紙の本
ヴィクトリアはさがしている。
2011/12/24 08:47
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アヴォカド - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず装幀に目をひかれる。うつくしい。
「花言葉をさがして」というタイトルが少々オトメチック、メルヘンチックで、どうかな?とためらうけれど、それに打ち勝って手に取らされる装幀。
生まれてすぐ捨てられ、施設や里親の元を転々としてきたヴィクトリアが、花屋の仕事を見つけて、花束を作って人を幸せにしていく……と書くと、小さな成功物語のようであり癒し系・再生系もののようでもあるが、あらすじのその続きには「しかし」がつく。
そこからしばらく、「だめだよ!置いて逃げちゃ!」という展開が続く。どうなっちゃうんだろ、とハラハラし、読みながら苦しい。
顔も知らない母親とヴィクトリア。エリザベスとヴィクトリア、メレディスとヴィクトリア、レナータとヴィクトリア。
そしてヴィクトリアと…。
母(母なるもの)と娘の関係が、形を変えていくつも提示される。形を変えて問い直される。
花にそれぞれの意味があるように、人にもそれぞれに意味がある。どんなに傷ついた人生であったとしても。
花言葉をさがしながら、人の、人生の意味を探していく物語だったのだな、と、読み終えて気付く。
オトメチックなタイトル、意匠に、負けてはいけない。
紙の本
ちょっと重い
2018/06/11 10:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L - この投稿者のレビュー一覧を見る
花屋の仕事と花言葉については興味深かったのですが、彼女の生い立ちその他がちょっと重たくて読むのが辛くなることもありました。
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まず装幀に目をひかれる。うつくしい。
「花言葉をさがして」というタイトルが少々オトメチック、メルヘンチックで、どうかな?とためらうけれど、それに打ち勝って手に取らされる装幀。
生まれてすぐ捨てられ、施設や里親の元を転々としてきたヴィクトリアが、花屋の仕事を見つけて、花束を作って人を幸せにしていく……と書くと、小さな成功物語のようであり癒し系・再生系もののようでもあるが、あらすじのその続きには「しかし」がつく。
そこからしばらく、「だめだよ!置いて逃げちゃ!」という展開が続く。どうなっちゃうんだろ、とハラハラし、読みながら苦しい。
あ〜あれはそうだったのか、と思うところもある。
顔も知らない母親とヴィクトリア。エリザベスとヴィクトリア、メレディスとヴィクトリア、レナータとヴィクトリア。
そしてヴィクトリアと…。
母(母なるもの)と娘の関係が、形を変えていくつも提示される。形を変えて問い直される。
花にそれぞれの意味があるように、人にもそれぞれに意味がある。どんなに傷ついた人生であったとしても。
花言葉をさがしながら、人の、人生の意味を探していく物語だったのだな、と、読み終えて気付く。
オトメチックなタイトル、意匠に、負けてはいけない。
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児童養育施設(グループ・ホーム)で育った孤児の若い主人公、ヴィクトリアの幼少期から20代前半までの話。実親に自らの出生を歓迎されなかった子どもの痛みがひしひしと伝わってくる本だった。どの子も親を選んで産まれてこれない。個々の痛み、傷を乗り越えていくためのきっかけに出会れば何とか子どもは大丈夫でやっていけるのではないかという希望のメッセージが込められている。
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花ことばに夢中になって、そうっと好きな人に渡す花束に入れておく。なんて乙女なことをしていた頃を思いだしてしまう。でも、それが届かなくて届かなかったことも忘れてしまったことを思い出させられてしまう。決して甘くない物語。
でも2012年の1冊目としてはなかなかのチョイスだったのじゃないかと。
私の一番好きな花は出てこなかったなぁ…なんて思っていたら巻末にサプライズつき。お楽しみ。きっとまた読み返す本になると思う。
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装丁借り。ああ、なんか、丁寧な構成の、いい本だったなあ。1章最後でグラントと出会い、何かしらの秘密がある、とわかるところまでが長かったけれど、そこからはその秘密が気になって一気に読みました。慣れてくると文章表現もすてきだな、と思えました。最後、なぜヴィクトリアが急にやり直そうと思ったのかが唐突にも思えましたが、もしかするとそれまでの出来事の積み重ねで、氷が解けるようにゆっくりゆっくり変わっていった結果なのかもしれないですね。
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ヴィクトリア・ジョーンズは火事の夢ばかり見る。夢の中ではいつも10歳の少女のままだ。生まれてすぐに母親に捨てられたヴィクトリアは無愛想で怒りっぽく、何人もの里親のもとを転々としてきた。心を閉ざした彼女が唯一信じたのは、9歳の時の里親エリザベスが教えてくれた「花言葉」。18歳の誕生日の朝、養護施設を卒業したもののお金も仕事もないヴィクトリアは、公園の茂みで眠るしかない。そんなある日、街の小さな花屋『ブルーム』を見つけて「花のことなら何かできるかもしれない」と直感し、ブーケを作って自分を売り込み、店で働き始める。お客が何を求めているかを察し、美しい花束を作って人々をしあわせにしてゆくヴィクトリア。その腕はたちまち評判になり、希望に満ちた生活を手にするかに思えたのだが…(「BOOK」データベースより)
グループホームと里親の元を転々とし、愛を知らずに生きてきたヴィクトリア。
彼女が18歳になり、独り立ちした時から始まった、愛と許しの物語。
言葉を持たぬ草花も、雄弁に感情や物事を伝えるのだということを教えてくれる一冊です。
グラントとヘイゼルと共におずおずと始めた暮らしも、いつかしっかりと美しい花を咲かせることになるでしょう。
温かな未来を予感させるラストも素敵でした。
巻末の「ヴィクトリアの花言葉事典」も圧巻。
物語を読み進めるために必ず必要になるのですが、ヴィクトリアとグラントのやり取りが思い起こされて、思わずふふふと微笑んでしまいました。
これがデビュー作とは驚きです。
次の作品にも期待できますね。
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両親を知らず施設で育ったヴィクトリアは、幼いころから里親の家を転々として育った。施設を出て独立する年齢になったヴィクトリアは、住むところも無くホームレスを決める。10歳のころ、唯一正式な親子になりたいと望んだ里親のエリザベスに教えてもらった花言葉と花束を作るセンスを売り込み、花屋に雇われるようになる。そして、花市場でグラントと出会う。
親の愛を知らずに育ったヴィクトリアの不器用な愛。ヴィクトリアの現在と過去を交互に描き、グラントとヴィクトリアの関係が徐々にわかっていく。そして、ヴィクトリアがどれだけ家庭の愛情を渇望していたかがわかる。
最後は未来へ向かう暖かな愛が感じられる。
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ストーリー自体はあまりひねりはありませんが、花言葉で感情を表現するなんて素敵ですね。
ヴィクトリアがエリザベスに贈った花束の花言葉が小説の中では記載されておらず、読者に巻末の辞典で意味を調べてもらうという演出(?)も心憎いです。
個人的には、エリザベスとの再会の場面をもっと掘り下げてほしかったなあと思います。
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孤児の少女の再生物語。花言葉で人を救う、という設定が面白く、読み応えがあった。素直で優しいお話だと思う。
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花と花言葉好きにはたまらない一冊。主人公の言動も共感できるし、希望のある終わり方で幸せな気持ちになれる。適度に読みごたえもある。ただ、人に「これおすすめ!」と勧めるのは気恥ずかしいかも(笑) 映画化が楽しみです。
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孤児でグループホームを転々としてきたヴィクトリアは
希望の光を見つけては尻込みし、疑ってしまう。トントン拍子でなにもかも進む訳も無く、言動にハラハラさせられる。
物語に出てきたものも含めた花言葉辞典が巻末に載っていたのもよかったし、誰かにこの本と一緒に花をあげてみたいと思った。
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ヴァネッサは生まれてすぐに母親に捨てられたため、幼少期を何人もの里親の元を転々として過ごしてきた。そのせいか、乱暴で怒りっぽく人間嫌いで誰にも心を開かずにいたのだが、里親のエリザベスと彼女が教えてくれた「花言葉」だけは心の支えとして息づいていた。養護施設を卒業し、行くあてのないヴァネッサだったが「花のことなら何かできるかも」と直感し、花屋ブルームで働き始める。そして自分は深く傷つきながらも、花を通じて人々を幸せに導いていくのだった。暗い過去を背負うがゆえに愛することをためらうヴァネッサ。人を愛することの難しさ、そして赦すことの大切さを教えてくれる感動作です。
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花と愛の物語。
花にかぎらずものには、すべてメッセージがあるはず。
そしてそれらは、なにかとなにかをつなげる愛の源になってくれるはず。
そう思えた物語でした。
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読み終えたときのこの満たされた
包まれた感情は、なんだろう。
よんだら、わかる
まさにそう。
女性の母性とは本当に深い
花言葉を今まで意識したことなんて
なかったけど、花を見る心が変わった
花って素敵
そして花を愛する祖母、母親を思い出した
多くの女性に、はやくこの本に出会ってほしい