00-001403-8
紙の本
ツナミの小形而上学
著者 ジャン‐ピエール・デュピュイ (著),嶋崎 正樹 (訳)
近代ヨーロッパを襲ったリスボン大地震から、アウシュヴィッツ、ヒロシマ・ナガサキ、9・11、スマトラ沖地震という歴史的経験の考察を通して、人類は「破局の未来」にどう向き合う...
ツナミの小形而上学
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商品説明
近代ヨーロッパを襲ったリスボン大地震から、アウシュヴィッツ、ヒロシマ・ナガサキ、9・11、スマトラ沖地震という歴史的経験の考察を通して、人類は「破局の未来」にどう向き合うのかという問いを具体的に展開する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジャン‐ピエール・デュピュイ
- 略歴
- 〈ジャン‐ピエール・デュピュイ〉1941年生まれ。科学哲学者。理工科学校社会・政治哲学名誉教授。スタンフォード大学教授。フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)倫理委員会委員長。著書に「犠牲と羨望」など。
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著者/著名人のレビュー
カント、ルソーの時代に起きたリスボン地震以来...
ジュンク堂
カント、ルソーの時代に起きたリスボン地震以来、災害については多くが語られてきた。古くから、ユダヤ・キリスト教では自然災害も人間の罪故の神の罰と解釈される伝統が強くあったためか、西洋では、自然災害も道徳的破局も「カタストロフィ」の一語で表される。
自然災害を道徳的破局の範疇に含めるベクトルは、反転して、道徳的破局であることが明らかな「カタストロフィ」、例えばヒロシマ・ナガサキやアウシュヴィッツ、そしてチェルノブイリを、あたかも自然災害であるかのように誰の責も問わない、というメカニズムも生んだ。“道徳的悪が最高潮に達すると、通常の生活において私たちが判断をくだす際に用いている道徳的範疇は粉々に砕かれてしまうのである。”そうした「カタストロフィ」を、デュピュイは「システム的な悪」と呼ぶ。
「起こるはずがなかった」にも関わらず、起こってみたら「いつか起こるはずだった」福島の原発事故も、同じような図式の中で処理されつつある。そうして、責任の曖昧化と決断の先送りの中で、やがて取り返しのつかない(今でも既にそうなのかもしれないが)破局を迎えるであろうことに、もっと我々は自覚的であるべきなのだ。