だまされて。 涙のメイド・イン・チャイナ

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70年代中国市場が開放されて以来、日本企業は中国への輸出、合弁企業の設立、自社工場の建設、生産委託と段階を追って世界最大の市場へのアクセスを得ようとしているがその陰では「屍累々」ということが余り知られていない。先日の谷崎光「男脳中国　女脳日本」にもあるように、あらゆる場面で中国の独特の商売感覚というか、我々の常識に掛らない行動原理と商慣習の壁に跳ね返されているのだ。

別に日本人だけがナイーブな為に中国で失敗している訳では無く、米国人も一緒だ。いや貿易に慣れていない分だけもっと大変かも知れない。本書は米国人で中国に長く住み、欧米企業と中国企業のビジネスの仲介をする仕事をする著者が見聞きした、中国企業との間で生じる凄まじくも、かつ滑稽なまでの騙し合いの姿を紹介している。

例として挙げられているのが米国のシャンプー等を大手スーパーに販売しているヘルスケア会社と中国の委託生産工場。製品の配合・パッケージデザインを持ちこみ、製造価格も合意して始まったビジネス。

間違った成分表をラベルに貼っているのが見つかりFDAから指摘されると大変だからと修正を依頼すると「まだ在庫がある」とそのまま使い切ってしまう。内容量が不足していると指摘し出荷検査に立ち会うことにすると立ち会い前に出荷してしまう。何時の間にやら梱包段ボールの厚みを薄くし輸送中の事故を起こす。PEボトルの厚みが変わる、香料の種類が変わる等など次から次へと、よくぞやってくれると感じだ。そこには契約書も信義も長期の関係も無いし後ろめたさも無い。あるのは飽くまでも自分の儲けを最大にするゲームで勝利する「才覚」だ。

買う方が立場が強いのが普通なのであろうが、中国についてはそれが当てはまらない。生産を打ち切ると困るのは客のほうであり、常に譲歩を迫られてしまう。果たして仇は打てるのであろうか。

日本企業も多くの製品を中国の企業に生産委託し輸入販売しているし、それに従事する人たちも沢山居るだろうから恐らく本書を読めば本書と同様の経験をしているのだろう。まさにご愁傷様としか言いようが無いが、中国の「奥深さ」に思わず微笑んでしまうのも事実だ。

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アメリカ企業から見た中国企業への委託生産の難しさをドタバタ喜劇風に書かれてあって面白く読みました。
ちょっと日本語の翻訳が怪しいのでなんだかわからないひょうげんもありますが、、、
中国人と商売をするのはいかに難しいかということです。欧米人は上手くやっていると思いきや、同じような問題で苦しんでいるとわかって、チョットホッとしました。

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　中国製品での事故は何でおきてるんだろ？　常日頃からやっているニュースを見ていて不思議に思う。

　これは製造元の中国と発注元のアメリカとの多分に笑える丁々発止のやり取りである。
　なんつーか、中国すげーわ。だからといっていきなり「中国憎し！」とならない愛嬌がある。出来る中国人って事なんだろうか。

　結局のところ、人情じゃなくて利害の伴う交渉をどれだけ忍耐強く出来るかってことなんだろうね。
　読み物としてもすごく面白いので、経済って難しそうって思わずニオススメです。

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憎たらしくも憎みきれない陳姉は華南の製造業者。シャンプーのサンプルを見せれば考えられない安い値段で出来ると言い、輸入業者を引っ張り込む。その後はあの手この手、段ボールを薄くし、ラベルを少し小さく貼りやすいのに変え、量を減らし、ボトルを薄くし原料を変える。そして指摘されると黙って出荷する。
そうして得られる金額は微々たるものだが、どこ迄やれば発注元が本気で困るかを見ている。そして、改善に対応する代わりに値上げを通告する。業者を変えようとするとみんな繋がっていて逆に足元を見られる始末。そうこうしている間に陳姉は工場を新設、取引を切ると同じ製品を他社に売られるのを怖れ輸入業者はずるずる引き込まれて行く。
原題はPoorly Made In China、本書の最後にお粗末なメイドインチャイナと訳されている。邦題の「だまされて」と帯の中国撤退ラッシュを予見したというのはミスリード狙いではないか。安くできる理由を考えもせず、丸投げする輸入業者にも騙される理由が十分ある。
著者は2000年ごろ中国に行き仲介業として見てきたままを描いている。2009年出版なので出来事は少し前のことであり、昨年はこういった製造業の多くが銀行の貸し出し規制で倒産している。生き残ったところでは今も同じような事が続いているが、大きくなって品質管理に力を入れる所もある。
今でも中国人が中国は偽物ばかりだと言っている。新聞報道でも靴底から作ったゼラチンで薬のカプセルを作り、クロムが含まれていると問題になったばかりだ。
同じ出来事を陳姉の見方で書いてくれれば相当面白い物語になると思うのだが。

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「ああっ、わかるわかる！」ってところに付箋を付けていったら付箋だらけになったので、途中で止めたほど。
中国ビジネスの難しさのひとつの面を描いた実話です。中国ビジネスはあれが大変、これも大変と数だけ多く表面的な事例を挙げるのではなく、本書のようにひとつの事例を物語的に書いた方がリアリティがあり、「中国ビジネスって大変なんだ」という雰囲気が分かると思います。
以下、「納得」と思った事をちょっと長いけど引用。

「現代の中国人は歴史のことになると教条的で、ほとんど宗教のように接する。ーそしてある程度は、歴史はまさに彼らにとって宗教なのだ。
宗教の役割は何世台にもわたる集団に、自分たちがどこから来て、どこへ行くのかを教えることにある。また道徳的規律も与える。Religionの語源はラテン語のreligioで、互いを結ぶことを意味する。そして宗教の目的はいつの時代も人びとを結束させることだった。ときには関係者を部外者と区別することによって。
中国の歴史はまさにこのような枠組みを人びとに与えていて、やはり宗教のように、パッケージ済みの救済概念をともなっている。実現を待つ予言よろしく、それには前提条件があって、中国の場合はばらばらになってしまった領土の再統一がその中に含まれる。中国本土の人と、台湾やチベットについて建設的な議論がほとんど不可能なのはこうした理由がある。中国人自身、領土のパズルが完成したらどうなるのか、はっきりわかっているわけじゃない。ただ壮大なことが起こると思っているだけだーいや起こらねばならない」

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中国に在住し、欧米企業と中国企業との仲介に携わった著者の体験談。
最初は低コストで製品を輸入できると喜んでいた輸入元が、通告なしで繰り返される品質低下に悩まされ、さらには生産を続けてもらうために値上げすら飲まなければならなくなる、という図式は読んでいて同情してしまいます。

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中国の製造メーカーは、最初は受注を受けるために、利益を度外視で引き受けるが、一度関係を築くと、唐突に価格を上げたり、報告もなく品質を落としたりして、短期的に利益を引き出そうとする。それが長期的には客を逃がすかもしれないにも関わらず。
また、自身では、開発はできないが、サンプルを渡せば、同じものを作る。

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難しい隣人を理解しようといろんな中国本読んだが、この本が最も納得できた。
読み物としてもおもしろく、自然に隣人との付き合い方を学ぶことが出来る

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ノウハウ本というよりも読んで楽しい。
しかし中国ビジネスで日本や西洋の信頼や長期的な関係とは全く別物のの感覚で長期的に仕事をするのは難しいな。。
そういう意味でエージェントの活躍する場所があるのかも。

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読了したままブクログ、なう。中国を生産地にすることの苦労、なにも日本ばかりじゃあないんだ。納得の一冊。

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読了。
中国に駐在して、アメリカの企業と中国の工場を仲介していたアメリカ人による体験談。
　・初めはしっかりしたプラスチックのボトルが、
　　気付いたら手で挟むとすぐに潰れるような薄さになっていたり
　・10ftで発注したパイプを、同じ価格で3mに換算して
　　1.5%儲けを増やそうとしたり
　・香りの種類が何種類もあるシャンプーが
　　ある日、全部アーモンドの香りに統一されていたり
　　（追求すると「だってその方が良い香りだと思わない？」）

小説風にストーリーがまとめられてて読みやすい。
中国で製造委託するときのネガティブ面が多く書かれてるけど
そんなやり方で固定費ケチったか！価格釣り上げるか！と、
以外な展開の連続に楽しく読めた。（当事者になったら笑えない。）

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中国の工場でモノ製造を委託する仕事をしているのと、会社の方に薦められたので購入しました。中国の方はどういう向きで仕事をしているのか知るのに非常に参考になる本。以前は彼らの行動に色々理解に苦しむ点が多々ありましたが、著者のお陰で色々合点がいく部分が増えました。特に品質を下げてコストを下げることに知恵を振り絞る姿を見ると検査は輸入業者の面々でやるような形にするとか、任せるところと任せられないところを決めて取り組まないと将来が見えない感が強かったです。良著。

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中国人の商魂たくましさに呆れはてる。ここまでやるバイタリティが日本人にはあるのだろうか・・勝てる気がしないなと思った。

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原著が2009年、2011年なので、流石に古いのだけど、「今とどう違うか」という目線で読もうとした。が、、ここまでのリアルな経験がないので、何とも分からず。。
陳姉の商魂逞しい部分は日本人にはまずマネ出来ないですね。