紙の本
数少ない入門書の一つ
2015/09/30 19:11
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:jake - この投稿者のレビュー一覧を見る
数少ない東洋哲学の優秀な哲学の入門書。
内容もうわべだけのものでなく、よく理解した人が書いているなあという印象。
だいたい東洋哲学の解説はすっとばしダイジェストという感じか宗教関係者の理解するよりも感じるものです的なものですがこちらはちゃんと解説してくれてます。
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悟ってないから書ける分かり安さ。
東洋哲学が分かるということは、本書で書かれている通り、
理屈ではなく文字で表すことも出来ない。
そして、人間の価値判断そのものに変容を示すので、
実際に悟ると悟っていない人と話が合わない。
なぜなら言葉の認識さえ異なっているからである。
だから、悟った人の文章というのは、
悟っていない人にとっては、とても難しく感じる。
本書は悟っていない立場で悟りについて語った本と言える。
だから、一般人にはとても分かりやすく、
かといって大きく間違っていることもないだろうと思う。
(まぁ、そこまでの悟りに達していないので何とも言えないが)
話し言葉が多くネット用語や漫画アニメ的表現が散見されるが、
その筋に精通していなくても雰囲気で分かる程度だと思う。
本書が悟りの役に立つかと言えばそうでは無いし、
何か有益な事があるかと言われると言葉が出ない。
雑学が付くこととオカルト商法が見分けられるくらいだろうか。
しかし、東洋の哲学史の本というと、
小難しい本ばかりが目立つので本書は貴重な存在ではある。
しかし、雑学と言えども現代的自我に捉われた現代人にとっては、
一滴の清涼剤にはなりえようか。
「東洋哲学はウソである」の項は極めてよく書けていると思うのだが、
後半の方便を肯定的に扱っているのは、もう少し突っ込んでほしい。
結局のところ、方便というのは宗教の手法であって、
仏教に限らずキリストもイスラムも近代スピ系もみんな同じである。
しかし、それで何が起こったかと言うと政治に利用され戦争が起こる。
世界に仏教しかなければそれで済むんだろうが、
そんなことはない訳で方便が違うと諍いを生み戦争が起こる。
その歴史をどう見るのか読者は考えなければならないだろう。
「俺がガンダムだ」の話は実に良く出来ている。
最後の最後で少しがっかり。
人物別の解説は凄く良く書かれていると思ったのだけれど、
オリジナルの論理展開はちょっと、頭が固い気がする。
釈迦に麻薬をうったらどうなるかなんてどうでも良いこと。
なんで、映画は一本しかないと考えるのだろうか。
クオリアが共有出来ないということは、
世界を共有していないかもしれないということのはずである。
それなら、なぜ他人の反応なんかが重要になるか。
なぜ、釈迦や老子やジャンキーやその他大勢の他人と、
世界を共有していると信じて疑わないのだろう。
悟りを開いた人が見る世界が、ジャンキーが見る世界が、
自分と同じだと信じて疑わないのだろう。
まったくバカバカしい話だ。
「インフィニティ・ブラッド」がある世界に生きている人が、
居たって何も可笑しくないだろう。
少なくとも今はそれがない世界にいるだけなのだから。
悟りを開いた人は何も変わらないと言うが、
その悟りを開いた人というのは、行って帰って来た人だと、
牛十図で解説しているはずだ。
行って帰ってこれなかった人も当然いるだろう。
それが「インフィニティ・ブラッド」に生きてる人じゃないのか。
確かにそれは起こるものが起こってるとしか言えない。
自分で世界を映画を選んでいる訳ではないだろう。
でも、この物理的現実がそうならざるを得ないのではない。
そうなった場合のみしか我々には見えない。
そう解釈するのが適当であると僕は考える。
(まだ下書き)
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これほどまでに「熱い」哲学書が今まであっただろうか?
いや! ない!
『バキ』の作者によるカバーに包まれた本書には、格闘漫画といってもいいような、最強を目指す男たちの生き様が刻まれている。
読む人が読めば、「何だそりゃ」というような解釈もあるかもしれない。
しかし、そんなものを気にさせない圧倒的な説得力、「熱さ」がこの本にはある。
これが飲茶氏の哲学なのだ。
この体験は読むことでしか伝わらないだろう。
こんなレビューを読まずに、まず本書を手にとってもらいたい。
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他の哲学入門書を読んできたこともないし、東洋哲学はとくに興味がわかない分野………そう、この本に出会うまでは………‼
まぁ別に熱くなるわけでもなく、ただ、ものすごく読みやすい。
東洋哲学の数千年の流れを一気に体験したような。
謎かけとか、アホかと思っていたけど、あれこそが一つの悟りへの道。
よい、本でした。
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相変わらず読みやすく、一気に読めた。西洋哲学とだいぶん趣が異なるかなぁ。宗教の中から哲学部分を取り出すような感じだろうか。前作から読むと、ああこれは西洋哲学のアレに似てるなあ思うことあった。なので、西洋哲学と東洋哲学の対比や比較の本もよみたいなぁ。しかし、東洋哲学の核心部分を言語で伝えることが難しいというのは、言語を扱う動物として切なさを感じる。
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バキィィィ!な表紙の哲学入門シリーズ、まさかの第2弾。前作よりバキ成分は薄めだが江頭2:50が大哲学者に仕立て上げられていたりと油断はできない。真理へ階段状へ到達しようとする道筋を体系化していく西洋思想と違い、既に真理へと到達してしまった所から始まる東洋思想の特徴というのを、古代インド哲学から中国諸子百家、日本の仏教という順で辿っていく。禅というのは問題を分析し解き明かすものではなく、問題から飛躍し「答え」を直接体験させるのだという説明は納得。なお本書は、最愛なる著者の三男と裂海王氏に捧げられている。
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正直、西洋編に比べれば劣るかなという印象。
しかし、それは本書の中でも書かれているように、東洋哲学の特徴ゆえなんだと思う。その特徴ゆえにバキ的な要素の必要性はあまり感じられなかった。
西洋編には劣るものの相変わらず非常にわかりやすく面白かった。
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“哲学的な何か、あと科学とか”サイト管理人の哲学入門書第2弾。第1弾は西洋哲学だったけれど、今回のお題は毛色を変えて東洋哲学です。
小難しい言葉ばかり使って眠気を誘う他の入門書と違い、『オレがガンダムだ!』などといった解りやすい(?)表現ですいすい読める。
東洋哲学なんて迷信ばかりだろうと思っていましたが、実際の体験を通して理解させるという方法論を使っているから迷信ぽくなってるだけであって、本質的なところは(著者の解釈も入ってるでしょうが)最近の西洋哲学と似たことを言ってるのかなと思いました。
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非常にわかり易い。何がか、というと「分かりにくさ」がである。東洋哲学の説明を乞われた時に非常に困る場面が今までに何度かあり、その度に自分の半可通ぶりを反省していたのだが、そもそも言語化するシステムに無いんだからそりゃ難しいわなという事を悟れただけでも大きな収穫でした。
中国哲学のあたり(いくらか私自身が勉強している分野)を見ると、良い意味でも悪い意味でも相当端折ってるなと感じました。そもそも、一つ一つのテーマ(たとえば孔子だったり老子だったり)で2、3冊書ける中身なので仕方ないのですが、やや食い足りなさが残りました。
ただ、それらを含めても入門書としては抜群の出来。中高生にはぜひ読んでほしい一冊。
しかし、馴染む。東洋哲学は実に良く馴染みます。私もいつか「一杯のお茶」を飲める日を迎えたいと思います(笑)。
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表紙を見てこれいけるかなと思い中を見ると結構な分量。ちょっととっつきにくい面が多々あるが話し言葉調で読みやすいのだが、内容を理解するにはまだまだ頭の蓄積が少なかった模様。
仏教から哲学へ、哲学から仏教へ縦と横のつながりが複雑で縦横無尽であることはよくわかる。
いずれこの本に出てくる哲人たちの書も読まずにはいられないだろう。
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最高!
この本だけで東洋哲学が分かった!ような気がする。
相変わらず飲茶の本は読みやすいし、分かりやすい。
きっと裏側には小難しい理論などもあるはずだけど、入門編としてこれだけ分かりやすく書いてもらえれば他に何もいらないし、他の物を読む気にはなれない。
しかしこの本を読んで悟りの境地が遠のくであろうことも事実。
がしかし、何世紀か先にこの時代に生まれるべくして生まれるであろう哲学のためにやむを得ない犠牲。
早く次を書いて欲しい。
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元々は「哲学的な何か、あと科学とか」
http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/index.html
というサイトのコンテンツが
シビれる!あこがれるゥ!で読んでいて満足していましたァンッ!
東洋哲学…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ踏み込んではならないラインを
ディ・モールトえてしまったッ!
そんな予感を感じずにはいられませんッ!
読だァー!結果、東洋哲学と西洋哲学の違いが
何とな~~~く分かった気がするッ!ッ!のか?
※ジョジョ語風味に変換しています※
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初心者の私にとって、わかりやすく、楽しく読み進められた。教養として触れる人に向いてる本かもしれません。大まかに知ることができたと思います。
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グラップラーバキで有名な板垣恵介さんのイラストが表紙で、軽そうな本に見えますが中身は秀逸でした。そこらの仏教関係の大学教授が書いている東洋思想、仏教関係の入門書よりはるかにわかりやすく、本質を突いているように思います。途中で般若心経も全文解説していますが、そこらの仏教関係者が書いている般若心経入門よりはるかにわかりやすい。著者の飲茶さんは東北大学大学院卒の実業家、バキファン、の方で、どんな方かよくわかりませんが、軽い文体でありながら本質を突いた解説、という印象でした。
東洋哲学が、古代インド、ヤージュナヴァルキヤ等に発したインド哲学が、釈迦、達磨、老子、等を経て、東へ東へと移り日本にて完成する、といったテーマで、主要な思想を解説しています。
印象的なポイント
1. 西洋哲学は階段方である一方、東洋哲学は教祖を頂点とするピラミッド型。従ってピラミッドの頂点にいる人しかわからない代物である
私も何となく感じていた点を明確に説明しています。つまり、東洋哲学は本を読んでわかるような代物ではない。最初からそういいきってもらえると、読んだけど結局なんだかよくわからない、という消化不良感から逃れることができます。
2.古代インドのアーリア人はカースト制度を作り出し、バラモンは特権階級を手に入れた。バラモンたちは労働を下層階級に任せることで余裕ができ余計ないことを考えるようになり、哲学者になる。これは西洋でも同じで、西洋では、古代ギリシャ人は奴隷に労働を任せることで余裕ができ、哲学を考え始める。ちなみに、英語のSchoolの語源は古代ギリシャ語のscole(暇)である。
本質を突いていると思います。労働に追われている人は、人生とは何か、人は何故生きるのか、など考えないでしょう。ある意味、人は余裕ができたから余計なことを考え始めたのでしょう。本来は生命にとって哲学などいらないのかもしれません。哲学とは行き場をなくした脳のエネルギーがCPUパワーを持て余して無駄にぐるぐる回っているだけなのかもしれません。
3. 釈迦は古代インドのウパニシャッド哲学を踏まえたうえで存在する一人の人間である。しかしながら釈迦は、ウパニシャッド哲学で重要なアートマンは存在しない、という無我、を説いた。しかし、これはウパニシャッド哲学を否定したわけではない。当時の人々は、本来は概念では捉えられないアートマンを概念化していたので、否定する必要があった。
このウパニシャッドのアートマンと、仏教の無我、の関係がよくわからず気持ちの悪いものでした。著者の主張によれば、釈迦は一見ウパニシャッド哲学を否定するような言い回しをしているが、そういわざるを得ない背景がありそういっているだけで、本質的に異なることをいっているわけではない、ということです。
4.般若心経は仏教の基本、四諦、八正道をも否定する
あまり気にしてませんでしたが、確かに、般若心経では、無苦集滅道、といっていますね。著者は、般若心経の真髄は、有名な色即是空、空即是色、ではなく、それ以降の仏教を含めたすべてを否定するところにある、と主張します。教えにすらとらわれず、すべての分別する智慧を捨てたところに真実が見えてくる、といったところでしょうか。こんなラディカルなお経だったんですね。
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西洋哲学編は、それぞれの哲人たちの結びつきが今一つ弱くて、全体の物語として弱かったのですが、この本は、一つの大きな物語としてもおもしろいです。
東洋哲学のすごさ、そして、その胡散臭さがどこからくるのか、これほどわかりやすく書かれた本はないと思います。
しかし、心理学のことを知れば知るほど、自分がそれによって救われにくくなるのと同じように、東洋哲学も、仕組みを知れば知るほど、その伝えようとする真理からは遠ざかっていくというジレンマ。
このジレンマがあるから、東洋哲学というのは、ある程度ぼかして書かないといけないのかも。なんせ、伝えようのないものを伝えようとしているのだから。
もちろん、そんなこと分かっていて、「それでもこの本を」という飲茶さんのメッセージが熱いです。