紙の本
日本の仏教。
2012/07/17 20:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
南都六宗から黄檗宗に至る日本に伝来して現存する日本の仏教教派が簡潔に紹介されている。
「ほんとうの親鸞」で著者は恵信尼消息を含めて、現存する真宗関係の史料を批判的に取り上げているが、この本でも各宗派について伝わる史料をそのまま使わないで、結構批判的に使っている。もっとも親鸞聖人のように日野氏の出身とされるので貴族社会の日記や資料に取り上げられない、というのと法然上人や日蓮聖人のように武士や平民の出身なので外部資料がまずないという存在であるのとでは違いがある。
日蓮聖人について「予言が的中した予言者」だと評するのは、なかなか上手いところをついている。元寇と北條一門の内ゲバという危機の時代に生きた人物として日蓮聖人を見るだけではなく、奏上した内容が的中した人物として日蓮聖人を評しているのは他では見られない点である。
創価学会についての著書がある人だけに日蓮宗とは別に日蓮正宗を取り上げている。日蓮門下ならば不受不施派のような歴史的に興味深い教派もあるが、戦後史には、そんなに大きな存在ではないので、取り上げていないのだろう。
チベット仏教のように戦後渡来した教団は取り上げられていないが。
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まず、タイトルのネーミングが悪い。そもそも、タイトルの問いについてがメインの本ではない。むしろ、日本の仏教、特に日本仏教の各宗派についてコンパクト且つ分かりやすく概説している本である。ちなみに、タイトルの問いの答えは「おわりに」に書いてある。
仏教に関する概説本は多いが、日本仏教宗派に関する適当な概説本が無かったので、むしろ貴重な一冊。特に、奈良仏教~鎌倉新仏教の各宗派の教義を知るのに非常に立つ。
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日本における代表的な仏教宗派の歴史と現状を解説してくれています。
昔というか、親がどういう宗派であったかは知っていても、現在の自分は無宗教を自認。ハッキリ言って宗教には全く関心ないのですが、お仕着せの数珠を持って他人の葬式に出ることはあります。そこで同じような葬式にはなかなかお目にかかれないと言っていいくらいの日本仏教の多様性について、知識は必要と考え読んでみた。
全体に非常にわかりやすい解説で、ところどころに「これまでに見た」だとか「前述」を意味する表現が多くあったという印象ですが、読んでいて一つ一つ思い起こせたのがその証と言っていいでしょう。
これまで、日本史のあやふやな知識で、自分の頭の中では、「真言宗」と「浄土真宗」、「比叡山」と「高野山」あたりがごっちゃになっていたんですが、本書を読んでようやくスッキリしました。
その他、曹洞宗に関するあれこれは、多分、日本史の教科書には出てこないような知らないことばかり。
表題に対する答えは、ここには書きませんが、「へぇー」、「なるほど」感とまではいたらずでした。
(2012/4/29)
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我が家の宗派は真言宗だが、日常意識することもない。父母の葬式は無宗教で済ませた。とは言えおおまかに真言宗については気になる毎に少しは調べているのだが、近親の宗派が浄土真宗が多く、そちらの思想なりを調べるたび、真宗の考え方に興味と共感を覚えることが近年多くなってきている。正直、もう少し信心深かったなら、真宗に改宗しようかとも思うだろう。
先に読んだ『日本の10大新宗教』と比べるととりあげる範囲も広く、そのため用語も多岐にわたり個々の言葉を記憶するだけでもひと苦労してしまう。そのぶんひと通りの宗派はこれ一冊でほぼ概要を知ることができるのだと思うが。ここから興味を持ちより深く理解するためには各々が調べていくものとなる。この一冊はそのための入門書、と捉えるべきなのだろう。
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巷では現代の仏教というと、葬式仏教という評価が定型句として蔓延している。著者が冒頭で述べるとおり、今の私たちにとって仏教、ひいては自分が所属する宗派というものは、葬儀で出会い、そしてすぐに別れ忘れてしまう見ず知らずの人に過ぎなくなっている。幸運、かつ貴重なことに葬儀を執り行わない宗派の寺院・僧侶と親交を持つ私個人にしても、家の宗旨は知識でしか無く、親交が信仰へ転ずるかと言われればまた違う。寺社を訪れる事、仏像を仰ぎ見ることを好んでいても、すなわちそれが仏教を信奉することかと問われれば首をひねってしまう。
本書は、現代日本に続く各宗派について、宗派史の簡単な概説を含めながら、明快に各宗派の特徴や現在の在り方について紹介している。日本仏教への入門書として非常に分かりやすいと感じた。どれだけ平安時代や鎌倉時代の仏教について学んでも、それが血肉をもって今へと繋がらなければ、それはもはや歴史ではなく、断絶した無味乾燥な過去のひとかけらに過ぎない。そういった意味で、本書は仏教史の今と昔を巧みに結びつけて書かれている。「こういう本が欲しかった!」と膝を打つ良書。
一方で、タイトルとの関連性を考えるとやや内容が散漫している印象を受ける。問題提起を解決するにはここまで遠回りする必要は無いように思う。浄土真宗に特化した本だと思って読むと肩透かしを食らうため注意が必要。
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宗派の違いがよく分かる。
タイトルと中身は違うんじゃない?
曹洞宗の寺院の数はセブンイレブンの店舗数を超えている。14,000強。
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タイトルの「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」は最後に10ページほど。
ほとんど日本の伝統仏教各宗派の成り立ちと歴史。
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最近身近な人が亡くなり、宗教について考える事があり読んでみた。特に浄土真宗を信仰しているわけではないが、各宗派の成り立ちがわかった。タイトルの「浄土真宗は、、、」の答えは最後の最後に書かれている。浄土真宗は信徒の数1200万人を超えている、寺院は2万を超え、全国の総寺院数の約20%だという。理由は庶民の信仰だから、具体的な救済の手段が備わっている事。それは、称名念仏「南無阿弥陀仏」。又親鸞が「非僧非俗」の立場をとり、妻帯した事が血縁によるネットワークを広げた等々。最後に今は葬式仏教で寺は安泰だが、団塊の世代が亡くなった後、葬儀が減ってきた時に仏教宗派はどのになっていくのかと終わっている。無縁社会と言われる昨今、宗教という物をほとんど考えずに生きてきた世代は何を選択するのだろう。
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日本仏教の、それぞれの宗派の成り立ちや歴史を知って、これからの仏教の在り方について考える本。仏教については興味があるので、それぞれの宗派がどのようにして広まっていったかについては考えながら読めたのですが、歴史苦手なので、宗派を興した人物の話になってくると名前に苦労しました。知っている人物はすぐに入ってくるのですが…
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うちは、亡父の実家が鹿児島の浄土真宗の寺、母の実家が兵庫の曹洞宗の寺なので、宗派による流儀の違いというのは、子供の頃から何となく意識はしていましたが、具体的にどこがなぜ違うのかについては、今まできちんと知らずに過ごしてきました。
この本では、これらも含めて、日本の主要な仏教宗派の成り立ちや現状を、実にコンパクトにまとめてくれていて、すっきり理解することができました。
タイトルだけみると真宗中心みたいですが、創価学会など仏教系新興宗教も含めた日本の全般的な仏教宗派の状況がバランス良く書かれていて、興味のある向きには、結構役に立つと思います。
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≪目次≫
序章 仏教において宗派とは何か
第1章 日本仏教宗派の源流、南都六宗(法相宗、華厳宗、律宗+聖徳宗)
第2章 仏教の総合大学 比叡山の天台宗
第3章 謎多きスーパースター空海の真言宗
第4章 元祖・念仏信仰、浄土宗
第5章 親鸞が開いた日本仏教の最大宗派、浄土真宗
第6章 さまざまな禅文化が花開いた臨済宗(+黄檗宗)
第7章 葬式仏教の生みの親でもある道元の曹洞宗
第8章 2度も流罪に処された日蓮の日蓮宗
第9章 その他の宗派(融通念仏宗、時宗、日蓮正宗)、そして新宗教と葬儀
おわりに
≪内容≫
日本仏教(本来の仏教、中国の仏教とは違う発達をした)について、時代順、宗派別に簡単にまとめたもの。他の宗教史にはない、教祖の時期、発展した時期以降の宗派の様子も書かれていて、そういう意味で便利なものとなっている。
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日本仏教の概説。
普段、何となく感じている程度の宗派へのイメージから話が始まり、その理由を宗派の趣旨や歴史で説明してくれる。仏教入門としては最適な、わかりやすくシンプルな概説書。
個人的には奈良の寺院の商売熱心な感じが、南都六宗の国家仏教故に檀家が無いことや、廃仏毀釈の影響ということで説明がされていて、なるほどと思いました。
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タイトルと中身にはだいぶギャップがあるが、日本仏教の成り立ち、宗派の違いのダイジェストだと思えばいいのかな。
分かり易く簡潔に解説してはいるものの、読み物としての面白さは無い。
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他の方も書かれているように、タイトルについてはキャッチですね。最後に慌てて「あぁ、タイトルの内容書いとかなきゃ」的に記述がありますが、基本は日本の仏教史ダイジェストです。
それはそれで、学校では教わらない内容、どこかに肩入れすることなく、一歩引いた立場からの解説で大変面白く読み進めることが出来ました。世代的にも親世代が遠からず亡くなっていく年齢にさしかかっているので、この先接するコトになるであろう仏事に備えた下ごしらえの第一歩としては悪くないと思います。
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日本の宗教事情がよくわかる。結局浄土真宗は念仏を唱えることで救われる庶民の宗教なので流行るのだろう。ということ