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商品説明
日本でいちばん口が堅い国税局査察部。その担当記者たちは、どうやって端緒をつかみ取材するのか。元テレ朝の国税担当記者が、マルサと脱税者の息詰まる攻防を明かす。『日刊ゲンダイ』連載を大幅に加筆・修正して単行本化。〔「国税記者の事件簿」(講談社+α文庫 2016年刊)に改題増補〕【「TRC MARC」の商品解説】
巨額脱税事件をスクープせよ!
日本でいちばん口が堅い国税局査察部。担当記者たちはどうやって端緒をつかみ、取材するのか。マルサと脱税者の息詰まる攻防をここに明かす。
マルサは食いついたら離さない!
<主な内容>
●「化粧で隠した6億円」国税局に現れた人気ニューハーフ美容家
●「お水の逃げ道」銀座高級クラブに現れたミノリ
●芸能界は脱税天国!?
●「神隠し」脱税に利用される宗教法人
●国税局に狙われた「財界総理」
ほか【商品解説】
目次
著者紹介
田中 周紀
- 略歴
- 〈田中周紀〉1961年生まれ。上智大学文学部卒業。共同通信社に入社。社会部在籍時には「ヤクルト巨額損失事件」等のスクープ記事を手がける。退社後、テレビ朝日を経て、フリーライターとして活動。
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紙の本
記者 vs 国税局査察部 vs 脱税犯 それぞれの攻防
2012/02/12 18:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:甲斐小泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サブタイトルに「実録マルサ」の世界とありますが、これは大ヒットしてマルサの存在を一躍有名にした故伊丹十三監督の映画を意識して編集者が付けたのだろうなと思いました。著者は共同通信社に勤務、本社社会部で国税当局を取材、その後、テレビ朝日に入社し、ディレクターを務めたあとに、再び国税当局の担当者になり、2010年の退社後フリーライターになった方です。
マルサ(国税局査察部)は最近のドラマで有名になったナサケ(査察部の内定調査部門)とミノリ(ナサケの調査結果をもとに強制調査を実施する部門)にわかれているそうで、どこで何をやっているかは秘密中の秘密だそうです。公務員としての守秘義務はもちろんのこと、被疑者に知られ、証拠隠しや逃亡をされるリスクの高さを思ったら日本で一番口が堅いと言われるのも当然でしょう。その集団に対し、担当記者である著者はあの手この手でスクープを取ろうと奔走します。
この本は『日刊ゲンダイ』での連載を加筆・修正したものだそうですが、国税局査察部により明るみに出た脱税と言う犯罪の有名な、或いは代表的な事例をどのような方法で行われたのがをストーリー化すると共に、口の堅い査察部と記者の密やかな攻防戦も描いていて、なかなか興味深い読み物になっています。
脱税と言えば、大概が確信犯で、本来納めるべき税金をダミー会社にたらい回しをしたり、タックスヘブンに会社を設立したり、真面目に働いていても巨額のお金を得る事は有り得ない庶民にとっては憎々しい限りですが、中には知識不足で怪しいアドバイスの結果、摘発されてしまう事例もあるらしいですし、悪銭身に付かずで、巨額の金をスッカラカンにして獄に繋がれる輩もいるとのことで、事実は小説より奇なりという言葉がふさわしいエピソードが紹介されています。
実名を出しているものもありますが、仮名になっているものもあります。人物が仮名でもそのストーリーを見ると、ああ、あの事件とすぐに思い浮かぶものもあり、新聞やテレビの報道で、見出しだけ知っていたという趣の事件の真相を今回初めて知ったものもありました。
年金問題に加え、東日本大震災と言う未曽有の天災、原子力発電所の大破による甚大な被害を被った地域の復興の為には消費税を上げるのはやむなしと言う方向になって来ているようですが、日常的な生活必需品の課税の結果の値上がりは経済的弱者の生活状態をより一層厳しくし、消費の低迷による更なる景気の落ち込みをもたらす危険性も大です。叩けば埃ならぬ大金の出る場所はたくさん有りそうですし、宗教法人が税制面での優遇を悪用する事例もあるとの事(そもそも脱税用に宗教法人を作ってしまう事例も)で、消費税アップの前にやるべきことがまだまだあるのでは?とこの本を読んで、改めて思いました。